店舗マネジメント  2019-07-07

お客さんと並走する②

こんにちは!
 
本テーマに関しては『客数減少の中、どのように売上を作っていったか』がテーマになります。
 
前回の記事で、F2転換率が2%という、奇跡的に低い数字であることをご紹介しました。
 
これは、目の前の予算に捉われてしまい、強引な販売をしてしまい『真の意味でお客様のことを考えられていない』ことが原因であったと(自分は)考えていました。
 
つまり、せっかく来店してくれたお客さんが、ブランドのファンになってくれていないということです。そのため、客数が伸び悩んでいると考えられたのでありました。
中長期視点が欠けてしまっていたんですね。
 
 
今回はその続きからになります。
 
大方針として、短期的ではなく中長期的に考えることにしました。
 
F2転換率を高めること、つまりリピーターを増やすことが万事課題解決に繋がって来ると捉えられます。せめて20%は欲しいところ。
リピーターを増やすことを目標とおきます。
 
そして、店舗の目的を『ファンづくり』と設定しました。いかに、ロイヤリティを高めていけるとかどうか。
 
 
そこで『LTV(ライフタイムバリュー)』という観点で販売戦略を立てていきます。

※LTV・・・顧客生涯価値といわれる。 自社商品・サービスに対してロイヤルティの高い顧客(愛用者)になってもらえれば、長期にわたってのリピート購入が期待できる。 ライフタイム・バリューとは、このように顧客が現在から将来において企業にもたらすであろう利益から割り出される現在価値のことを言う。
(出典:コトバンク)
 

LTVは下記の公式によって導き出すことが出来ます。
 

❶購買単価×❷購買頻度×❸契約期間

 
この時は、購買単価以上に、何回も来て頂けるように❷と❸の部分を重要視していました。
 
 
では、この❷と❸を実現しようと思えば、どういう切り口から考えて行けば良いでしょうか。
下記が、その時に結論した切り口になります。
 
⑴リピートしやすいアイテムの選定と販売
⑵お客さんとの関係構築(CRM)
 
※ここまでの整理

 
 

⑴リピートしやすいアイテムの選定と販売

 
自分に置き換えて考えた時に「また行こう」となるのは、着用して良かった時や、デザインが気に入った時であります。しかし、これらの要素は個々人の趣味趣向に左右される要素が大きく根拠が曖昧です。
 
そこで、リピーターの多い同ブランドを運営する他店を3店舗ほど調べてみました。
 
すると、各店共通して『パンツ』がダントツでリピーターを創出するアイテムであることが分かって来たのです。
初回購入から、リピートをされる7割の人がパンツを購入しているのです。
 
一体、これは何故か。
 
各店舗の店長に話を聞いてみると「面倒くさいから」という答えが。
 
いや、これだけ言われても…
 
店長たち曰く「パンツは試着するのに手間がかかる。一度、パンツはこのブランドと決めておけば、次回から試着しなくて良いので、新たなパンツが必要になった時に必ず来店する。しかも、うちのブランドパンツのライン綺麗し気にいる人多い。」ということなのです。
 
なるほど。
 
そう思うと、自身も仕事用にGUの「スリムフィットチノ」を愛用していますが、違うカラーが必要になった際は試着せずに買い足してますね。
 
だって、試着すんの面倒くさいし。
 
これは、納得。さすが現場の声。
データと生の声が見事に融合し、硬い論拠があります。
 
ということで『パンツを販売する』ということに決定です。
 
 

⑵お客さんとの関係構築(CRM)

 
パンツを販売することで、リピートの確率を高めることが出来るかもしれませんが、それ以上に大切なのは、お客さんとの関係を築いていくことです。つまり、CRM(カスタマーリレーションマネジメント)という概念が必要になってくるわけです。
 
よくよく考えてみると、アパレル、いや小売の業態というのはお客さんに買って頂いた「後」に大きく関与することができません。
 
お客さんが買うまでの一瞬に携わり、素敵なスタイリングを想像してもらう瞬間に携わりますが、一旦、買った時点で関係は「おしまい」なのです。
運営する立場から考えた時に、どうももどかしさを感じる部分でした。
 
ここを、クリア出来れば、お客さんとの良い関係が築けるはずです。
 
ファッションビジネス書の『アパレルサバイバル(著・齋藤孝浩)』では、ファッションのライフサイクルを見直すとして、下のようなマトリクスが記されていました(本テーマに沿った補足資料として、筆者が簡素化しております)。

 
そして、こうも記載してあります。
 

ファッション業界はファッションライフスタイルを提案すると言いながら、その循環の中で、右半分の上段にある、顧客が今シーズンに新しい商品を買い足すという一部の局面にしか関わっていないという事実です。 

 
筆者がもどかしさを感じた部分が、見事に言語化されています。
 

売りっぱなしではなく、その先にある消費者の悩みにどう関わっていくかが問われる時代が始まるのです。

 
つまり、図で言うところの着用フェーズ以降にどれだけお客さんに寄り添えるかが重要になりそうです。
 
『お客さんと並走する』という形を取りにいかないと行けないというわけです。ここを次回以降で考えていきます。
 
 
理想の販売イメージとしては下記の図。
 
 
初回来店でパンツ購入を促し、2度目の来店で別のパンツ、3度目には違うアイテムも。
そして、図の矢印の部分でCRM施策を行うということです。
 
では、今週はこの辺で失礼したいと思います。
次回はそれぞれについて、少し詳しく記載していきたいと思います。
 
本日もお読みいただきありがとうございました。

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高木智史
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