繊維の基礎知識  2020-07-14

シルクや合繊に使われる単位「デニール」について

今回は、シルクや合繊の糸に使われる「デニール」についてです。

最近では「デシテックス」という単位もできましたが、業界ではいまだに「デニール」の方が愛用されていると感じます。

また業者だと「デニール」のことを略して「デー」と言う人もいます。

 

で、綿・ウール・麻の「番手」もそうだったが、一応太さを表す単位として使われているが元は「重さ」を基準とした単位で、「デニール」「デシテックス」も重さを基準とした単位となっています。

余談ですが、デニム生地やTシャツに使われる「オンス」も重さが基準となった単位なので、繊維業界は重さを基準とした考え方で成り立っているということがいえます。

 

9000メートルで1グラムの重さがある糸が1デニールです。

糸の番手は1番が最も太く、50番、100番、200番と数が大きくなればなるほど太い糸でしたが、デニールの場合は逆です。

1デニールが最も細く、20、80、100デニールとなるごとに太くなります。

 

デニールという単位は、タイツやパンストを愛用している女性なら結構馴染みが深いのではないかと思います。

タイツやパンストは、生地の薄さがデニールで表記されるからです。

20デニールだとけっこう薄めの生地です。40デニール、60デニールと数が増えるごとに生地が分厚くなります。

これはデニールの基準を考えれば理解できると思います。

 

9000メートルで1グラムが1デニールなら、2グラムなら2デニールということになります。長さが同じで重さが増えるのなら、考えられるのは糸の内部の密度が同じなら太さが太くなるということです。また太さが同じなら糸の内部の密度が高いということになり、そのどちらかしか正解はありません。

 

そして9000メートルもの長さ(9キロ)があるのに1グラムしかない糸というのはめちゃくちゃ細いということも想像できるのではないかと思います。

そして、もともとはこれは絹の生糸を計るための単位でした。それが合繊に転用されたということになります。

 

10000メートルの長さで1グラムの糸を1デシテックスと呼びますが、現在の繊維業界で使われている場面にあまり出くわしたことがありません。

知っている範囲だと、合繊メーカーもパンストメーカーも「デニール」を使っていることがほとんどです。

 

 

それにしても、どうしてシルクだけが、同じ天然繊維なのに綿・麻・ウールと違って番手を使わずに、合繊と同じデニールを使っているのでしょうか。

それはシルクが綿・麻・ウールと違って、繊維が凄まじく長い長繊維だからです。

綿・麻・ウールは繊維が短い短繊維でそれを紡いで糸にするところが共通点ですが、シルクはそうではありません。蚕の繭をほぐすと、何メートルもの長い1本の糸になります。

ですから、綿などのように短い繊維を集めて紡いで糸にする必要がないのです。

 

 

まあ、そんなわけで1デニールはめちゃくちゃ細い糸で、数字が増えれば増えるほど合繊やシルクは糸が太くなり、生地が分厚くなるということを覚えておけば、普通のアパレルだと十分ではないでしょうか。

あ、ついでですがデニール、デシテックスも番手に換算することができますので、また番手換算表を参考にしてみてください。

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南充浩
WRITER

1970年生まれ。大学卒業後、量販店系衣料品販売チェーン店に入社、97年に繊維業界新聞記者となる。2003年退職後、Tシャツアパレルメーカーの広報、雑誌編集、大型展示会主催会社の営業、ファッション専門学校の広報を経て独立。現在、フリーランスの繊維業界ライター、広報アドバイザーなどを務める。 2010年秋から開始した「繊維業界ブログ」は現在、月間20万PVを集めるまでに読者数が増えた。2010年12月から産地生地販売会「テキスタイル・マルシェ」主催事務局。 日経ビジネスオンライン、東洋経済別冊、週刊エコノミスト、WWD、Senken-h(繊研新聞アッシュ)、モノ批評雑誌月刊monoqlo、などに寄稿 【オフィシヤルブロ(http://minamimitsuhiro.info/ )】

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1970年生まれ。大学卒業後、量販店系衣料品販売チェーン店に入社、97年に繊維業界新聞記者となる。2003年退職後、Tシャツアパレルメーカーの広報、雑誌編集、大型展示会主催会社の営業、ファッション専門学校の広報を経て独立。現在、フリーランスの繊維業界ライター、広報アドバイザーなどを務める。 2010年秋から開始した「繊維業界ブログ」は現在、月間20万PVを集めるまでに読者数が増えた。2010年12月から産地生地販売会「テキスタイル・マルシェ」主催事務局。 日経ビジネスオンライン、東洋経済別冊、週刊エコノミスト、WWD、Senken-h(繊研新聞アッシュ)、モノ批評雑誌月刊monoqlo、などに寄稿 【オフィシヤルブロ(http://minamimitsuhiro.info/ )】

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