ファッション全般  2020-05-19

デニムとダンガリーとシャンブレーの違い

先日、ある著名ファッション関係者のブログを読んでいたら、デニムシャツとしてシャンブレーシャツが紹介されていました。

前振りでシャンブレーシャツを扱って、後半には「一方、デニムシャツとは・・・」という説明が始まるのかと思って期待しながら読み進めていましたが結局デニムシャツは出てこないままに終わりました。(笑)

 

 

 

 

 

以前から何度もいろいろな記事でデニムとダンガリーとシャンブレーの違いについて書いてきましたが、こういう混同が一般的に広まることはすごく危険で、一般消費者が混同しているだけならまだ構わないのですが、そこからファッションを志して、業界に入ってくる人も少なくありません。

 

 

 

専門学校や就職先でデニムとダンガリーとシャンブレーの違いについてみっちりと修正されれば何も言うことはありませんが、最近はそこまで素材教育をしないアパレルも増えていますから、間違った知識のままでデザイナーとか企画マンになってしまうケースも珍しくありません。

 

 

 

 

そうするとどういうことが起きるかというと、製造業者に対して間違った指示を与え、製造現場が混乱するばかりでなく、ブランドとしても失敗作が増えコストが増大するとともに、間違った商品を作り直すため製造する時間も余分に取られます。

 

 

どこにもメリットは存在しないのです。

 

ですから、この手の情報は重要なのです。

 

 

手短にまとめると

 

 

デニム = 経糸がインディゴ糸、緯糸が染色していない糸による綾織り

ダンガリー = 経糸が染色していない糸、緯糸がインディゴ糸による綾織り

シャンブレー = 染色した経糸、染色していない緯糸による平織り

 

 

という違いになります。

 

デニムとダンガリーは非常に似ていて、ぱっと見では区別できません。ですが、シャンブレーは平織りなので織り目さえ見れば容易に判別できます。

 

濃紺として織られたシャンブレーでもデニムほどの濃色にはなりません。なぜなら、平織りだからです。平織りとは経糸と緯糸が1本ずつ交差する織り方で、その結果、染色していない緯糸も表面に出てくるので、濃色が薄まります。

 

例えていえば、濃紺で織ったとしてもシャンブレーにすると、ウォッシュして色の濃度が半分くらいになった色落ちデニムみたいに見えるのです。

ユニクロのシャンブレーシャツ

 

 

色が薄くなるまでウォッシュされたユニクロのデニムシャツ

 

どうです?一見似ているでしょう?ですから混同する人がいてもまったく不思議ではないのですが、この区別ができないと業界内ではまともに働けません。

 

 

で、このサイトで同じ書き手であるマサ佐藤氏からこんな質問がありました。

 

カイハラやクロキといったデニム工場もシャンブレーを製造しているのでしょうか?自分が以前に携わっていたブランドでは全然違う生地屋からシャンブレーを仕入れていた記憶があります

 

と。

 

 

これについて説明すると、デニム生地工場でもシャンブレーを製造していないわけではありませんが、シャンブレー生地は別にデニム生地工場でなくとも織れます。

 

逆にデニム生地はデニム専門工場でしか織れません。

 

ということです。

その理由ですが、シャンブレーに使われる「染色された糸」は別にインディゴ染めとは限らないからです。

 

シャンブレーというと紺やブルーが多いですが赤やグリーン、グレーなどもあります。これらの色はもちろんインディゴ染めではありません。またシャンブレーで使われる紺やブルーも別にインディゴ染めである必要はありません。

 

このため、別にデニム生地工場でなくともシャンブレー生地を製造することは可能なのです。

 

一方のデニムですが、デニムのブルーはインディゴ染めされたブルーで、インディゴ染めするには「ロープ染色」という工程が必要になります。

 

インディゴがブルーに発色するためには酸化させる必要があり、浴槽に漬けてから引き上げて酸化させるという工程を何度も繰り返します。

 

その工程を「ロープ染色」と呼び、ロープ染色には独自の機械である「ロープ染色機」が必要となります。このためデニム生地は専門工場でないと製造できないのです。

 

お分かりでしょうか?デニムとシャンブレーを未だに混同している人がいることにも驚きましたが、デニムとシャンブレーは織り組織そのものが異なるばかりでなく、製造工程すら異なるので、生地としての見え方は近しくてもまったく違う生地だということです。

 

読者のみなさんはぜひこの違いを覚えておいてください。

 

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南充浩
WRITER

1970年生まれ。大学卒業後、量販店系衣料品販売チェーン店に入社、97年に繊維業界新聞記者となる。2003年退職後、Tシャツアパレルメーカーの広報、雑誌編集、大型展示会主催会社の営業、ファッション専門学校の広報を経て独立。現在、フリーランスの繊維業界ライター、広報アドバイザーなどを務める。 2010年秋から開始した「繊維業界ブログ」は現在、月間20万PVを集めるまでに読者数が増えた。2010年12月から産地生地販売会「テキスタイル・マルシェ」主催事務局。 日経ビジネスオンライン、東洋経済別冊、週刊エコノミスト、WWD、Senken-h(繊研新聞アッシュ)、モノ批評雑誌月刊monoqlo、などに寄稿 【オフィシヤルブロ(http://minamimitsuhiro.info/ )】

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1970年生まれ。大学卒業後、量販店系衣料品販売チェーン店に入社、97年に繊維業界新聞記者となる。2003年退職後、Tシャツアパレルメーカーの広報、雑誌編集、大型展示会主催会社の営業、ファッション専門学校の広報を経て独立。現在、フリーランスの繊維業界ライター、広報アドバイザーなどを務める。 2010年秋から開始した「繊維業界ブログ」は現在、月間20万PVを集めるまでに読者数が増えた。2010年12月から産地生地販売会「テキスタイル・マルシェ」主催事務局。 日経ビジネスオンライン、東洋経済別冊、週刊エコノミスト、WWD、Senken-h(繊研新聞アッシュ)、モノ批評雑誌月刊monoqlo、などに寄稿 【オフィシヤルブロ(http://minamimitsuhiro.info/ )】

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