ブランド・ビジネス  2019-03-02

決して消える事の無いカール・ラガーフェルドの残した軌跡

2月19日午前、死去。85歳だった。
ショーの欠席が報じられ、様々な憶測が流れた3週間後、彼はほんとうに逝ってしまった。訃報が流れると、世界中の彼を愛した人々からSNSを通じ、愛と称賛、感謝と悲しみ、死を惜しむ声などのコメントがアップされ続けている。
 
コメントからはファッション界だけでなく、彼のマルチな才能が多くの人たちの人生に魔法をかけ輝きを与えたこと、愛情深い人柄などが分かる。と同時に彼を失った衝撃は計り知れない。
モード界の皇帝と称され、ポニーテールにサングラス、クロムハーツのジュエリー、ハイカラーにグローブの定番スタイルで自らがファッションアイコンであったカール・ラガーフェルド。様々なスタイルを試し、たどり着いたのがこのルックだったという。
一見、いつも同じものを着ているように見えがちだが、実は2002年にコラボもしたディーゼルのデニムを履くなど、常にルックをアップデートさせていた。
 
そんなカールの経歴は1955年、ピエール・バルマンのアシスタントとしてデザイナー人生をスタート。その後、紆余曲折したが1964年クロエと契約。更には、フェンディ、シャネルでクリエイティブディレクターを務めた。
 
1982年に契約したシャネルではココ・シャネルの“エレガント”にモードファッションを着こなすというアイデンティティーと、 彼の独創性に溢れ、絶えることないインスピレーションと天才的な感性を表現したコレクションで観客を魅了し、衰退していたシャネルを世界的ブランドまで押し上げ地位を確立。ブランドイメージを刷新し、シャネルのあるべき姿、なれる姿へと変化させた。また、シャネルだけでなくファッション界を終生牽引し続けた。
 
20日シャネルは30年来、鬼才といわれた彼の右腕として活躍してきたヴィルジニー・ヴィアールを任命。彼女は先月カールが欠席したクチュールショーにて彼の代わりに登壇し挨拶をしている。彼女はインタビューで『ずっとシャネルっ子だった。他になる方法がわかならない』と語っており、ココとカールが築いた歴史と精神を守りながら、シャネルの未来を担っていく彼女が、今後デザインするコレクションに注目したい。
 
カールは“どんなに大きな台風でもすぐにいなくなる”という言葉を残しているが、たとえこの世から去ろうとも彼がそうなることはきっとない。ブランドを再興させた第一人者として、また、彼が手がけた多くのレガシーはこれからも受け継がれ人々に影響を与え続けるだろう。彼は振り返らず変化し続け、自らも生きるレジェンドになることが運命だと述べていたが、死をもって本物のレジェンドになったのではないだろうか。
 

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