ブランド・ビジネス  2019-12-02

長所と短所は表裏一体

長所と短所は表裏一体で、長所ゆえに欠点に変わること、短所ゆえに長所に変わることも珍しくありません。

一つの事象で良い悪いは単純に判断できないのです。

 

例えば、日本人は英語が話せないということが欠点だとされています。

しかし、どうして話すことができないのかというと、話す必要がないからです。読む必要もありません。また欧米列強に植民地化されたことがないからでもあります。

 

多くの国々は近代化する際、欧米からの知識・ノウハウを取り入れました。

その際、英語をそのまま取り入れるほかなかったのです。しかし、我が国はそれらをすべて和訳しました。

経済、民主主義、人民、共和国、止揚、酸素、水素などなど

科学から医学、人文、哲学までのすべての分野で和訳がなされました。その結果、わざわざ英語の本を読まずとも自国内の本だけで高等教育が受けられるようになったのです。

我が国のノーベル賞受賞者で海外留学をしたこともなく、英語も話せない人がいましたが、これは他国では考えられないことです。

ちなみに我が国が作った和訳の用語は中国語、韓国語にも大幅に取り入れられています。

中華人民共和国という国名は中華以外はすべて日本が作った訳語です。

 

これは誇るべき長所ですが、翻って日本人は英語ができないという短所にもなりました。

 

百貨店の消化仕入れが問題となってかれこれ20年前後になります。徐々に改善されてきましたが、まだまだ主流は消化仕入れです。

弊害がある制度なのにどうして広く採用されたのでしょう。

 

昔はそれが百貨店にもオンワード樫山などのメーカー側にも両方にメリットがある制度だったからです。

しかし、世の中の流れはずっと同じではありません。徐々に社会も経済環境も変わってゆきます。

2000年以降の環境では百貨店をさらに弱体化させる取り引き形態に変わってしまったのです。

 

このように、一見すると長所と思える事柄、短所と思える事柄が各ブランドにもあるでしょうし、業界全体にもあるでしょう。

しかし、どちらの評判もそれを盲信することなく、常にシミュレーションし続ける必要があります。

今の長所も短所も社会の環境が変われば逆転してしまいますし、思わぬメリットとデメリットを生み出すこともあります。

最も悪いのは、今の長所と短所を盲信して思考停止に陥ることです。

 

苦戦に喘いでいる各ブランドはどうでしょうか?盲信して思考停止に陥っていませんか?

 

 

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南充浩
WRITER

1970年生まれ。大学卒業後、量販店系衣料品販売チェーン店に入社、97年に繊維業界新聞記者となる。2003年退職後、Tシャツアパレルメーカーの広報、雑誌編集、大型展示会主催会社の営業、ファッション専門学校の広報を経て独立。現在、フリーランスの繊維業界ライター、広報アドバイザーなどを務める。 2010年秋から開始した「繊維業界ブログ」は現在、月間20万PVを集めるまでに読者数が増えた。2010年12月から産地生地販売会「テキスタイル・マルシェ」主催事務局。 日経ビジネスオンライン、東洋経済別冊、週刊エコノミスト、WWD、Senken-h(繊研新聞アッシュ)、モノ批評雑誌月刊monoqlo、などに寄稿 【オフィシヤルブロ(http://minamimitsuhiro.info/ )】

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1970年生まれ。大学卒業後、量販店系衣料品販売チェーン店に入社、97年に繊維業界新聞記者となる。2003年退職後、Tシャツアパレルメーカーの広報、雑誌編集、大型展示会主催会社の営業、ファッション専門学校の広報を経て独立。現在、フリーランスの繊維業界ライター、広報アドバイザーなどを務める。 2010年秋から開始した「繊維業界ブログ」は現在、月間20万PVを集めるまでに読者数が増えた。2010年12月から産地生地販売会「テキスタイル・マルシェ」主催事務局。 日経ビジネスオンライン、東洋経済別冊、週刊エコノミスト、WWD、Senken-h(繊研新聞アッシュ)、モノ批評雑誌月刊monoqlo、などに寄稿 【オフィシヤルブロ(http://minamimitsuhiro.info/ )】

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