ファッション全般  2019-08-19

浴衣の売れ行きに陰り?

今年も多くの花火大会がありました。
大阪でいえば、天神祭り、PLの花火大会、淀川花火大会が大規模イベントで、それ以外の中小イベントは各地で毎週のように行われました。
夏祭り、夏の花火大会といえば、浴衣姿がつきものです。
 
先日、お盆休み中、偶然に知り合いの和装業者に会いました。
近況を聞くと、「今年は浴衣の売上高が業界全般的に激減しました」とのことで、ちょっと意外な気がしました。
暑さと人ごみでの人間の体臭が大嫌いなので、夏の花火大会に近寄ることはありませんが、遠目から見ていると、各花火大会でも浴衣着用の女性が相変わらずそれなりにいたという印象です。
しかし、この和装業者によると、
 

「見た感じでの浴衣の着用者数は減少傾向にある」
 

といいます。
 
さらに
 

「去年までなら、春先くらいから夏に備えて浴衣が売れ始めたが、今年は5月末とか6月に入ってからしか動かず、駆け込みでの購買者ばかりだった」

 
とのことでした。
 
こうした消費者動向についてこの和装業者は
 

「6年くらい続いてきた浴衣ブームで、興味のある人はすでに複数枚所有していてこれ以上新しい浴衣が要らない」

 
からではないかと分析しています。
 
市場規模が縮小停滞したままの和装業界にあって、浴衣は数少ないヒット商品の一つでしたが、飽和点に達したのではないかと考えられます。
バツイチ独身生活を6年近く続けていて、再婚予定は皆無の初老のオッサンである当方に女心はよくわかりませんが、この和装業者によると
 

「これまでは去年と同じ浴衣を着るのが嫌だという女性が多かった」

 
といいますが、すでに6年くらいブームが続いていて、浴衣に興味のある人はすでに3~5枚を所有しており、昨年着た物の着用が嫌だったとしても、3年前や5年前に着用した物なら抵抗がないということではないかと考えらえます。
 
浴衣を含めた着物は、洋服と異なり、形状はほとんど変化しません。形状やシルエットがトレンドで変化するということはありません。太古から江戸時代まで和装の形状は徐々に変化してきましたが、戦後日本では着物の形状変化がほぼなくなりました。
トレンドや変化があるとすると色柄だけということになりますが、それとても5色柄をすでに所有していたとしたら、どうでしょう?6枚目・7枚目を必要だと感じるでしょうか。
洋服の形状やシルエットがトレンドのよって変化するというのは、商業的にも非常にうまくできた仕組みだといえます。そもそも洋服のトレンド変化はフランス王が税収アップのために作った仕組みだとも言われています。
 
市場規模が3000億円内外で固定化した和装業界は活性化を目指して「和装の日常化」を叫んでいますが、浴衣の好調に陰りが出始めたとなると、和装業界の市場規模はこれからさらに縮小しかねないでしょう。
 

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南充浩
WRITER

1970年生まれ。大学卒業後、量販店系衣料品販売チェーン店に入社、97年に繊維業界新聞記者となる。2003年退職後、Tシャツアパレルメーカーの広報、雑誌編集、大型展示会主催会社の営業、ファッション専門学校の広報を経て独立。現在、フリーランスの繊維業界ライター、広報アドバイザーなどを務める。 2010年秋から開始した「繊維業界ブログ」は現在、月間20万PVを集めるまでに読者数が増えた。2010年12月から産地生地販売会「テキスタイル・マルシェ」主催事務局。 日経ビジネスオンライン、東洋経済別冊、週刊エコノミスト、WWD、Senken-h(繊研新聞アッシュ)、モノ批評雑誌月刊monoqlo、などに寄稿 【オフィシヤルブロ(http://minamimitsuhiro.info/ )】

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1970年生まれ。大学卒業後、量販店系衣料品販売チェーン店に入社、97年に繊維業界新聞記者となる。2003年退職後、Tシャツアパレルメーカーの広報、雑誌編集、大型展示会主催会社の営業、ファッション専門学校の広報を経て独立。現在、フリーランスの繊維業界ライター、広報アドバイザーなどを務める。 2010年秋から開始した「繊維業界ブログ」は現在、月間20万PVを集めるまでに読者数が増えた。2010年12月から産地生地販売会「テキスタイル・マルシェ」主催事務局。 日経ビジネスオンライン、東洋経済別冊、週刊エコノミスト、WWD、Senken-h(繊研新聞アッシュ)、モノ批評雑誌月刊monoqlo、などに寄稿 【オフィシヤルブロ(http://minamimitsuhiro.info/ )】

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