ファッション全般  2020-01-27

防寒アウターよりもウールのセーターの方が今後展開量が減りそうな理由

今秋冬の話題としては史上まれにみる暖冬があります。

暖冬の影響で、単価の高い防寒アウターが売れにくくなり、どのブランドも苦戦傾向にあります。

 

いくらかっこよかろうが、ブランドの人気があろうが、着用できない服は売れません。なぜなら服は鑑賞物ではないからです。

自分の着用パターンでいうと、昼間の最高気温が10度を下回れば、厚手か中肉の防寒アウターとウールのセーターを着用します。

東京や大阪の寒い日ならこれで十分凌げます。

昼間の最高気温が10度を越えていれば、薄中綿アウターかウールのコートのどちらかを着用します。

薄中綿アウターならインナーは綿セーターとなります。

インナーにウールのセーターを着用すれば、アウターは中綿なし、例えばブロックテックのようなアウターになります。

15度を越えると、綿セーターは暑くて着用できません。20度になればアウターも着用できなくなります。

 

当方は、暑がりですから、もう少し違う着用パターンの方もおられると思いますが、昼間の最高気温が10度を越えていれば、分厚い防寒アウターかウールのセーターのどちらかは不要と考える人が多いということです。ですから、暖冬で売れないということになります。

 

現在、メディアや業界関係者の間では「2020秋冬の防寒アウターの展開を見直す必要がある」という話題が注目されています。

恐らく、2020秋冬も今ほどではないにせよ暖冬傾向でしょうから、各ブランドは防寒アウターの製造数量や型数を絞るのではないかと思われます。

 

しかし、暖冬とは言っても、それなりに寒く、最高気温10度では綿のシャツ1枚で外を歩くことはできません。防寒アウターはそれなりの需要があります。

あまりに絞りすぎると、2020秋冬は欠品が相次ぐことになるでしょう。

 

個人的には、防寒アウターよりも2020秋冬に展開数量・型数ともに絞られることになるアイテムがあると思っています。

それはウールのセーター、ウール高混率のセーター・カーディガン類ではないかと思います。

メディアのトピックスでは防寒アウターの不振が伝えられていますが、それよりは単価が低くて目立たないのかもしれませんが、ウールのセーター・カーディガン類は不振で、特にメンズではアウトレット店ですら売れていないという現状です。

 

またウールの原材料費も毎年高騰し続けており、最早、値下げして売っても利益が残らない状況にあるため、あるカジュアルメーカーでは「2020秋冬はウールのセーター類の展開を考え直す」とコメントしています。現に2019秋冬でウールのセーター類をほとんど受注していない有名セレクトショップも少なくありません。今後、この傾向はますます強まるのではないかと思います。

ウールのセーターに比べると、暖冬でも着用でき、原材料費がウールよりも安く、洗濯や保管などのメンテナンスがしやすい綿セーターや合繊セーターは、今後も一定数量店頭に残るでしょうが、ウールのセーターやカーディガン類は、一部の店舗やブランドを除いて、今後は順次姿を消していくのではないでしょうか。

ウールのセーター好きにとっては残念な未来が待ち受けているような気配がします。

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南充浩
WRITER

1970年生まれ。大学卒業後、量販店系衣料品販売チェーン店に入社、97年に繊維業界新聞記者となる。2003年退職後、Tシャツアパレルメーカーの広報、雑誌編集、大型展示会主催会社の営業、ファッション専門学校の広報を経て独立。現在、フリーランスの繊維業界ライター、広報アドバイザーなどを務める。 2010年秋から開始した「繊維業界ブログ」は現在、月間20万PVを集めるまでに読者数が増えた。2010年12月から産地生地販売会「テキスタイル・マルシェ」主催事務局。 日経ビジネスオンライン、東洋経済別冊、週刊エコノミスト、WWD、Senken-h(繊研新聞アッシュ)、モノ批評雑誌月刊monoqlo、などに寄稿 【オフィシヤルブロ(http://minamimitsuhiro.info/ )】

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1970年生まれ。大学卒業後、量販店系衣料品販売チェーン店に入社、97年に繊維業界新聞記者となる。2003年退職後、Tシャツアパレルメーカーの広報、雑誌編集、大型展示会主催会社の営業、ファッション専門学校の広報を経て独立。現在、フリーランスの繊維業界ライター、広報アドバイザーなどを務める。 2010年秋から開始した「繊維業界ブログ」は現在、月間20万PVを集めるまでに読者数が増えた。2010年12月から産地生地販売会「テキスタイル・マルシェ」主催事務局。 日経ビジネスオンライン、東洋経済別冊、週刊エコノミスト、WWD、Senken-h(繊研新聞アッシュ)、モノ批評雑誌月刊monoqlo、などに寄稿 【オフィシヤルブロ(http://minamimitsuhiro.info/ )】

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