アパレルMDの為の教科書  2020-01-16

商品分析について考えてみよう②

・前回の記事の振り返り

前回から、週や月等の会議やMTで行われていると思われる、商品分析について取り上げて
います。

商品分析について考えてみよう①

そもそもの、会議やMTの本来の目的は、

”(結果が出た時点から)先の状況を良くするために、ベターな案を創出・決定・実践すること”

このことです。

 

そして、その目的を果たすために、アパレル・ファッション小売業界では、週や月等の会議・MTが行われています。

その際に、週や月の商品の売れ筋等を確認する。そのような資料は、殆どのアパレル・ファッション小売業界では存在する筈です。では、何故そのような商品分析をするのかというと?

 

”(結果が出た時点から先の)顧客の消費動向心理を探る・知るため。”

そして、週次・月次の会議・MTでそのことから、

”先の商品計画のベターな案を創出・決定・実践するため”

そのことになります。

 

・商品の管理ルールを考えてみよう!

今回の記事では、前回の記事でも申し上げた、上記のような商品分析を行う際に使用する、商品管理のルールやコード体系について、考えていきたいと思います。

 

前回も申し上げたように、皆さん方が所属する組織には、商品管理に関するルールやコード等が存在している筈です。しかしながら、普段が使用されているそのことに疑問を持つ方は、殆どいらっしゃらないことでしょう。ですが、このことがしっかり定義されていないと、上記の目的を果たす商品分析を行うことは、難しくなります。

 

例えば、商品管理のルールに際しましては、”適時”を司る、シーズンを表すものがあります。

 

春夏秋冬等の区分が一般的なものになりますが、梅春・晩夏等更に、短く区分を区切っている組織があります。(時間軸を表す商品管理ルールについては、この連載で後日話をさせて頂きます)

そして、商品の特徴を表すカテゴリー・品種・アイテム等と呼ばれるカテゴリー分類(中分類)があります。レディースで言えば、ブラウス・ニット・カットソー等の分類を行っている組織が多いです。

今回は、このカテゴリー分類を例に、商品管理ルールを決めることの重要性をお伝えします。

 

・カテゴリー分類の定義が曖昧だと。。。

以下、例を用います。

 

あるレディースの組織は、アウターという大分類を、

コート・ジャケット・ブルゾンに分類して管理していたとします。

 

読者の皆さん。この分類の仕方どのように思いますか?
私は、このことに以下のような疑問を感じます。

 

・ショートダウンはどことの分類に入れたらいいの?
・テーラーJK型の防寒アウターは、JK分類でいいの?
・着丈中途半端なアウターは、コートという分類でいいの?

 

等そのこと以外にも、数多くの疑問が浮上する筈です。ましてや、このことが組織として定義されておらず、MD・バイヤーの個人の主観で、その分類が決められているとしたら?どうでしょう。

これは、皆さんもおわかりの通り。。。

 

正しい商品分析などできませんし、せっかく集めた顧客に関する貴重なデータも信憑性の薄いものとなってしまいます。

 

上記の分類を、顧客の用途に合わせ、防寒として使用するアウター。室内でも着用するアウターとして分類する。

着丈がブランドコンセプトにとって、重要なポイントであれば、防寒アウター短・防寒アウター(コート)等の分類にする。そして、その定義を明確する!ということであれば、ブランドコンセプトに見合った、顧客データを取ることが可能になる筈です。

 

・カテゴリー分類で意識すべきことは?

だからこそ、商品管理ルールに問題のある組織は、以下のことを意識して、そのことに見合ってなければ、その管理ルールを変更する必要性があるでしょう。

 

・自分たちの顧客ターゲットの心理を反映できるルールにする。
・顧客の用途やトレンドで大きく変化する分類を表すものにする。
・必ずルールの定義を確定させ、MD・バイヤーの主観で決められないようにする。

 

以上のようなことを意識すれば、商品分析の精度も上がる筈です。

 

また、AI等のテクノロジーの導入で、商品分析の精度が上がる!と勘違いしている人が、この業界にはゴマンといますが、商品管理ルールがしっかりしていない組織にそのことを導入しても、システム導入にかけた莫大な金額が、無駄ということになります。

ですから、今皆さん方の組織の商品管理ルールにおかしな点があれば、是非今回の記事を意識してもらい、自分たちのブランド・ショップコンセプトに見合ったルールに再考することがお勧めします。

 

では、次回からいよいよ本題の、商品の売れ筋等を見極める際に使用されるような帳票をベースに、
商品分析についての話をしていきます。
では、皆さん。次回もお楽しみに。

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佐藤 正臣(マサ佐藤)
WRITER

(株)エムズ商品計画オフィシャルサイト】(株)エムズ商品計画代表取締役。大分県大分市出身。リテールMDアドバイザー。繊研新聞社より「数学嫌いでも算数ならできる筈〜算数で極めるMDへの道」出版。大手アパレルからライフスタイルブランド・スーパーマーケットなど、あらゆる分野のマーチャンダイジング改善に従事。仕事依頼は上記弊社ウェブサイトリンクよりお願いします。唯一の趣味は古着収集。

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