アパレルMDの為の教科書  2020-04-29

商品の追加発注を考えよう⑨

・前回の記事の復習です

商品の追加発注を考えよう⑧


現在解答している問題は以下の通りです。
(解答はPCの画面でご覧頂けると幸いです。m(__)m)

問題2

商品名はレディース冬物ニット。初回発注数量は2,600点。(ピンク1000点・黒800点・ネイビー600点・柄物200点)
45W月曜日に店頭入荷。入荷2日間の売上はピンク22点。ブラック14点。ネイビー17点。柄物4点。
更に1Wからセールの目玉商品としてで30%でオフで売ることが決定している。
*LT2か月とする。(1Wの月曜日に入荷とする。)
上記の商品は何点追加するべきでしょうか?
(注)1 今回は販売で6W販売終了とする

 

シミュレーションから算出された数量は以下の通りになりました。

*因みにこのようなシミュレーションをした場合。過去データはセール等の売上も混ざっているから、あてにならない!という意見も散見しますが、セール時の店頭を想像して頂けるとおわかりのように、お客様も当然増えます。仮にセールしない人気商品をセール時にも展開しておけば、データ通りの売上点数になる可能性が高いと言えます。そもそも商品の出し入れを何度も行わないといけないような組織は、MD設計の段階から問題があります。この方法はベストはないですが、あくまでベターな方法だと捉えていただければ幸いです。

 

今回の問題の商品の追加発注数量のベターな数字は以下の通りになります。

・ピンク×522点
・黒×168点
・ネイビー×441点(1週からの売上点数予測を追加発注すればよい)
・柄物×77点

となります。

 

・もっと簡単な計算方法がある?

因みに前回の記事では、1週から最初に導き出された売上点数に対して約1.43倍を掛け算し数量を導き出しましたが、もっと簡単な方法があります。それは、どのような方法かと言いますと。。。

今回の問題で、1週のピンクの売上予測数量は30%OFFを加味しないと、182点になっています。30%OFFを加味した場合は、上記のように当初数字の1.43倍売れる!ということから、

182点×1.43=260点

 

になります。

しかしながら、この問題を解くのにわざわざ1.43倍を導き出すのは面倒です。

今回の問題は、1週から30%OFFで売るということになっています。
ということは!言い換えれば、1週から元売価の7掛けで売る!ということと同義です。ですから、このようなケースでは。。。

182点÷(1-30%)=260点と計算すると、手間が省けて良いでしょう。

 

・柄物を追加発注する?

今回の問題では、柄物を約77点追加発注する!という答えが導き出されています。

しかしながら、皆さんよく考えてほしいのですが、レディースのニットの柄物をそのまま追加発注しますか?

この問題文を見ると、柄物の初回発注数量はかなり少な目になっています。MD的な思考では、おそらく見せ筋程度の商品と考えている可能性が高い筈です。このことも、皆さま方のブランド・ショップでそれぞれに考え方があるとは思いますが、私ならばこの柄物の追加発注はしません。

あくまで、その時々の状況にもよるでしょうが、新色を足すか?そのまま追加発注しないか?等の選択肢をとると思います。また、レディースの場合は、時間の経過とともに売れる色が変化する可能性があるので、場合によってはそのこともシミュレーションした方がいいでしょう。

ですが、シミュレーション出た数字をそのまま鵜呑みにし商品の追加発注をすることが、MDの仕事ではなく、その時々の状況や、先の店頭の状況を鑑みながら、商品の追加発注は考えなければいけません。それには、MDは常日頃から現場に足を運ぶ必要があるということです。

このことを皆さん意識しておいてください。

 

これで、商品の追加発注に関する連載は終了です。
読者の皆様方がこの連載をきっかけに、日々このことを反復練習し、実践に役立てることを願っています。

次回からは、仕入予算の根本の話を記載していきます。
では、皆さん。次回もお楽しみに。

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佐藤 正臣(マサ佐藤)
WRITER

95年(株)ノーリーズにアルバイトとして物流倉庫からスタートし、店頭勤務7年(レディース)。02年より(株)ノーリーズにおいてメンズ(フレディ&グロスター・ノーリーズメンズ)立上をMDとして担当。10年よりフリーランスとして活動開始。シャツメーカーの新ブランド開発の企画サポート。その他、新規ブランドの立上マーチャンダイジング計画など、様々なフィールドで活躍したのち、14年5月末、株式会社エムズ商品計画を設立。小売り企業へのMDアドバイスや専門学校での講義・また海外での講義等。現在、多方面で活躍中。

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