ファッション全般  2020-02-03

暖冬でも売れる防寒アウターはある

早いもので今日は節分です。明日から立春ということになりますが、明後日は久しぶりに寒波が来るようで、大阪の最高気温は6度くらいと予想されています。

しかし、それも長続きしないようで、本当に暖冬なのだということがわかります。寒波が長続きしないのが暖冬の特徴です。

 

暖冬で防寒アウターとウールのセーターが不振でアパレルブランドはほとんどが苦戦しています。

ユニクロ、無印良品ともにウールのセーターとカーディガンは不良在庫に苦しんでいるようで、投げ売りされています。前回も書いたように、ウールの原料高騰が続いているうえに、定価で売れにくい商品なので、今後、日本市場からウールのセーター類はかなり減るだろうと考えられます。またメルトンなどのウール防寒アウターも姿を消し、ポリエステルなどの合繊のメルトン風生地に代わると考えられます。

 

暖冬でユニクロ苦戦という論調ですが、実は暖冬でも比較的強いのがユニクロです。

これはスタイルピックス執筆者のマサ佐藤氏や、他の業界関係者とも一致した意見なのですが、暖冬で厚手ダウンは売れにくかったが、ヒートテックやウルトラライトダウンは売れやすいからです。ウール・カシミヤセーター類は厳しかったようですが。

最高気温10度を下回らないと厚手のダウンは要らないですが、さすがにトレーナー1枚とかネルシャツ1枚では寒く、対策としては、下に保温肌着を着るか、上に中肉くらいの防寒アウターを着るかのどちらかになります。

保温肌着といえばヒートテック、中肉のアウターといえばウルトラライトダウンがユニクロにはあります。

そして、何気にユニクロは、ウールの防寒アウターをいつの間にか実店舗の本体ラインでは全廃していますし、厚手のシームレスダウンも展開型数を今秋冬はかなり抑えています。

代わりにアンダーソンやユニクロUで防風フリースを投入しており、これは来秋冬に本体ラインで展開するための実験ではないかと個人的には見ています。

 

暖冬とは言いながらも最高気温10度となると、やはり防寒アウターは必要となり、ウルトラライトダウンやそれよりも少し肉厚な防寒アウターは必要になってきます。

ジーユーは、ダウンジャケットを極力減らし、防風フリースアウターを強化していたため、先日の決算発表では業績が伸びていました。

一方、ダウンジャケットは1月末現在で1990~3990円と破格値に値下げされて投げ売られています。ジーユーにはウルトラライトダウンはありませんから、結構な肉厚のダウンがこの値段で処分されていますので、欲しい人はお買い得でしょう。

 

知り合いが展開している「ザ・ロフト・ラボ」という国産ダウンジャケットブランドがありますが、ここは暖冬にもかかわらずほぼ完売で、前年比20~30%増の売上高でした。

 

 

卸売りベースで数億円規模という小規模ではありますが、伸びた理由は、「分厚いダウンは作らず、軽量から中肉の企画を増やしたから」とのことです。

数億円の小規模ブランドとビッグブランドの施策を同一視することは難しいでしょうが、軽量から中肉であれば暖冬でも売れやすいことの証明にもなるのではないでしょうか。

 

そんなわけで、ユニクロは暖冬で苦戦とは言いながらもまだまだ余力があります。他ブランドが付け込む隙が大きく広がったとはまったく思えません。業界の皆様はお気を付けください。

 

SHARE

  • FacebookFacebook
  • TwitterTwitter
  • Google+Google+
  • LINELINE
南充浩
WRITER

1970年生まれ。大学卒業後、量販店系衣料品販売チェーン店に入社、97年に繊維業界新聞記者となる。2003年退職後、Tシャツアパレルメーカーの広報、雑誌編集、大型展示会主催会社の営業、ファッション専門学校の広報を経て独立。現在、フリーランスの繊維業界ライター、広報アドバイザーなどを務める。 2010年秋から開始した「繊維業界ブログ」は現在、月間20万PVを集めるまでに読者数が増えた。2010年12月から産地生地販売会「テキスタイル・マルシェ」主催事務局。 日経ビジネスオンライン、東洋経済別冊、週刊エコノミスト、WWD、Senken-h(繊研新聞アッシュ)、モノ批評雑誌月刊monoqlo、などに寄稿 【オフィシヤルブロ(http://minamimitsuhiro.info/ )】

FOLLOW
FOLLOW

1970年生まれ。大学卒業後、量販店系衣料品販売チェーン店に入社、97年に繊維業界新聞記者となる。2003年退職後、Tシャツアパレルメーカーの広報、雑誌編集、大型展示会主催会社の営業、ファッション専門学校の広報を経て独立。現在、フリーランスの繊維業界ライター、広報アドバイザーなどを務める。 2010年秋から開始した「繊維業界ブログ」は現在、月間20万PVを集めるまでに読者数が増えた。2010年12月から産地生地販売会「テキスタイル・マルシェ」主催事務局。 日経ビジネスオンライン、東洋経済別冊、週刊エコノミスト、WWD、Senken-h(繊研新聞アッシュ)、モノ批評雑誌月刊monoqlo、などに寄稿 【オフィシヤルブロ(http://minamimitsuhiro.info/ )】

COMMUNICATION

Leave a Comment

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

RECENT ENTRIES

  • 同質化する店頭

    2020-02-10  ブランド・ビジネス

    数年前ほどではないですが、今でも新しい商業施設がいくつかオープンしています。 しかし、個人的にはショッピングセンターにしろ、ファッションビルにしろ、同じようなブランドばかりが入店しているので、あまり興 […]

  • 暖冬でも売れる防寒アウターはある

    2020-02-03  ファッション全般

    早いもので今日は節分です。明日から立春ということになりますが、明後日は久しぶりに寒波が来るようで、大阪の最高気温は6度くらいと予想されています。 しかし、それも長続きしないようで、本当に暖冬なのだとい […]

  • 防寒アウターよりもウールのセーターの方が今後展開量が減りそうな理由

    2020-01-27  ファッション全般

    今秋冬の話題としては史上まれにみる暖冬があります。 暖冬の影響で、単価の高い防寒アウターが売れにくくなり、どのブランドも苦戦傾向にあります。   いくらかっこよかろうが、ブランドの人気があろ […]

RECENT ENTRIES

  • 商品分析について考えてみよう⑥

    2020-02-20  ブランド・ビジネス

    ・前回の記事の振り返り 前回の記事では、売上金額・構成比だけでなく、売上点数を見る重要性を述べました。 商品分析について考えてみよう⑤ 今回も以下の図を基に話を展開していきます。 そして、この表の特徴 […]

  • 同質化する店頭

    2020-02-10  ブランド・ビジネス

    数年前ほどではないですが、今でも新しい商業施設がいくつかオープンしています。 しかし、個人的にはショッピングセンターにしろ、ファッションビルにしろ、同じようなブランドばかりが入店しているので、あまり興 […]

  • 商品分析について考えてみよう⑤

    2020-02-06  ブランド・ビジネス

    ・前回の記事の振り返り 前回の記事では、売上ランキングの売上でみるべき項目は金額だけなく、構成比も見ると、自ショップ・ブランドの売れているとき、売れていないときの癖が見抜ける?という話をしました。 & […]

SPECIAL 
JOURNALS

BY UP&COMING EDITOR

MORE

CHIEF 
EDITOR’S

BY CHIEF EDITOR

MORE

ランキング