アパレルMDの為の教科書  2019-10-24

(まとめ)MDが数値を見る上において大事なこと

・MDの数値管理において意識することとは?

前回の記事では、売上・粗利・仕入・在庫表に関する問題を出しました。

売上・仕入・在庫に粗利益を加えて考えてみよう②


今回は、前回の問題を受けて、MDの数字管理に関して、マーチャンダイザーが注意すべきことを以下お話します。
私がMDが数字管理面の仕事に意識すべきことは、以下3項目になります。

 

① 数値は容量で見ること(%表示に惑わされない)
② 数値と現場(店頭)を結び付け考えること
③ MDにおける数字は、売上・粗利・仕入・在庫と一気通貫で並べ、見ること

 

 

・数値を容量で見ることとは?

まずは、①に関してです。
前回の問題2を思い出していただくと良いと思います。
11月・12月の売上は1,000万円で同じ。11月の粗利率が50%(値入率と同じでセールしていない)12月の粗利率が40%でした。仮に全部の商品の元売価が5,000円だとすると、11月は2,000点売れた。12月は2,400点売れたことになる!という問題でした。

 

この問題で見えることは、数字の羅列だけで見れば、大したことはないように見えますが、12月の方が400点ほど多く商品点数が売れている!ということです。
これは、アパレル・ファッション小売業界で言えば、ハンガー掛けの商品であれば、シングルラック(1,200mm)1本30点の商品が陳列可能だとしたら、400点÷30点=13.3本のシングルラック分の商品が店頭のバックヤードから減った!ということと同義となります。たかが、粗利率が10%変化しただけで、このようなことが起こるのです。

 

組織にとって数%しか変化しないものは、実際では店頭や物流倉庫では大きな変化が起きているということになります。
だからこそ、数字は数字としてはなく、実際の規模感や容量を想像しながら、数字面の仕事を行え!ということになります。

 

また、この業界には昨対等の%ばかり見ている人が多いように思いますが、%ばかり見ているとその本質も見誤ることが多いのが実情です。
昨対が大きく伸びたとしてもしても、昨年の実績実態が大きく落としていたら、その昨対比は、あまり意味のないことも多いですし、分母が小さい組織が大きく昨対を伸ばすのと、分母が大きい組織が小さく昨対しか伸びていない!という見方も本質を見誤ります。

 

%表示が有効に活用できるのは、その組織・ブランドの癖を知るときに有効!となります。

 

・数値と現場を結び付けて考える!

次は②に関してです。
これは①の話と密接に繋がります。先ほど、”数字は数字としてではなく、実際の規模感や容量を想像しながら、数字面の仕事を行え!”と言いましたが、数字の変化から店頭や倉庫等がどうなるか?等、常に現場をイメージしながら、数字面の仕事を行え!ということになります。

そのことができないと、店頭や店頭以外の部署にも多大な迷惑をかけることにも繋がります。
この業界では、現場に足を運ばず、数字だけの仕事を、さも偉そうに仕事をしている!人を良く見かけますが、現場や商品をイメージできていない!ましてや顧客のことを理解できていないような人が、数字の仕事だけを一生懸命しても全く意味がない!ということです。

 

・MDにおける数字は、売上・粗利・仕入・在庫と一気通貫で並べ、見ること

最後に③に関することです。

これは、今までの連載で言ってきたことです。売上ばかり見るのではなく、粗利益・先の仕入状況。そして、在庫を一気通貫で考えて、先の手を打て!ということになります。

売上ばかり気にすると、粗利益は下がる。粗利率のことばかり気にすると、在庫は増える!等。

MDの仕事は、Aを良くしようとすれば、Bがだめになる。Bをよくしようとすると、Cがだめになる。その繰り返しです。だからこそ、売上・粗利・仕入・在庫を一気通貫でみて、この先の未来を良くするために、そのことで少しでもベターな施策を常に考え、実践することが重要だと!いうことです。

次回の記事からは、あるシチュエーションを用意して、実際に先の未来を良くするには?ということを
皆様方と一緒に考えていきたいと思います。
では、皆様方。次回もお楽しみに!

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佐藤 正臣(マサ佐藤)
WRITER

(株)エムズ商品計画オフィシャルサイト】(株)エムズ商品計画代表取締役。大分県大分市出身。リテールMDアドバイザー。繊研新聞社より「数学嫌いでも算数ならできる筈〜算数で極めるMDへの道」出版。大手アパレルからライフスタイルブランド・スーパーマーケットなど、あらゆる分野のマーチャンダイジング改善に従事。仕事依頼は上記弊社ウェブサイトリンクよりお願いします。唯一の趣味は古着収集。

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