繊維の基礎知識  2020-09-01

「皮」と「革」の違いとは?

お久しぶりです。

少し間が空いてしまいました。

今回は「皮」と「革」の違いについて手短にまとめたいと思います。

レザー製品のことを日本語で皮革製品といいますが、皮と革の違いはなんでしょうか。

どちらも訓読みでは「かわ」です。

ですから、似たような意味の言葉なので、皮革という熟語が存在するわけです。

 

しかし、厳密にいうと意味が異なります。

まず「皮」ですが、これは動物から採られたままの状態を指します。業界では原皮とも呼ばれます。

動物から採られたままの状態ではどうなるのかというと、何日間かすると腐ってきます。もしくは湿度の極端に低い環境に置かれると、パリパリに乾燥してしまいます。

 

これに対して「革」というのは、「鞣し(なめし)」という工程を経たものを指します。いわゆるレザーです。

鞄や靴、ブルゾンなんかに使用されているレザーです。

原皮を鞣して革にするのです。

革ももちろんある程度の手入れが必要ですが、原皮のように何日間か経つと腐ったり、パリパリに乾燥したりはしません。

何年間も使用し続けることができます。

 

一口に「皮革」といっても、このような違いがあるのです。

 

それから、基本的には魚類、爬虫類、鳥類、哺乳類の皮はすべて鞣して革にすることができます。

昔、皮革問屋で「鯉」の革というのを見せてもらったことがあります。鯉の鱗の形がそのまま革になっていました。昔、旧日本軍はサメ革を使っていました。エイの革というのもあったと記憶しています。

このように魚類の皮もなめせば革として使えるのです。

鳥類だとダチョウが原料のオーストリッチという革が有名です。

爬虫類だと蛇やワニが代表的です。

 

哺乳類の場合、羊、豚、牛、馬、山羊あたりが有名ですが、これらは食肉用に屠殺した際に自動的に生産され続けているので、多用されていますが、他の哺乳類でも革を作ることは可能です。ちょっと気持ち悪いですが、原理的には人間の革というのも作ることができます。

 

個人的には、両生類の革というのはこれまで見たことがありません。

生産が可能なのかどうかもわかりませんが、両生類はカエルやイモリといった比較的小型が多いので、革にして使うには間に合わないということなのかもしれません。

使えるくらい大型のものとなると、食用カエルに代表される一部の大型カエルか、オオサンショウウオくらいなのではないかと思いますが、それでも牛や馬、ダチョウに比べると小さすぎて製品化するにはコスパが悪いのかもしれません。

 

そんなわけでまた次回。

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南充浩
WRITER

1970年生まれ。大学卒業後、量販店系衣料品販売チェーン店に入社、97年に繊維業界新聞記者となる。2003年退職後、Tシャツアパレルメーカーの広報、雑誌編集、大型展示会主催会社の営業、ファッション専門学校の広報を経て独立。現在、フリーランスの繊維業界ライター、広報アドバイザーなどを務める。 2010年秋から開始した「繊維業界ブログ」は現在、月間20万PVを集めるまでに読者数が増えた。2010年12月から産地生地販売会「テキスタイル・マルシェ」主催事務局。 日経ビジネスオンライン、東洋経済別冊、週刊エコノミスト、WWD、Senken-h(繊研新聞アッシュ)、モノ批評雑誌月刊monoqlo、などに寄稿 【オフィシヤルブロ(http://minamimitsuhiro.info/ )】

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1970年生まれ。大学卒業後、量販店系衣料品販売チェーン店に入社、97年に繊維業界新聞記者となる。2003年退職後、Tシャツアパレルメーカーの広報、雑誌編集、大型展示会主催会社の営業、ファッション専門学校の広報を経て独立。現在、フリーランスの繊維業界ライター、広報アドバイザーなどを務める。 2010年秋から開始した「繊維業界ブログ」は現在、月間20万PVを集めるまでに読者数が増えた。2010年12月から産地生地販売会「テキスタイル・マルシェ」主催事務局。 日経ビジネスオンライン、東洋経済別冊、週刊エコノミスト、WWD、Senken-h(繊研新聞アッシュ)、モノ批評雑誌月刊monoqlo、などに寄稿 【オフィシヤルブロ(http://minamimitsuhiro.info/ )】

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