フルフィルメント  2019-05-19

ベンダーに頼り切るファッション業界の末路

ファッション業界は自分にとって一番と言っていいほど好きな業界だった。
特に馴染み深いブランドに携わっていた過去は担当者や代理店と共にどうブランドを活性化していくか、どうファンへ次なる価値を見出していくかなど建設的な会議が頻繁に行われ互いの役割を分かち合った関係の元、各々の長所を生かし合い共存することで、革新的な何かを生み出そうとしていた。
 
某ブランドは売上が3倍以上に、他目標値の2.5倍の集客数を得られたプロジェクトの成功体験が今も頭に焼きつき、その感動の二人三脚をすべく数年ぶりにファッションシーンに何かできることがないかと奮い立つ思いはもはや過去の話かもしれない。
 
僕が目の当たりにしたのは、この情報社会の恩恵を受け中途半端に知識を得たアドバイスを聞き入れない傲慢な偽ファッショニスタや、中途半端な思いでPB展開しベンダーに頼りきりで財布の紐は硬く閉ざすOEM主体の企業、ラグジュアリーブランドの傍らで何の発展性もない代理店に莫大なコストを安牌と勘違いしその牌を切り続ける準ラグジュアリーブランドの姿があった。
 
どの企業にも共通して言えることは、情熱の無さと考え抜くことの欠落、そしてやり抜く覚悟だ。
 
情熱は無論、何を成し遂げようとする場合でも、必ず訪れる山、壁を乗り越えるための持久力をいう。例えベンダーのリソースに空きが無くエラーが発生したとはいえ、自分たちの心臓を止める必要はどこにもない。
 
ましてや積み上げた戦略という積み木を崩してリスタートする余裕があることに驚きを隠せない。そして考え抜くことも同じレベルで重要な要素ではあるが、ファッションで携わった人の殆どに欠落している要素であり、ファッション業界で出会った人の中で一番考えの通った人は南充浩氏以外知らない。
 
企画を何度も練り直し、落ちるところまで限りなく詰める僕らの業界では、考えられないほど薄っぺらい企画と言う名の馬券で何十人もの人の人生が動いているのでありえない。リサーチ、分析、定義、コンセプト、シナリオ、メディアチャネル、コンテンツ、ランニングに至るまで考え抜くことを何故諦めてしまうのか、外見的なファッションは僕の好きだったファッションではない。
 
最後に何より成功に不可欠な要素は覚悟である。ビジネスは簡単ではない。誰もが知っている事実であり僕も今小さいながらに数名の会社を営み、大きな覚悟の上で生涯最大の大波に挑もうとしている。大波に挑むということを理解しているのだろうか。
 
レッドオーシャンなファッションビジネスにおいてその大波に挑む覚悟があるのかないのか、僕の眼に映る人の多くにその意識が無く、サーフィンでも楽しむかの如く、淡々と日々の業務をこなしては事あるごとに誰かを罵倒する、そんなお遊びにしか見えないビジネスのお手伝いはこの先必要ない。
 
数ある企業の中、本気を感じる人になら本気で向き合うのが僕の生き方であり、今もそういった人とは硬い絆で結ばれている。卓越した企画や戦略は、日々の数ある選択という積み木をポジティブに積み上げた先にある論理的かつ情緒的な要素の集合体であるからこそ、人が集まり動かされるほどのパワーを持つものだ。
 
そしてその卓越した企画は日々の努力から生まれる。それは一つ一つ確かに積み上げることと他成らず、何をどう誰と積み上げるかを先ずは決断することをお勧めしたい。でなければファッション業界は僕らのような広告屋やITに支配され、創造的で芸術的な素晴らしいファッション文化が薄れてしまうのが安易に想像できるからだ。
 
またこれから大きな挑戦へと駒を進める人たちと共に自分の役割を見極め、自信を持ち、覚悟の元でファッションビジネスを成功へと導くお手伝いをしていきます。そのために僕らは決して考え抜くこと、創ることをやめず、ましてや諦めることもしない。そのシンプルなマインドがあれば何も怖くない、ただそれしかできない、だけかもしれない。ベンダーとファッション企業が同じ目線で二人三脚ができれば、それだけで幸せを創ることができる、ただそれだけの話だからです。

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