ファッション全般  2019-07-29

【在庫処分最前線】異業種からの参入者からはアパレルの在庫処分市場にチャンスが見える

【在庫処分最前線】
第3回 ラックドゥ 今堀陽次社長
・5年で15店舗出店の急拡大中の在庫処分店「ラックドゥ」
・福祉との連携や大型の現金問屋などの新店舗構想も
 
ちょっと間が空いてしまったが、アパレル在庫処分最前線の第3弾をお届けしたい。最終回はラックドゥの今堀陽次社長である。株式会社ドゥラックが運営するラックドゥは国内直営店での販売によるBtoCをメインとしており、この5年間で京阪神地区に15店舗を構えるほど急速に店舗数を増やしている。
小売店もあるが卸売りと海外販売主体のショーイチ、BtoBだがインターネットでの卸売りがメインのスマセルとはまた違ったスタイルでの在庫処分となる。また、今堀社長は他の2社の社長と異なり、アパレル製品の販売に手を染めたのは比較的日が浅く、6~7年くらい前からのこととなる。
今回は、異業種から進出してきた今堀社長が、アパレル製品の販売について、衣料品の在庫処分市場について、どう見ているのか、そしてラックドゥの今後の方向性について尋ねた。

―毎年すごいペースで店舗を増やしているが、今年はまだ出店がある?
はい。7月時点で15店舗になりましたが、年内にあと数店舗はオープンさせたいと考えていて、すでに候補地はいくつか絞り込んでいます。
 
―新しい構想の店舗は?
 
6月26日にラクセーヌという商業施設(京都市西京区大原野)に、「カラフルラック」という屋号の店を出店しました。メーカーから仕入れた在庫品を安く売るのは同じなのですが、この店舗だけは就労支援B型事業所と連携しており、障碍者に働いてもらえる店になっています。実は父親が養護施設を運営していたので、僕自身もそういう活動にも興味があって、初めてそういう事業者さんと連携させてもらいました。
今のところ上々な滑り出しで、働いてもらっている障碍者さんにも好評でほっとしています。今後はこのタイプのお店も増やしたいと考えています。連携を希望する事業所さんはぜひご連絡ください。(笑)
それともう一つは、まだ本決まりではないんですが、800坪の物件があって、そこを借りて現金問屋を始めようかと考えているところです。
これまで僕らはBtoCのお店をやってきましたが、今度はBtoBとBtoCを兼ねたお店に挑戦しようかと考えています。
大阪の本町には今でも現金問屋があります。小売店の人がやってきてそこでお金を払って商品を仕入れます。今は一般消費者も会員になれば入店できて買い物ができるようになりましたが、そういう形態のお店にしたいと思っています。
今の人にわかりやすくいうと、コストコが一番わかりやすいかな?
800坪のお店が決定したら品ぞろえが大変になるので、ぜひともショーイチさん、スマセルさんにも協力していただきたいですね。
 
 
―異業種から参入した社長の目から見てアパレル市場はどう映る?
元々、大手通販の商品を扱う在庫処分業からスタートして、その後、家具がメインになったのですが、そこから衣料品を扱うようになりました。そういう人間の目から見ると、アパレル市場はまだまだ売れる可能性はあると思います。とくに在庫処分業はチャンスが広がっているように見えます。
ショーイチさんは東南アジアを中心とした海外での販売にも力を入れておられますが、僕らは国内市場で「カラフルラック」のような福祉型を広げたいと考えています。
今後はメーカーさんや商社さんの単に余った在庫を引き取るだけでなく、理想ですが、もっと密接に連携して在庫ゼロの受け皿になりたいと考えています。
 
―15店舗にもなると管理が大変だが、各店舗の売れ行きはどう?
 
意外なことに赤字のお店はほとんどないんですよ。2店舗だけ調子の悪い店がありますがそれも赤字にはなっていない。過去には赤字店を撤退したこともありますが、現状はそこまで悪くない。3年くらい前からやり方を変えてみて、古参のスタッフが各店を定期的に巡回するようにしました。
 

 
うちにはプロパーのアパレル店とは違うノウハウがあり、それを共有することで赤字店がなくなってきました。各スタッフがいろいろと工夫を凝らしてくれています。世間にあるような言語化されたノウハウではないのですが、そういうノウハウがあり、それを共有させるようにしました。
 
 
―最近のアパレル業界からの反応は?
 
おかげさまでアパレルからの問い合わせが増えました。それだけ在庫で困っているアパレルが多いのだと感じます。うちはA品だけでなく、ある程度のB品も受け付けます。さすがにもうこれは着られないと思われるほどのひどいのは受け取れませんが少しキズがある程度なら受け付けて安く売ります。意外にそういうB品でも店では売れます。あとサンプル品も受け付けています。
アパレルからの問い合わせと同時に商業施設からの問い合わせも増えました。もちろん都心一等地の施設ではありませんが、テナントが減って困っている郊外や下町の商業施設からの問い合わせが増えました。実際に15店舗のうちに商業施設内に出店している店もあります。
うちはアパレル製品に完全に切り替えたわけではなく、今でも店舗によっては家具や家電なんかも販売しています。アパレルだけでないというのが強みになっていて、そういう部門での出店オファーも商業施設からは増えました。
 
―今後の目標について
3年後くらいには京阪神地区で30~40店舗体制にしたいと考えていて、それができたら他地区へ出店を開始したいと思っています。消費品や場所はもちろんスタッフが揃わないとダメなのでそれをどうするかが課題になります。あとBtoCに向けたウェブも構想しています。

―ありがとうございました。
 
 
 
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南充浩
WRITER

1970年生まれ。大学卒業後、量販店系衣料品販売チェーン店に入社、97年に繊維業界新聞記者となる。2003年退職後、Tシャツアパレルメーカーの広報、雑誌編集、大型展示会主催会社の営業、ファッション専門学校の広報を経て独立。現在、フリーランスの繊維業界ライター、広報アドバイザーなどを務める。 2010年秋から開始した「繊維業界ブログ」は現在、月間20万PVを集めるまでに読者数が増えた。2010年12月から産地生地販売会「テキスタイル・マルシェ」主催事務局。 日経ビジネスオンライン、東洋経済別冊、週刊エコノミスト、WWD、Senken-h(繊研新聞アッシュ)、モノ批評雑誌月刊monoqlo、などに寄稿 【オフィシヤルブロ(http://minamimitsuhiro.info/ )】

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1970年生まれ。大学卒業後、量販店系衣料品販売チェーン店に入社、97年に繊維業界新聞記者となる。2003年退職後、Tシャツアパレルメーカーの広報、雑誌編集、大型展示会主催会社の営業、ファッション専門学校の広報を経て独立。現在、フリーランスの繊維業界ライター、広報アドバイザーなどを務める。 2010年秋から開始した「繊維業界ブログ」は現在、月間20万PVを集めるまでに読者数が増えた。2010年12月から産地生地販売会「テキスタイル・マルシェ」主催事務局。 日経ビジネスオンライン、東洋経済別冊、週刊エコノミスト、WWD、Senken-h(繊研新聞アッシュ)、モノ批評雑誌月刊monoqlo、などに寄稿 【オフィシヤルブロ(http://minamimitsuhiro.info/ )】

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