ブランド・ビジネス  2019-07-22

日本市場ではZARAはこれ以上売り上げ規模を拡大しにくい

好調ブランドの代表としていつもZARAが挙げられます。
世界的に見れば、まだ成長は可能だと思われます。既存店売上高の拡大は微妙ですが、出店数が少ない地域がまだまだあり、出店数を増やせば売上高は増えます。
しかし、日本国内市場だけで見たとき、ZARAブランドの売上高というのは、これ以上は伸びにくいのではないかと思います。
噂に高いZARAですが、日本国内の業績公開はあまり熱心ではありません。このため、不明な部分も多くあります。
 
しかし、売上高だけは2016年頃から公開されたことがあり、それを基にこんな記事が書かれています。
 
http://shogyokai.jp/articles/-/1640
 
これによると、ZARAの国内売上高は700億円内外で、ピーク時の2017年度の766億円から、2018年度は690億円へと、76億円減収しています。
2019年度はどうなるのかまだわかりませんが、取り立ててZARAが絶好調という噂は耳にしないので、良くて現状維持、悪ければさらに減収するのではないかと考えられます。
当方はこの700億円というラインがZARAの国内売上高の上限ではないかと考えています。
 
では、どうしてそのように考えるのかというと、最大の理由は商品です。
ZARAの商品はそこそこにデザイン性があります。元ネタはどこぞのコレクションブランドだとしても、ユニクロの無地商品に比べるとファッション性の高い色柄物が多くあります。
それが百貨店ブランドの半額くらいで買えるからZARAは人気となっています。
 
それゆえに、万人が買うわけではないということです。
ユニクロは店舗を見ていればわかると思いますが、レジに並んでいる客層は老若男女揃っています。ある意味エイジレスなブランドです。
学生もお年寄りも同じ商品を買っているわけですから、これは快挙と言っても言い過ぎではないでしょう。
 
一方、ZARAの洋服をお年寄りが買うとは思えません。
やっぱりファッション好きと呼ばれる人たちしか買わない・買えない商品だと感じます。
ユニクロで買っているようなお年寄りをZARAは取り込むことができないでしょう。
もちろん、最初から取り込むつもりもないでしょうが。
 
となると、客数の上限はすぐに来ますから、そこを獲得できた時点でZARAの日本売上高は上限を迎えることになります。
その上限が700億円前後ではないかと考えられます。
 
何千億円もの売上高には絶対に到達しないでしょう。
 
ビジネスモデルには様々な形がありますが、ZARAのような形態を選べば、広い支持層を得ることは難しいといえます。恐らくZARAはそれを理解していると思いますが、自ブランドのテイストならどれくらいの支持者を得られるかということを、各ブランドは真剣に考えるべきです。

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南充浩
WRITER

1970年生まれ。大学卒業後、量販店系衣料品販売チェーン店に入社、97年に繊維業界新聞記者となる。2003年退職後、Tシャツアパレルメーカーの広報、雑誌編集、大型展示会主催会社の営業、ファッション専門学校の広報を経て独立。現在、フリーランスの繊維業界ライター、広報アドバイザーなどを務める。 2010年秋から開始した「繊維業界ブログ」は現在、月間20万PVを集めるまでに読者数が増えた。2010年12月から産地生地販売会「テキスタイル・マルシェ」主催事務局。 日経ビジネスオンライン、東洋経済別冊、週刊エコノミスト、WWD、Senken-h(繊研新聞アッシュ)、モノ批評雑誌月刊monoqlo、などに寄稿 【オフィシヤルブロ(http://minamimitsuhiro.info/ )】

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1970年生まれ。大学卒業後、量販店系衣料品販売チェーン店に入社、97年に繊維業界新聞記者となる。2003年退職後、Tシャツアパレルメーカーの広報、雑誌編集、大型展示会主催会社の営業、ファッション専門学校の広報を経て独立。現在、フリーランスの繊維業界ライター、広報アドバイザーなどを務める。 2010年秋から開始した「繊維業界ブログ」は現在、月間20万PVを集めるまでに読者数が増えた。2010年12月から産地生地販売会「テキスタイル・マルシェ」主催事務局。 日経ビジネスオンライン、東洋経済別冊、週刊エコノミスト、WWD、Senken-h(繊研新聞アッシュ)、モノ批評雑誌月刊monoqlo、などに寄稿 【オフィシヤルブロ(http://minamimitsuhiro.info/ )】

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