ブランド・ビジネス  2019-11-04

実店舗で買っている人は、まだ8割~9割もいる現実

アパレル業界では、EC、いわゆるネット通販が伸びている市場だと認識されているが果たしてそうだろうか?

もちろんEC市場規模は伸びているが、国内アパレル市場規模は9兆2000億円前後を推移し続けている。大きく減っていない代わりに大きく伸びてもいない。

株式取引で言うところの「ヨコヨコ」である。

ということはどういうことかというと、実店舗売上高が、ネット売上高に付け変わっているだけと考えられるのではないだろうか?

先日もオンワード樫山が600店舗閉鎖の計画を打ち出した。これには今回撤退する韓国やイタリアなどの海外店舗数も含まれている。

国内の閉鎖店舗でいうなら、地方・郊外型百貨店内の店舗が主に閉鎖対象になるだろう。

 

地方・郊外型百貨店は苦戦し続けており、今後も閉鎖が相次ぐと考えられる。

その際、無くなった店舗のオンワード顧客は近隣の他店舗に振り替えるか、インターネット通販で買うか、のどちらかしか選択肢がなくなる。

近隣に他のオンワード店舗がなければ、インターネットで買うという選択をする顧客も相当数いるだろうから、インターネット売上高は伸びやすい。

一方で、実店舗売上高は減る。

 

このような状況が、オンワードに限らずアパレル市場全般に起きていると考えられる。EC売上高の分だけプラスオンにはならず、実店舗売上高が減った分を補完しているというのが正しい状況認識ではないだろうか。

 

アパレルは不振業種の一つだから、今後はさらにシビアに不採算店舗が閉鎖される。

だからといって実店舗販売がまったくなくなるかというとそれは考えにくい。良い店はますます存在意義が高まるのではないかと考えらえれる。

 

Amazonが実店舗を買収していることは多くの方がご存知だろう。ちなみにAmazonは製造工場も買収しており、製販両方の専門企業を手に入れているからすごい企業戦略だといえる。

 

大手総合アパレル企業の中で、オンワードはEC売上高が順調に拡大しており、ことECに関しては好調企業の一つとして数えられる。

しかし、全社売上高におけるEC売上高比率は約17%ほどしかない。

 

単体のブランドで国内で最も売上高が大きいのがユニクロで、830億円にも上るが、売上高に占めるEC売上高比率は9・5%に過ぎない。

これはどういうことかというと、まだ8割~9割の人は実店舗で買っているということである。

 

まだまだ、やりようによっては実店舗も売上高増や現状維持をできるのではないだろうか。

ぜひとも実店舗のスタッフには頑張ってもらいたいと思う。

 

 

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南充浩
WRITER

1970年生まれ。大学卒業後、量販店系衣料品販売チェーン店に入社、97年に繊維業界新聞記者となる。2003年退職後、Tシャツアパレルメーカーの広報、雑誌編集、大型展示会主催会社の営業、ファッション専門学校の広報を経て独立。現在、フリーランスの繊維業界ライター、広報アドバイザーなどを務める。 2010年秋から開始した「繊維業界ブログ」は現在、月間20万PVを集めるまでに読者数が増えた。2010年12月から産地生地販売会「テキスタイル・マルシェ」主催事務局。 日経ビジネスオンライン、東洋経済別冊、週刊エコノミスト、WWD、Senken-h(繊研新聞アッシュ)、モノ批評雑誌月刊monoqlo、などに寄稿 【オフィシヤルブロ(http://minamimitsuhiro.info/ )】

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1970年生まれ。大学卒業後、量販店系衣料品販売チェーン店に入社、97年に繊維業界新聞記者となる。2003年退職後、Tシャツアパレルメーカーの広報、雑誌編集、大型展示会主催会社の営業、ファッション専門学校の広報を経て独立。現在、フリーランスの繊維業界ライター、広報アドバイザーなどを務める。 2010年秋から開始した「繊維業界ブログ」は現在、月間20万PVを集めるまでに読者数が増えた。2010年12月から産地生地販売会「テキスタイル・マルシェ」主催事務局。 日経ビジネスオンライン、東洋経済別冊、週刊エコノミスト、WWD、Senken-h(繊研新聞アッシュ)、モノ批評雑誌月刊monoqlo、などに寄稿 【オフィシヤルブロ(http://minamimitsuhiro.info/ )】

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