ブランド・ビジネス  2020-02-10

同質化する店頭

数年前ほどではないですが、今でも新しい商業施設がいくつかオープンしています。

しかし、個人的にはショッピングセンターにしろ、ファッションビルにしろ、同じようなブランドばかりが入店しているので、あまり興味をそそられません。

老化なのかもしれませんが、若い頃なら、なるべく早くに一度は見物に出かけたものですが、最近では用事がないとわざわざ見物に行こうとも思えません。

現に、昨年秋に梅田にオープンしたヨドバシリンクスも未だに見に行っていません。

商業施設の同質化は、入店しているテナントの同質化によって引き起こされていますが、同質化の問題は商業施設だけではありません。

テナント各店ごとも同質化していると感じます。

それは何も低価格SPAだけの問題ではありません。有名セレクトショップも同様です。

 

仕入れているブランドがほぼ横一線です。

一昨年でしたらカナダグースのダウンだったでしょうか。2019秋冬はそれより少し安いピレネックスのダウンに置き換わっています。

まるでトラストかカルテルでも結んだかのように、各セレクトショップともピレネックスのダウンです。

 

一昨年だとカジュアルアイテムではユニバーサルオーバーオールだったでしょうか。

 

セレクトショップ協会なるものが設立されて、協会で規定されているかのように同じブランドを各セレクトが仕入れます。

わずかに異なるのは「別注」と呼ばれる色・柄や形を少し変えた自店専用商品くらいです。

 

とはいえ、消費者から見ればそれは「単なるピレネックスのダウン」に過ぎませんから、別注かどうかは認識されません。

ビームスには赤があったけど、ユナイテッドアローズには緑があった。という程度の認識の差です。

 

〇〇別注だからすごい。さすがは有名セレクトショップ〇〇。〇〇のセンスが反映されている。

 

などと思う消費者は皆無です。そう思うのは業界人と自店スタッフくらいでしょう。(笑)

 

先日、関西を拠点とする小規模アパレルのデザイナーがこんなことを言っていました。

 

「どの店も同じブランドを仕入れていて同質化がさらに強まっている。それがさらに売れにくくしている。関西と言う地方を拠点としていると、それがよく見える。東京の有名店・有名ブランドは横同士のつながりがあるから、そこで情報交換していて、それが裏目に出て同質化をさらに加速させているのではないか」

 

と。

関西という地方に住んでいる当方もひがみかもしれませんが、そのように感じます。

 

アパレル不況といわれ、死筋を作ること許容されにくい情勢ではありますが、あまりにも安全パイを求めすぎる姿勢が各店の同質化を促進しており、それがさらにアパレル不況を強めているといえます。商品が同質化すればあとは価格競争しかありませんから。(ポイント割引やクーポン割引も含めて)

 

まあ、そんなわけで、当方は値崩れした商品を安値で買いたたくのみです。

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南充浩
WRITER

1970年生まれ。大学卒業後、量販店系衣料品販売チェーン店に入社、97年に繊維業界新聞記者となる。2003年退職後、Tシャツアパレルメーカーの広報、雑誌編集、大型展示会主催会社の営業、ファッション専門学校の広報を経て独立。現在、フリーランスの繊維業界ライター、広報アドバイザーなどを務める。 2010年秋から開始した「繊維業界ブログ」は現在、月間20万PVを集めるまでに読者数が増えた。2010年12月から産地生地販売会「テキスタイル・マルシェ」主催事務局。 日経ビジネスオンライン、東洋経済別冊、週刊エコノミスト、WWD、Senken-h(繊研新聞アッシュ)、モノ批評雑誌月刊monoqlo、などに寄稿 【オフィシヤルブロ(http://minamimitsuhiro.info/ )】

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1970年生まれ。大学卒業後、量販店系衣料品販売チェーン店に入社、97年に繊維業界新聞記者となる。2003年退職後、Tシャツアパレルメーカーの広報、雑誌編集、大型展示会主催会社の営業、ファッション専門学校の広報を経て独立。現在、フリーランスの繊維業界ライター、広報アドバイザーなどを務める。 2010年秋から開始した「繊維業界ブログ」は現在、月間20万PVを集めるまでに読者数が増えた。2010年12月から産地生地販売会「テキスタイル・マルシェ」主催事務局。 日経ビジネスオンライン、東洋経済別冊、週刊エコノミスト、WWD、Senken-h(繊研新聞アッシュ)、モノ批評雑誌月刊monoqlo、などに寄稿 【オフィシヤルブロ(http://minamimitsuhiro.info/ )】

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