タッチポイントの多様化と顧客の囲い込み

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The Flagイシュー「新品と古着、消える境目。2次流通の可能性とは?」

新品を販売する1次流通の企業は、ブランドイメージに悪影響を及ぼすことや、新品の販売数が減ってしまうのではという懸念から、2次流通への進出は消極的でした。しかし、ここ数年で、この考えをひっくり返す動きがみられています。つまり、新品を販売する1次流通の企業が、古着を回収し販売する2次流通へ進出しはじめています。

記事にも書かれていますが、2次流通自体は過去から「RAGTAG」や「ジャンブルストア」、webでは「ヤフオク」など色々ありました。近年の特徴としては、CtoCが「メルカリ」などのモバイルアプリにより、誰でも容易に出来るようになった事とシェアリングエコノミーの台頭。

僕が教えている専門学生でもコレクションブランドを購入する学生さんはたくさんいます。そして彼らはお金が無くなると今持っている服をメルカリで売却して、新しい服を購入するという行動を繰り返しています。

①新品を購入→C to Cで売却→売却したお金でまた新しい服を購入

②レンタルサービスを利用

③中古品を購入

ざっくりですが消費者の選択肢としては上記3点。以前にも書きましたが、①と②は本質的には同じ行動をとっています。

ファッション業界にも押し寄せるシェアリングエコノミーの潮流

②と③の市場に新品販売をしていた1次流通企業が参入してきたというのが今回の構図ですね。

目的は顧客の囲い込み

今回紹介されているサービスは、先述した学生さんのような行動を自社の経済圏の中でしてもらおうというような内容。つまり各社の目的は、それぞれの企業の経済圏を作り顧客を囲い込む事にあると言えるでしょう。

レンタルや中古品販売は「お試し」的な要素もありますから、新規顧客獲得には効果的かもしれません。ストライプインターナショナルの「メチャカリ」は会員数こそ拡大は遅いですが、新規顧客獲得には一定の成功を収めているようです。

2次流通にも明確なセグメントが必要になる

そしてアパレル企業が2次流通に参入してくるという事は、その領域ですら強みが必要になるという事です。今回紹介されている三社でも、

・TOKYOブランドのみの取り扱いで本来のコンセプトを崩さず2次流通に参入しているTOKYO BASE

・レディースヤングカジュアルブランド中心のストライプインターナショナル

・ハイブランドのみの取り扱いとなるマテリアルワールド

というようにそれぞれの領域で強みがあります。全方位に中古品を取り扱う業者よりこれは顧客に訴求しやすい。今後はいかに顧客の選択肢を増やし、ブランドイメージを守りながら自社の経済圏に取り込めるかが求められるでしょう。

余談ですが、ストライプインターナショナルは独自で古着販売を行ってますがスタートトゥデイとも連携しています。

ゾゾとクロスカンパニーが古着販売で連携 アースなどブランド公式のユーズドショップ拡大へ

メチャカリで返却された古着をゾゾという集客が見込めるマーケットで販売。ゾゾ側は人気ブランドの古着が安定供給される。売れているかは知りませんが、素晴らしく合理的。やはり石川康晴氏はタダ者ではありませんね…。