販売員の働く環境改善の重要性

<The Flagイシュー>

ファッション業界 主要企業20社の従業員数は過去5年間でどう変わったのか?

http://theflag.jp/article/35274?ref=/articlelist/1?ref=/feed/0

この回のイシューはファッション業界の従業員数の増加についての調査ですね。

SPAが当たり前の時代だから…

まずは卸業界について。ここは前職でもありますので、そこそこ内部情報がわかります(笑)

現在の状況は2007年に比べて卸の従業員数が相当数減っていますね。

現状アパレル企業の多くがSPAのような垂直統合モデルを採用しており、サプライチェーンマネジメントを考えるとこの流れは致し方ありません。卸企業の一番の弱点はデリバリーなんです。つまり、展開したい時期に商品が提携工場や取引先ブランドから届かないなんて事は日常茶飯時。MDを組んでいても実現できないなら絵に描いた餅ですからね。。

ファッション業界全体で従業員数30%減!

ファッション業界全体で30%減は予想以上の数字ですが、慢性的に人材不足の業界ですのでうなづけますね。特に販売員でしょうけど。

当たり前ですが、売上が伸びている企業は従業員数が増えてますね。アダストリアのように経営統合した企業ももちろんありますが。

そんな中でも勝ち組企業は伸びている

<三越伊勢丹>

三越伊勢丹の従業員数が顕著に伸びていますね。ここは販売員の働く環境改善にしっかり取り組んでいる事、そして消化仕入れを減らし、メーカーからの商品の買取の比重を増やしている事が原因の一つでしょう。百貨店として素晴らしい取り組みですし、特に働く環境改善はデベロッパー主導でなければ実現できない部分が多々あります。(営業日、営業時間など)販売員協会設立のニュース(http://www.senken.co.jp/news/education/fashion-adviser-association/)がありましたが、資格を導入するよりも環境改善の方がより効果的だと感じますので、是非他の百貨店も足並みを揃えてほしいものです。

<ユニクロ>

ユニクロは国内店舗数はほとんど頭打ち。スクラップ&ビルドと店舗拡大をしてしのいでいますので、従業員数の増加はほとんど海外でしょう。これからも中国を中心にアジアへの出店が加速するでしょうし、売上も従業員数も海外の割合が増えるでしょうね。

売上が下がれば従業員はもちろん減る

<ファイブフォックス>

私が学生時代は業界でもトップクラスの企業でしたが全盛期の半分くらいの規模になりましたね。。このグラフは売上の下降と比例しているでしょう。ブランドの人気低下に伴い、求人もガクッと減ったのか今ではかなりの好待遇だと聞きます。昔は軍隊のように厳しいと噂でしたし、ファイブフォックス出身者なら根性があるから間違いないと転職にも有利だったのが懐かしい…。。

<三陽商会>

三陽商会はバーバリーの代わりにマッキントッシュロンドンで売り場を260店舗ほど維持していますが、あのブランドの市場規模を考えるとこの店舗数はやや厳しいのではと思ってしまいます。マッキントッシュ本体がラグジュアリー路線の戦略をとっているのに、三陽商会がライセンスで2ブランド持っているというのも違和感を覚えます。過去のブランドの歴史を見ても、ライセンス商法はラグジュアリー路線と相反している為ディオールも打ち切っていますし、バーバリー自体も同じような理由からだと思うのですが…。バーバリーの後継ブランドであるクレストブリッジも今の所、バーバリーの半分強くらいの売上だと聞いてますので三陽商会は非常に厳しい状況なんではないでしょうか。

条件が悪ければ人材は集まらない

そもそもファッション業界、特に販売員は給与水準が低く、働く環境も良くありません。そして企業が求めている人材のほとんどが現場の販売員なので、

 「人材不足=販売員不足」

 という認識で大方間違いないでしょう。環境や条件が悪ければ人材が集まらないのは当たり前です。

福利厚生が手厚くても年中無休のテナントでは意味が無い

この問題に関しては、アパレル企業、デベロッパー、ファッション教育機関の三つが協力して取り組まなければ解決しないと感じます。ここ最近では一部のアパレル企業の環境改善の取り組みは目立ちますが、デベロッパーに問題があります。営業時間が長く、元旦から年中無休で営業しているSCの乱立により、いくらアパレル企業が福利厚生を手厚くしても限界があります。そして、ファッション教育機関は販売員をしっかり育てるカリキュラムが不十分であり、そのコストもアパレル企業に押し付けているのが現状。

 これらの問題点が解決されない限りは企業の人材が担保される事はなく、伊勢丹のような業界のリーダー的企業が音頭をとって問題解決していくしか無さそうです。販売員協会の参加企業におかれましては、資格などよりこのような取り組みをデベロッパーや教育機関と共に解決して頂きたく思います。

 私自身、教育機関で講師もしている身ですので、この問題をいつも企業の方々とお話ししております。もちろん販売員に特化したカリキュラムも作成しております。しかし1校だけの取り組みでは微力すぎますので、この取り組みが全国的に波及する事を願ってやみません。