ブランド・ビジネス  2019-12-26

売上・粗利・仕入・在庫表を活用してみよう!(最終回)

・このシリーズも最終回

前回の記事では、私が以下のようなストーリー設計をしました。

 

A 6月~8月のセール施策を強める。

(予算より粗利率2%ダウン。今回のケースだと約5%オフ率アップ)

B 増えるであろう7月の仕入枠を有効利用し、7月・8月の売上見込みを当初の予定より上げる

(7月売上予算比97%。8月は102%)

C 7・8月の売上見込みのアップのストーリーを考えた上で、仕入予算の92.1%まで仕入枠を拡げる。

(前回の記事のストーリー設計では仕入予算比20%以下になった)

D 当初のストーリー(7月の仕入が予算比20%以下のもの)よりも売上・粗利高ともにアップ。

 

そして、”拡大する7月の仕入金額を、どう有効利用するのか?というストーリー設計”をどのように考えたらいいのか?ということを今回考えよう!ということでした。

売上・粗利・仕入・在庫表を活用してみよう!⑦

 

・殆どの組織は、7月の投入商品が決まっている?

昨今。殆どのアパレル・ファッション小売業の組織では、先数か月分の商品計画がなされている筈です。
今回のケースで言えば、4月30日という設定にしていますが、当然のことながら、7月にどのような商品を入荷・投入するのか?ということが、具体的なところまで決まっている筈です。

要は、その具体的に決まっている投入商品を、そのままの予定で投入しても良いのか?ということになります。

 

ここから、下記述べることは私の独断と偏見でしかありませんが、私なら当初の予定通りに商品を投入する!ということは行いません。その理由は?

 

”当初の予定通り商品を発注しても、売上予算の90%くらいの実力しかない可能性が高い。ましてや、仕入予算比90%程度の枠しかないのだから、更に売上が下がる懸念もある。”

 

という理由です。

ここでは、細かいことは省きますが、現状のアパレル・ファッション小売業のMDスケジュールでは、7月に投入する商品の企画は、かなり早い段階から始まっています。おそらく、半年以上前のことです。そのような早い段階で準備された商品で、7月の売上が劇的に改善される可能性は低い!ということです。楽観的観測で、先の商品に対して”疑い”を持たないようなMDは、それこそ失格と言えます。

 

 

・7月の投入予定商品を再編しなければならない?

では、今回のケースではどのように考えたらいいのか?というと。。。

 

”売れる可能性が高い商品を、7月の仕入枠で活用する!”

ということになります。

 

では、4月30日の時点で、どのようなことが考えられるのか?ということを、以下私の独断と偏見で記載します。

 

① 売れ筋・関連商品の追加投入
② 死に筋商品中止(先々の商品も)
③ 品切れ率を減らす/アイテム数量を減らす(1アイテムの数量の増加)

 

このようなことを実践します。

 

まず①についてです。

→4月30日という段階では、春商品から夏商品に入れ替わっている組織が多いことでしょう。ということは💡
その時点で、ある程度商品の売れ筋・死筋情報は得られている筈です。また、SPA商品の場合は、この時点で商品企画を考えることは、難しいでしょうから、売れ筋商品の追加を行います。
また、元々の7月商品の中で、何が売れそうか?という情報も多少なりとも入ってますから、その商品に比重をおくような発注を行います。

 

次は②です。

→7月投入商品の中には、4月30日時点で、これは売れないな。という商品もある筈ですし、そのことがある程度4月30日時点では、わかる筈です。そのような商品を発注するのを中止します。
このことで、迷惑をこうむる部署・取引先等も発生する可能性もありますが、惰性で商品発注して、在庫をそのまま残してしまうことよりは、よっぽどマシでしょう。

 

最後に③です。

→このことは、②と付随します。投入予定商品を中止すれば、その分7月の投入アイテム数が減ります。
例えば、7月の仕入予算が100万で10アイテム投入予定ならば、1アイテム当たり10万発注できます。これを5に減らせば、1アイテム当たり20万となります。

 

要は、①②のことを実行したうえで、売れそうな商品がなるべく、店頭で持続するようにし、売れ筋商品を切らさない処置を講ずるということです。

 

以上。皆様いかがでしたでしょうか?最後に今回のシリーズの纏めです。

 

・OTB表を運用することの意義というのは?

OTB表を運用することの意義は?

”終わったこと(過去実績)は事実として変えようがないが、大事なことはその先をどうする?どう(現状より)良くするのか?の見通しを立て、実践に結び付けること。”

 

このことです。

だからこそ、OTB表を活用し、先の見通しを立て、具体的で達成可能な実践プランを立てることが何よりも重要です。そして、そのことを各部署ごとに共有し、各メンバーの「やる気」を引き出し、プランを実践することが重要なのです。

 

以上で、今回のシリーズは最終回となります。
次回からは、商品の分析に関してのことを、なるべく簡単に語っていきます。

では、皆さん。次回もお楽しみに。

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佐藤 正臣(マサ佐藤)
WRITER

95年(株)ノーリーズにアルバイトとして物流倉庫からスタートし、店頭勤務7年(レディース)。02年より(株)ノーリーズにおいてメンズ(フレディ&グロスター・ノーリーズメンズ)立上をMDとして担当。10年よりフリーランスとして活動開始。シャツメーカーの新ブランド開発の企画サポート。その他、新規ブランドの立上マーチャンダイジング計画など、様々なフィールドで活躍したのち、14年5月末、株式会社エムズ商品計画を設立。小売り企業へのMDアドバイスや専門学校での講義・また海外での講義等。現在、多方面で活躍中。

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95年(株)ノーリーズにアルバイトとして物流倉庫からスタートし、店頭勤務7年(レディース)。02年より(株)ノーリーズにおいてメンズ(フレディ&グロスター・ノーリーズメンズ)立上をMDとして担当。10年よりフリーランスとして活動開始。シャツメーカーの新ブランド開発の企画サポート。その他、新規ブランドの立上マーチャンダイジング計画など、様々なフィールドで活躍したのち、14年5月末、株式会社エムズ商品計画を設立。小売り企業へのMDアドバイスや専門学校での講義・また海外での講義等。現在、多方面で活躍中。

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