フルフィルメント  2020-04-03

しまむらの不振は自社EC運用で解消されるのか?

しまむらが不採算続く約100店舗を整理へ、自社ECは予定通り下半期に開始

自社ECの運用を下半期に開始する予定で、開設までの間は同社の店頭取り寄せアプリ「しまコレ」の利用を促すことで店頭売上の低下を防ぐ。(中略)今後の重要課題としては、店頭の商品数を減らして平積みを避けた陳列を推奨し、什器の連結を控えて店内回遊率を上げる新レイアウトの導入店舗拡大や、不採算店舗の整理を計画。赤字額が特に多い約100店舗を、年間20〜25店舗ずつ閉店する予定だという。

 

不振が続くしまむらですが、増やし続けていた店舗を見直したのか、ここに来て100店舗を整理。そして自社ECを今年度の下半期に開始するとの報道。出店を抑制し販管費を抑えならが、全体の売上はEC強化で維持し利益率を向上させるのが昨今の大手アパレルのトレンドですが、これに逆行していたのがしまむらとH&Mの2大巨頭。それがここに来てとうとう出店抑制か…。と思い、決算書を確認していたのですが、

 

 

2021年の計画、しまむらグループ全体で退店27の出店41…。いや、退店増やしてるけど結局それ以上に出店してるし。。

 

 

そもそも何故、しまむらは業績不振になったのか?

しまむらの業績不振の理由は様々言われています。商品を縦に積み出したとか、ブランディングだとか、ECやってないからだとか、海外展開が弱いとか…。もちろん細々したところはあると思うのですが、僕が一番の原因だと思うのは過剰出店。いくら売れるブランドだろうと需要以上に商品を供給したら死にます。つまり単純に自社の実力以上に出店し過ぎだという事です。ユニクロですら2014年から店舗増えてません。(スクラップ&ビルドと店舗拡大ばかり)

 

もう10年くらい前の本なんですが、こちらにしまむらの先先代の社長のお話が載っていて、「出店は1000店舗が上限」と書かれていますが既に現在1432店舗…。

 

過去の決算書見てもらったらわかるんですが、それだけ出店増やしているのに2017年から売上全然上がってないんですよ。店舗増えてるのに売上上がらないって事は、既存店が大幅にマイナスなんでしょうけど、新規がそれをカバー出来ていないからです。ていうか、しまむら単体で4000億円以上売ってるんだからもう十分売ってるんですよ。売上、GUの2倍ですから。

 

直近の2020年2月期の決算なんて前年から240億円ほどマイナス…。店舗が増えてるって事は販管費はほとんど下がらないから当然、販管費率は上がります。直近の数字だと28.3%ですが、

 

一番良かった頃って23%しか無かったんですよ。5ポイント以上も増えてるんですよね。

 

しまむらってローコストオペレーションでとにかく販管費を削って利益を出すビジネスモデル。郊外に店舗があるのも、自社物流網を持っているのも、セルフ販売方式なのも全てそれが理由です。だから粗利率30%そこそこでもしっかり営業利益が出てるんです。が、販管費率が伸びてきているという事は、得意としていたビジネスモデルが崩壊しつつあるという事です。10年前と直近を比較しても粗利率は変わってませんからね。だから、普通に考えたら販管費抑えないといけないから、出店抑制してECに売上を移していくのが正攻法でしょう。海外展開も弱い印象がありますが、自社物流網持ってない海外で店舗増やしても、得意とするローコストオペレーションが可能かどうかは不明です。まだまだ営業利益は黒字ではあるんですが、今のところあまりにも良い材料が無さすぎるのです。

 

 

遅まきながら自社ECをスタート

そんな訳で、ECを始めるのは当然の流れですね。ちょっと遅いですが…。ZOZOを撤退したのは記憶に新しいですが、ECモール出店で大きく赤字だったという事は、料率(出店の為の手数料)の交渉でミスを犯したのではないかと。実店舗で販管費率30%を切るしまむらが、ZOZO出店に仮に正規手数料である35%を支払っていたのだとしたら、それだけで赤字コースになります。

 

期待が寄せられる自社ECなのですが、しまむらは自社ECに先駆けて「しまコレ」という店頭での取り置きサービスを展開していました。

 

しまむらの「店頭取置き予約アプリ」は自社ECオープンへの布石か?

こちらのnoteにも書いたんですが、これほとんどカートが無いECみたいなものなんです。ささげ(撮影・採寸・原稿)業務は済んでるし、逆にECやらないのが謎なくらい。今後、しまむらがECやるなら強みと弱みは下記のような感じではないかと推測しています。

 

<強み>

・SKU数多いから検索に強い。

・しまコレ活用して店頭受け取り促進で送料負担軽減が可能。(自社物流網が店間移動コストも削減)

・LINE@の友達めっちゃ多い。(16,391,796人 ※2020年4月2日)

 

<弱み>

・小ロットだからささげ業務のコストかかる割りに売上が見込めない。

・単価低いから送料発生すると利益が少ない。

・店頭スタッフがコーデ提案できるような人材ではない。

 

あたりでしょうか。

筆者がしまむらのEC担当なら、在庫量のある商品(縦に在庫を積んでいる物)中心にコンテンツマーケティングを強化。店頭在庫連携して機会損失を出来る限り減らし、LINE@中心に使って集客って感じでしょうか。どれだけEC売上を店頭受け取りに持っていけるかで利益率も変わってきそう。荷造運賃費に注目ですね。しまむらくらい店舗多ければ、店頭受け取りは効果高いでしょう。ユニクロでも800店舗なんで、店舗減らしても問題ありません。スタッフコーデ提案が出来ないので、顧客を巻き込んでコーデ画像をECサイトに反映。オンワード樫山のようにアンバサダーを何人か選出してもいいかもしれませんね。あと、セット割りしまくります。しかし、自社ECをどれだけ頑張っても、出血の元である過剰出店をどこかで辞めないと業績を大きく改善するのは難しいでしょう。店頭が厳しい期間が続いていますので、是非ECで強いしまむらを取り戻してほしいものです。

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深地 雅也
WRITER

株式会社StylePicks CEO。コンテンツマーケティングをメインに、ECサイト構築・運用・コンサルティング、ブランディング戦略立案、オウンドメディア構築、販促企画などをやってます。最近はODM・OEMメーカーのブランド設立支援、IT企業のアドバイザー、服飾専門学校講師、ライター業なども手がけてます。

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