ブランド・ビジネス  2017-01-21

ファッション雑誌も「リアル」と「web」の使い分けが必要

ファッション誌のこれから

デジタル革命以来、ファッション雑誌は存続の危機にある。多くの雑誌が姿を消し、残った雑誌は加速の一途を辿るファッション業界と、根本的なビジネス構造変革を迫られる出版業界の現状に戸惑いながらも、新たな活路とアイデンティティを見出そうとしている。雑誌業界はまったく先行きが見えない。試行錯誤を続けた先に着地点が見えたとしても、この業界がどうなっているのかは誰にも予測すらできない。一昔前のビジネス・モデルはもう通用せず、完全に破綻している。業界を取り巻く財政的状況が違うのだから、それは当然だ。印刷媒体での広告収入は10年前のそれと比べ4分の1にまで落ち込んでいる。

 

上記はメディア「ID JAPAN」の記事から抜粋。冒頭部分から悲観的なお話しか出てきておりませんが、早い話が、

 

 「雑誌業界は紙媒体が売れなくなったけどwebでも賄えてないよね。うちは伸びてるけど。」

 

っていう若干の自慢も差し込んだ事実を述べられております。IDさん流石です。(皮肉ではありません)ではファッション誌はこれからどうすればいいんでしょうか?

 

個人的には「 もう紙媒体なんて古いよね!」なんて言うつもりはさらさらございません。こんな時代でもうまく紙媒体とwebを使い分けているメディアもありますので、成功事例にならってちょっと考えてみました。

 
 

閉鎖しちゃったけどやっぱり◯ERYってメディアの運営うまかったよね。。

ちょっとNGワードかもしれませんが、やはり成功事例と言えるのはMERYでしょう。もちろん記事をパクったらいいという訳ではありません。webとリアルの使い分けが非常に秀逸だったという点のみ見習うべきでしょう。まず今の時代、ファッション雑誌はよく売れていても発行部数は大体30万部くらい。

 

女性ファッション誌発行部数ランキング -2015年度10位~1位-

数字は2015年度のものですが、一位のVERYで30万部強。(VERYとかMERYとかまぎらわしい。。)しかもこれ発行部数なので売れた数字ではありません。それに対して、

 

2,000万のユーザーと共につくるファッション誌「MERY」

MERYは月間UU(ユニークユーザー)2000万人。。webと紙を単純比較はできませんが、どう考えてもMERY見てる人の方が圧倒的に多いでしょう。そんなMERYも紙媒体を発刊しております。

 

 

上記記事にも記載がありますが紙媒体は5万部発行。これに関しては過去にも書いてますので参考までに。(参考記事:雑誌が10倍以上のお値段に!MERYから学ぶブランドビジネス)

 

重要なのは紙の中身。紙面上で商品紹介をして「アプリで購入」を促したり、コンテンツの詳細も「アプリで公開中」にしたり、完全に※O2Oです。

 

何度も言いますがパクリはいけません。しかし、コンテンツを度外視すれば運営手法は見習うべきポイントが多々あるのではないでしょうか。webとリアルの使い分けがしっかりできています。

 
※O2Oとは…「Online to Offline」の略で、ネット上(オンライン)から、ネット外(オフライン)での行動へと促す施策のこと。
 
 

これから流行るキーワードに大体出てくる「ユーザーとの共創」

雑誌が売れなくはなっているのですが、全く影響力が無くなった訳ではないのです。それは現場にいても感じますし、掲載すればもちろんまだまだ反響はあります。問題はその影響を及ぼす範囲が過去と比較した時に小さくなったのです。(昔はSWEETが発行部数100万部越えたりもしたものです。)それを理解した上でwebと使い分けようとしているのが「NYLON」ではないでしょうか。

 

NYLONはオンラインサロンを主催しており、

 

NYLON JAPAN編集部によるオンラインサロンがスタート!編集部と一緒にコンテンツ作りができる会員限定の参加型コミュニティ

※既にオンラインサロンプラットフォーム「シナプス」も、NYLONのサロンもサービスは終了しているようです。

 

月額費用を1000~1500円をとって、ユーザーが雑誌コンテンツを作れる権利を与えています。先ほども触れたように雑誌の影響力は小さくなってはいるものの一定数のファンはいるのです。そのコアなファンに向けてのサービスがこれ。最近流行りのCGMの要素が入っているのですが、恐ろしいのはユーザーからお金をとってコンテンツを生成するというところ。編集部はネタの掘り起こしにもなるし人件費かからないし(厳密に言うとちょっと手間取られるでしょうけど)いい手法ですね。サロン参加人数はまだ68人と少ないですが雑誌の新たな方向性を示したのではないでしょうか。

 
 

雑誌起点でマネタイズはEC

集英社の雑誌に顕著に見られますが、雑誌を起点にしてwebカタログを発刊し、ECでマネタイズをする事例。LEEマルシェエクラプレミアムがそれにあたります。広告収益がメインの雑誌社の利益が上がらない事を見通してECでマネタイズする。当たり前のようで実現しているところは少ないように感じます。

 

これってブランドが自社ECを運営するのに似ていますね。リアル店舗(ここでは紙媒体)での顧客をECへ送客。ネタ(コンテンツ)はwebカタログやEC内での特集記事。ここでコンバージョンを上げる。しかも独自商品まで用意と。。

 

集英社が「エクラ」をブランド化 ターゲットは50代女性

これはもはやブランドビジネスです。。

 

三つほど事例をあげましたが、上記に共通するのは、既存のビジネスモデルからの脱却です。紙の広告のみで採算が取れなくなった今、webとリアルを使ってどうマネタイズを設計するかが問題です。それぞれの特性を活かして、最終的にどう収益をあげるか。雑誌の廃刊が続く中、服が売れないからといってライフスタイル誌にすればいいとだけ思っていては廃刊は今後も続く事でしょう。

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深地 雅也
WRITER

株式会社StylePicks CEO。コンテンツマーケティングをメインに、ECサイト構築・運用・コンサルティング、ブランディング戦略立案、オウンドメディア構築、販促企画などをやってます。最近はODM・OEMメーカーのブランド設立支援、IT企業のアドバイザー、服飾専門学校講師、ライター業なども手がけてます。

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