ブランド・ビジネス  2019-08-01

売上・仕入・在庫を連動して考えよう③

・前回の記事の問題の答えを発表!

前回の記事では以下の問題を出したところで終了しました。皆さん答えはわかりましたか?

 
*あるMD経験者のAさんが、1か月間、バッグ屋のポップアップショップをオープンしました。営業前に用意したバッグの在庫原価は500万円。1か月の売上原価は650万円。閉店後棚卸をしてみたら、バッグの在庫原価は100万円ありました。
→1か月で仕入れた、バッグの仕入原価金額はいくらになりますか?

売上・仕入・在庫を連動して考えよう②


この問題は、OTBのロジックを活用すれば簡単にわかる問題になります。

期首在庫500万円+1か月仕入原価?円=1か月売上原価650万円+期末在庫100万円
こうなりますから、1か月で仕入れたバッグの仕入原価は?
1か月仕入原価?=(1か月売上原価650万円+期末在庫100万円)-期首在庫500万円
答えは?
1か月で仕入れたバッグの原価は250万円。これが答えになります。

 
 

・OTBのロジックを活用するには、2つの数式がある?

以前の記事では、OTBのロジックから期末在庫を導き出すという方法をご紹介しましたが、今回は、OTBのロジックから、期間内で必要な仕入原価を導き出すという方法になります。
 
このことを以下纏めると。OTBのロジックの計算式
期首在庫原価+(期間)仕入原価=(期間)売上原価+期末在庫原価
という基本式から、以下のような2つの計算式を活用できます。

 
①期末在庫=(期首在庫+(期間)仕入原価)-(期間)売上原価
②(期間)仕入原価=((期間)売上原価+期末在庫)-(期間)仕入原価

 
となります。
 

・業態によって、数式は変えた方がいいのか?

今後の連載では、このOTBのロジックを活用した、MDの数値管理の方法を述べていきますが、上記2つの計算式どちらを使うかは?正直にいうとどちらでも構いません。
ですが、私の独断と偏見で、業種別に向いているのはどちら?ということを以下語っていきますと。。。
 

・SPA・セレクトショップ業態。
→これは①の方が向いている。というのが、私の見解です。(②でも大丈夫だが)
昨今。SPAの商品のその殆どが海外生産になります。そのリードタイムの長さから、商品を追加するのも難しい状況です。ということは💡月々に在庫をターゲットを決定してから、仕入金額を算出するよりは、先の状況と仕入の特徴を考えて、売上・粗利・在庫のストーリーを考えた方が、個人的に活用しやすいように思っています。
 
・棚MD
→カップラーメン売り場に代表されるコンビニ・スーパーマーケット。アパレル・ファッション小売業界で言えば、定番品の多いジーンズコーナー等。あらかじめ売り場の什器・置き方・商品が固定されている場合。この場合は、②の方が向いているように思います。
事実、ジーンズ業界等では、このことをOTB方式のMDなどという言い方をしているところもあります。
この棚MDの特徴は、予め売り場に何を置くか決まっているのですから、在庫金額のターゲットを算出しやすいということ。あと、このMDを採用しているところは、メーカー側が商品の在庫を持っているところが多く、ある程度の売上予測さえできていれば、在庫をコントロールしやすいということが挙げられます。
しかしながら、在庫は一定にコントロールできても、商品があまり売れなければ、商品の
賞味期限のルール等。しっかりと商品動向をチェックする必要性に迫られるでしょう。
 

また、インポート商売の場合は①。委託商品中心の場合はどちらでもやりやすさは変わらないでしょう。
 
以上。今回でOTBのロジックの説明は終わりです。次回以降は、このロジックをMDの数値管理にどう活用するのかを、具体的に語っていきます。
では、皆さん。次回をお楽しみに。

SHARE

  • FacebookFacebook
  • TwitterTwitter
  • Google+Google+
  • LINELINE
佐藤 正臣(マサ佐藤)
WRITER

