服を「選んでもらう」事が雑誌を潰す?

omakase

The Flagイシュー「自分だけじゃ選べない?」(https://theflag.jp/blog/81

ファッション感度によって「選んでほしい」かどうかが変わる

「選んでもらう」はスタンダードになるのか?

ファッション感度が高い人間にこの質問をぶつけたところで、「選んでもらうこと」はスタンダードにならないと答えるでしょう。つまりどの層がこの「選んでもらう」事を望んでいるのかという事。

“量産型”ファッションが生まれた背景とは?

こちらの記事ではおしゃれ度をイノベーター理論で説明しています。僕も職業柄、授業でファッション感度をイノベーター理論で学生に説明する事がありますが、これは非常にわかりやすい。レイトマジョリティの部分を見てみますと

「横並びを好む人たち。情弱である事を避けるため適宜周りに合わせる。」

との事。これ当に「選んで欲しい人」の層ではないでしょうか。しかもその層の割合がかなり高いのです。

「選んでもらう」は以前からあった?

SCやアウトレットでリサーチをしていましても、ファミリーやカップルで女性が男性に服をアドバイスしている光景を良く目にします。そもそも多くの方が洋服は販売員さんに選んでもらっています。僕が今まで管理していたショップの顧客でも販売員さんにコーディネートを丸投げ状態の人は少なからずいました。実は既に洋服を選んでもうらうことは一部の層ではスタンダードなのではないでしょうか。

選んでもらう相手が彼女や奥さんなのか、販売員なのか、WEARを参考にするのか、人工知能なのかの違いなだけで、本質的なニーズは全て同じ。Amazonがユーザーの行動から商品をレコメンドするように、Netflixが好きな動画をレコメンドしてくるように、ファッション販売の領域において商品がレコメンドされる事は何ら不自然な事ではないのです。

例えばこの記事で紹介されているユニクロの顧客層では「選んでほしい」人が多くてもおかしくはないでしょう。980円が5枚届くという事はユニクロの原価率は38%と言われていますから(もちろん物によって違うとは思いますが)、

980✖️0.62 = 608

608✖️5 = 3040

一人あたり3040円の粗利です。これが仮に100万人利用すれば30億円を超す粗利な訳ですね。中々バカにできませんし、インフルエンサーを起用する事でブランディングにもなります。

「選んでもらう」の売上はどこから奪われる?

話が逸れましたが、レイトマジョリティより下(下といっていいのかわかりませんが)の層では「選んでもらう」は既にスタンダードであり、その役割が置き換わってきただけなのではないでしょうか。そしてこの「選ぶ」事には付加価値があり、ユーザーは対価を支払っている訳です。UT picksはインフルエンサーを起用していますから広告宣伝費も兼ねているのでしょう。

その他のサービスを見ても商品をキュレーションするところから始まっています。これらを踏まえると売上を奪われるのは広告やメディアだと推測します。インフルエンサーやキュレーターが広告とレコメンドの役割を果たし、メディア関連と競合していく。この「選ぶ人」の影響力が強くなってくれば、個人がそのサービス上でコンテンツの一つとなり、集合体がメディアのような働きをする。「ERANDE」を立ち上げた永松夏美さんや「HATCH」の三浦有人さんはスタートトゥデイ出身という事もありますから、もしかしたらそのうち「選ぶ人」にWEARのWEARISTAが登場してくる可能性もありますね。「選んでもらう」サービスが普及したとしたら雑誌の廃刊に更なる拍車がかかりそうです。

@fukaji

投稿者: @fukaji

ラグジュアリーブランドのリテール管理と全国セレクトショップへのホールセール担当を経て、起業。高級衣料品、ミセス、ヤングカジュアル、などの経験を基に、ECサイト構築・運用・コンサルティング、リテールのソリューション事業を中心に活動。

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