ファッション全般  2019-04-08

メルカリの隆盛が日本人の考え方を変えた?

先日、この記事を自分のブログにアップしたところ、非常にアクセスが伸びました。
 
「メルカリで高く転売できる」というブランド価値
http://minamimitsuhiro.info/archives/5634.html
 
最近、ファッション好きの若い人が「ブランド物の服」を買うことが増えています。我々ジジイ世代には、こうした動きを見て「安物の服に飽きた」とか「ファッションへの熱意が戻ってきた」と喜んでいる人が少なくありませんでした。
しかし、メルカリでの転売を日常茶飯事とする若い人は、「転売価値の高い服」という理由で「ブランド物」を選んでいたのです。
我々ジジイ世代はメルカリが浸透していて、転売が盛んであることは情報としては知っていますが、自分ではやっていないので、そこの実感がないのです。
 
 
今の若い人もあと10年経てば社会の中堅層になります。メルカリというウェブサービスがそのまま支持されているかどうかはわかりません。ウェブは栄枯盛衰が激しく、例えば2010年頃に大人気だったインターネット動画中継のUstreamはあっという間に廃れて廃止されてしまいました。
 
メルカリが10年後に廃止されている可能性はゼロではありませんが、その場合はまた別の転売サービスに支持が集まっていると考えられます。
メルカリでの売買を経験した若い人がそういう活動をやめてしまうとは考えられません。
自分のブログでは、「モノヅクリの熱い情熱ガー」なんて曖昧模糊とした方針で服を作るのではなく、「メルカリで高く転売できること」を目指して服を作ればどうかと提案しました。
 
 
今回はその時に書き漏らしたことをまとめたいと思います。
転売価値の高い服(雑貨)を買うという若い人の行動は一見すると、ドライでシビアだと映ります。恐らく国内のファッション業界ジジイは愚にもつかないことをグダグダと言っているのではないかと推察しますが、この消費行動は欧米人に近いのではないかと個人的には感じます。
欧米には高級ラグジュアリーブランドが多数あります。
富裕層はそれらを買っていますが、彼らがどうしてラグジュアリーブランドを買うのかというと、金を持っているからとか、ファッショナブルだからとか、ステイタスがあるからとか、それだけの理由ではありません。
 
 
いざとなったら高値で転売できる資産価値があるからなのです。
 
 
とくに腕時計やバッグはそういう資産価値のあるブランドが多数あります。
有名なところではエルメスのバーキンやケリーバッグではないでしょうか。
購入するには高額な価格を支払わねばなりませんが、仮に自分の会社が倒産したり、借金が返し切れなくなったときには、エルメスは高値で転売できるのです。
ロレックスを含む、名高い高級腕時計も同様です。
 
 
メルカリで転売価値のあるブランドを買って転売している若い人たちがそういうことを知っているのかどうかはわかりません。知らない若い人も多いのではないかと思いますが、結果的には欧米に近い考え方になっているというのはなんとも興味深いものです。
 
合理的に考えた結果がそういう行動に行き着いたのだと思いますが、日本もいよいよ欧米型の資本主義が根付いてきたのではないかとも感じます。
 
現在、行き詰っている斜陽ブランドが多数国内にはありますが、「高値で転売できること」を目指して商品作りやブランド施策を組み立ててみませんか?そちらの方が具体的な取り組みができやすいと思いますがいかがでしょうか?
 

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南充浩
WRITER

1970年生まれ。大学卒業後、量販店系衣料品販売チェーン店に入社、97年に繊維業界新聞記者となる。2003年退職後、Tシャツアパレルメーカーの広報、雑誌編集、大型展示会主催会社の営業、ファッション専門学校の広報を経て独立。現在、フリーランスの繊維業界ライター、広報アドバイザーなどを務める。 2010年秋から開始した「繊維業界ブログ」は現在、月間20万PVを集めるまでに読者数が増えた。2010年12月から産地生地販売会「テキスタイル・マルシェ」主催事務局。 日経ビジネスオンライン、東洋経済別冊、週刊エコノミスト、WWD、Senken-h(繊研新聞アッシュ)、モノ批評雑誌月刊monoqlo、などに寄稿 【オフィシヤルブロ(http://minamimitsuhiro.info/ )】

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1970年生まれ。大学卒業後、量販店系衣料品販売チェーン店に入社、97年に繊維業界新聞記者となる。2003年退職後、Tシャツアパレルメーカーの広報、雑誌編集、大型展示会主催会社の営業、ファッション専門学校の広報を経て独立。現在、フリーランスの繊維業界ライター、広報アドバイザーなどを務める。 2010年秋から開始した「繊維業界ブログ」は現在、月間20万PVを集めるまでに読者数が増えた。2010年12月から産地生地販売会「テキスタイル・マルシェ」主催事務局。 日経ビジネスオンライン、東洋経済別冊、週刊エコノミスト、WWD、Senken-h(繊研新聞アッシュ)、モノ批評雑誌月刊monoqlo、などに寄稿 【オフィシヤルブロ(http://minamimitsuhiro.info/ )】

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