ECディレクターの為の教科書  2020-08-14

ECでセット率を上げるにはどうしたら良い?

アパレル店舗で客単価を伸ばしたい場合、一般的なのは「セット率を上げる」事が考えられるでしょう。ECの業界ではパック率と呼ばれているかと思います。

 

販売員さんが店舗でセット率を上げようと思うとどういった手法を使うでしょうか?パッと思いつくところだと「コーディネート提案」が出てきやすいのではないでしょうか。コーディネートを訴求しやすいシーンは主にフィッティングルームなので、販売員さんはお客をフィッティングに誘導した後、試着アイテムに合うものを提案するのが主流ですね。このせいか、ブランドによってはフィッティングルームに誘導した回数を店頭のKPIに設定している事もありますし、フィッティングルームに誘導する為に、試着を伴うアイテムの訴求(パンツ・スカート)をメインにする事もあります。

 

これをECに置き換えるとするなら、特集記事にてコーディネートを訴求したり、サイトコンテンツに販売員さんのスタッフコーデをアップしたり、などがよく見られます。店頭の販売員さんがおすすめ、もしくは着用しているコーディネートをそのまま購入すればスタイルは既に完成されているし間違い無い…。と思うのですが、ECでは意外とこれで劇的にセット率が上がるケースは稀です。

 

セット率は「顧客育成」によって上がる

弊社で計測しているデータを検証してみると、コーディネート提案で改善されるのはCVR(コンバージョンレート)、つまり買い上げ率です。多くの人はコーディネートを見ながら、自分が気になっている商品の着こなしを想像し、当該商品の購入の背中を押されている、といった具合でしょうか。

 

では、どうしたらセット率は上がるのでしょうか?

 

この答えこそ、「顧客育成」に他なりません。自社ECでお買い物をされるお客様はそのブランドの濃いファンの方が多くいらっしゃいます。濃いファンは、商品を店頭でしっかりチェックした後、ECで購入を検討したり、またその逆にECで商品をチェックしてから店頭に行ったりします。商品ページ自体をブックマークしている人も多いでしょう。そのせいでECでの購買行動で見られるのは、

 

◯店頭で見て気になった商品をECで複数点チェックしていて、再訪を繰り返してセットで購入。
◯気に入った商品の色違いをまとめて大人買い。
◯ブックマークしていた商品がクーポン・セール対象になったタイミングでまとめ買い。

 

という動きです。

つまり、セット率を上げて客単価を伸ばしたいのであれば、ライトユーザーを育て、顧客化していけばいいのです。(と簡単に書いてますがそれが一番難しいです)

 

どうしたらリピートしてもらえる?

身も蓋も無いお話をしますと、リピート率と一番相関があるのは「商品力」でしょう。物さえ良ければ勝手にリピート率も上がりますし、結果顧客化していきます。商品力は機能・品質面だけでなくトレンドを含めたデザイン性も関わってきますから、非常に曖昧でコントロールしにくいものです。こちらはECとは違う領域なのでここでは割愛致します。

 

それ以外で顧客化を目指すなら、店頭を活用するのが一番簡単な方法でしょう。新規ユーザーを、ECやソーシャルを活用しながらなるべく店頭に送客するのが良いかと。この場合、店頭で受けれるサービスの充実やキャンペーンの訴求・店頭販促の打ち出し・館の優待情報などなど、店頭に来てもらうきっかけをプッシュしましょう。あなたのブランドのECやソーシャルに訪れている時点で少なからず興味関心があるユーザーではあるのですが、いきなりECで購買に繋げるのは非常に難易度が高い。なので、まずは店頭に来てもらい物をしっかり見てもらう事、販売員さんの接客を受けてもらう事を優先しましょう。

 

店頭販売員さんからしたらECと店頭の両方を活用、と聞くと売上の取り合いになると思われるでしょう。しかし結局ECで一番買うお客様は店頭顧客です。また、顧客育成はweb上で何もしない訳ではなく、ブランド情報との接触頻度を高め、再訪率を上げてリピート率を高める事も求められます。こちらに関してはまた次回に詳しくお話したいと思います。

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深地 雅也
WRITER

株式会社StylePicks CEO。コンテンツマーケティングをメインに、ECサイト構築・運用・コンサルティング、ブランディング戦略立案、オウンドメディア構築、販促企画などをやってます。最近はODM・OEMメーカーのブランド設立支援、IT企業のアドバイザー、服飾専門学校講師、ライター業なども手がけてます。

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株式会社StylePicks CEO。コンテンツマーケティングをメインに、ECサイト構築・運用・コンサルティング、ブランディング戦略立案、オウンドメディア構築、販促企画などをやってます。最近はODM・OEMメーカーのブランド設立支援、IT企業のアドバイザー、服飾専門学校講師、ライター業なども手がけてます。

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