ファッション全般  2019-09-16

投資ファンドによるM&Aでジョンブルが新体制に

どんなに優れた賢者でも、どんなに頑健な鉄人でも必ず老化し、死ぬ。
そのため、事業でも技術でも継承する必要があります。活動を永遠に続けられる者はいない。
 
事業継承というのは、簡単なようでいてなかなか難しい。企業規模の大小は関係ない。
大企業なら大企業なりの、零細企業なら零細企業なりの悩みや葛藤がある。
 
ジーンズを基調としたトータルカジュアルを展開するジョンブル(本社・岡山県倉敷市児島)が事業承継を目的として、7月31日に投資ファンドのキーストーン・パートナース(以下KSPと略する 本社・東京都港区)に全株式を売却した。
ジョンブルの北川敬博・前社長は代表権のない特別顧問に退き、KSPから紹介された、塚田裕介氏が8月16日に新社長に就任した。
ジョンブルが投資ファンドにM&Aされたということに驚きが走ったが、北川・特別顧問は「事業承継を考えた際、ベストな選択だった」と語る。
 
「私は26年間、ジョンブルの社長を務めたが、私も創業者の福田和嘉氏から血縁でもないのに事業を承継された」と振り返る。
 
2000年以降、いくつかのジーンズ専業のナショナルブランドが縮小や倒産したが、ジョンブルは30億円規模にまで売上高を拡大することに成功した。
多くのジーンズブランドがトータル化や直営店化を避ける中、ジョンブルは果敢にその両方に取り組んだ。売上高の比率は卸売りが約4割、10店舗ある直営店が約4割、残りがインターネット通販という内訳で、トータルアイテム化と直営店を軌道に乗せたことは評価されてもおかしくない。

ジョンブルの2020年春夏企画

 
ジョンブルが2020年春夏企画として新たに提案するメンズのスタンダードジーンズ

 
 
 
 
その上で、北川特別顧問は「ジョンブルの今後を考えた場合、二通りの道筋があった。一つは20億~25億円規模で今の路線にとどまること、もう一つは売上高40億~50億円を当面の目標として成長路線を歩むこと」という。
 
どちらを選びたいかを社内に諮ったところ、多くの者が成長路線を望んだ。
「だが、私も社内のスタッフも誰も今の路線しかノウハウがない。成長路線を歩むためには異なるノウハウが必要なため、外部からの招聘が不可欠だった。以前からKSPに相談をしていたが、M&Aが本決まりとなり、ベイクルーズやパルグループを経験した塚田祐介氏を紹介され、合意に至った」(北川氏)。
 
ジョンブル内部からは寺木洋介氏を副社長に、菅野伸哉氏を専務に就け、新体制を敷く。
 
5年前後の中期的な目標は売上高40億円、そしてその後、さらに上を目指して欲しいというのが北川特別顧問の希望である。
 
旧来型のジーンズ専業ブランドは縮小傾向が顕著だが、その一方で、ジーンズを基調とした人気カジュアルブランドも生まれている。新体制のジョンブルはそちらの方向性を志向することになると考えられる。
 
新体制となったジョンブルの今後の活動を注視したい。
 
 

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南充浩
WRITER

1970年生まれ。大学卒業後、量販店系衣料品販売チェーン店に入社、97年に繊維業界新聞記者となる。2003年退職後、Tシャツアパレルメーカーの広報、雑誌編集、大型展示会主催会社の営業、ファッション専門学校の広報を経て独立。現在、フリーランスの繊維業界ライター、広報アドバイザーなどを務める。 2010年秋から開始した「繊維業界ブログ」は現在、月間20万PVを集めるまでに読者数が増えた。2010年12月から産地生地販売会「テキスタイル・マルシェ」主催事務局。 日経ビジネスオンライン、東洋経済別冊、週刊エコノミスト、WWD、Senken-h(繊研新聞アッシュ)、モノ批評雑誌月刊monoqlo、などに寄稿 【オフィシヤルブロ(http://minamimitsuhiro.info/ )】

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1970年生まれ。大学卒業後、量販店系衣料品販売チェーン店に入社、97年に繊維業界新聞記者となる。2003年退職後、Tシャツアパレルメーカーの広報、雑誌編集、大型展示会主催会社の営業、ファッション専門学校の広報を経て独立。現在、フリーランスの繊維業界ライター、広報アドバイザーなどを務める。 2010年秋から開始した「繊維業界ブログ」は現在、月間20万PVを集めるまでに読者数が増えた。2010年12月から産地生地販売会「テキスタイル・マルシェ」主催事務局。 日経ビジネスオンライン、東洋経済別冊、週刊エコノミスト、WWD、Senken-h(繊研新聞アッシュ)、モノ批評雑誌月刊monoqlo、などに寄稿 【オフィシヤルブロ(http://minamimitsuhiro.info/ )】

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