95年(株)ノーリーズにアルバイトとして物流倉庫からスタートし、店頭勤務7年(レディース)。02年より(株)ノーリーズにおいてメンズ(フレディ&グロスター・ノーリーズメンズ)立上をMDとして担当。10年よりフリーランスとして活動開始。シャツメーカーの新ブランド開発の企画サポート。その他、新規ブランドの立上マーチャンダイジング計画など、様々なフィールドで活躍したのち、14年5月末、株式会社エムズ商品計画を設立。小売り企業へのMDアドバイスや専門学校での講義・また海外での講義等。現在、多方面で活躍中。

FOLLOW
  • Twitter
FOLLOW
  • Twitter

95年(株)ノーリーズにアルバイトとして物流倉庫からスタートし、店頭勤務7年(レディース)。02年より(株)ノーリーズにおいてメンズ(フレディ&グロスター・ノーリーズメンズ)立上をMDとして担当。10年よりフリーランスとして活動開始。シャツメーカーの新ブランド開発の企画サポート。その他、新規ブランドの立上マーチャンダイジング計画など、様々なフィールドで活躍したのち、14年5月末、株式会社エムズ商品計画を設立。小売り企業へのMDアドバイスや専門学校での講義・また海外での講義等。現在、多方面で活躍中。

COMMUNICATION

    StylePicks編集部

    2019年8月4日

    毎度勉強させていただいております。

    毎度勉強させていただいております。

Leave a Comment

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

RECENT ENTRIES

  • 売上・粗利・仕入・在庫表を活用してみよう!⑦

    2019-12-12  ブランド・ビジネス

    ・前回の振り返り 前回の記事では、MDが持ち合わせる権限。   ① (売れる商品を売れる分だけ)仕入すること。 ② 買いやすい価格に変更(セールする)し、売上点数を伸ばすこと。   […]

  • 売上・粗利・仕入・在庫表を活用しよう!⑥

    2019-12-05  ブランド・ビジネス

    ・7月仕入予算金額通りに仕入をすると、在庫がヤバイ状況に? 前回の記事では、7月の仕入金額を予算通り発注したら、7月以降の在庫金額はどうなるのか?ということまでお伝えしました。 売上・粗利・仕入・在庫 […]

  • 売上・粗利・仕入・在庫表を活用してみよう!⑤

    2019-11-28  ブランド・ビジネス

    ・前回の振り返り 前回の記事は、5月から8月までの売上予測を現実に即して、予算比90%程度で予測。粗利率の5月以降の数字は、とりあえず予算通りに入れてみよう!ということでした。 売上・粗利・仕入・在庫 […]

RECENT ENTRIES

  • ウールのセーターを洗濯すると縮みやすい理由

    2019-12-16  ファッション全般

    先日、ツイッターでウールのセーターが縮んだときのことが話題になったことがある。 世の中にはいろんな人がいると痛感したのだが、その際「セーターを洗って縮めることなんてよくあることだから煽るな」という謎の […]

  • 売上・粗利・仕入・在庫表を活用してみよう!⑦

    2019-12-12  ブランド・ビジネス

    ・前回の振り返り 前回の記事では、MDが持ち合わせる権限。   ① (売れる商品を売れる分だけ)仕入すること。 ② 買いやすい価格に変更(セールする)し、売上点数を伸ばすこと。   […]

  • ラグジュアリーブランドが生まれにくい社会とは

    2019-12-09  ブランド・ビジネス

    日本国内には様々な洋服ブランドがあります。低価格ゾーンから高価格帯までありますが、欧州に見られるようなラグジュアリーと呼ばれる超高級ブランドはありません。 コム・デ・ギャルソンやヨウジヤマモト、イッセ […]

SPECIAL 
JOURNALS

BY UP&COMING EDITOR

MORE

CHIEF 
EDITOR’S

BY CHIEF EDITOR

MORE

ランキング