繊維の基礎知識  2021-01-04

Super100と100番手の違いについて

みなさま、あけましておめでとうございます。

大変だった2020年が終わり、2021年が始まりましたが、まだコロナ禍は続くようです。こういうときこそ、心折れることなく持ちこたえたいものですね。

 

さて、今回は、ウールのスーツの生地で表示されている「Super100」についてです。高級なスーツ地の目印の一つとして「Super100」とか「Super120」とかそういうラベルがあります。

とは言っても、高級スーツにだけ使われているわけではなく、ツープライススーツにも使われていたりします。自分は、昔、Super100の表示のついたスーツをスーパースーツストアで買ったことがあります。価格は19000円でした。今でも捨てていません。

 

さて、この「Super〇〇」ですが、一体何を表しているのでしょうか。

紳士服に詳しい方なら、とっくにご存知のことなのですが、意外とスーツ好き以外には知られていないことが先日わかりました。

先日、このStylepicksの代表である深地雅也さんと雑談していたのですが、その際

「Super100って100番手とは違うんですか?」

と質問されたのです。

 

繊維の基礎知識を読んでくださっている人ならみんな知っていると思いますが、糸の太さを表す単位として「番手」があります。(正確には重さを表す単位ですが、軽いということは結果的に糸が細いということにつながる)

1番からだんだんと細くなっていき、100番手というと相当に細い糸ということになります。

太い糸を紡ぐのは比較的容易で、細い糸を紡ぐことは難しいので、100番手などの「細番手」は概して高級と言われる場合が多いのです。

 

で、深地さんの問いへの答えですが、Super100と100番手ウールはまったく別物です。

ではSuper100とは何の単位なのでしょう。

たしかにSuper100、Super110、Super120となるに従って細くなるのは間違いありませんが、それは糸の太さではないのです。

 

糸の太さではなく、Super〇〇というのは、糸を構成している繊維の細さを表しているのです。Super100より110、110より120、120より130、140という具合に、細い繊維で構成された糸になります。

 

しかし、まだ番手との区別がついておられない方もいるのではないかと思いますが、まったく違うのです。

通常、羊の毛を刈って原毛にします。この原毛はウールの繊維が寄り集まったもので、この繊維を紡いでウール糸にします。

細く紡げば細番手、太く紡げば太番手ということになりますが、この「番手」の場合、構成しているウール繊維の太さは何でも構わないのです。

ですが、Super〇〇はこれとは逆で、細い繊維のことをSuper〇〇と呼ぶので、Super〇〇の繊維を使って太番手の糸を紡ぐことも可能なのです。

Super100の繊維を使って30番手の糸を紡ぐということも可能になるのです。

 

深地さんほどの人をもってしても、Super100と100番手の区別がつかないのですから、繊維の全知識を網羅している人はこの世にはいないのではないかと思います。

繊維の細さを表しているのが、Super〇〇

繊維を集めて紡いだ糸の太さを表しているのが番手

ということです。

この違いをしっかりと覚えておいてください。

 

それではみなさん、今年もよろしくお願いします。

 

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南充浩
WRITER

1970年生まれ。大学卒業後、量販店系衣料品販売チェーン店に入社、97年に繊維業界新聞記者となる。2003年退職後、Tシャツアパレルメーカーの広報、雑誌編集、大型展示会主催会社の営業、ファッション専門学校の広報を経て独立。現在、フリーランスの繊維業界ライター、広報アドバイザーなどを務める。 2010年秋から開始した「繊維業界ブログ」は現在、月間20万PVを集めるまでに読者数が増えた。2010年12月から産地生地販売会「テキスタイル・マルシェ」主催事務局。 日経ビジネスオンライン、東洋経済別冊、週刊エコノミスト、WWD、Senken-h(繊研新聞アッシュ)、モノ批評雑誌月刊monoqlo、などに寄稿 【オフィシヤルブロ(http://minamimitsuhiro.info/ )】

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1970年生まれ。大学卒業後、量販店系衣料品販売チェーン店に入社、97年に繊維業界新聞記者となる。2003年退職後、Tシャツアパレルメーカーの広報、雑誌編集、大型展示会主催会社の営業、ファッション専門学校の広報を経て独立。現在、フリーランスの繊維業界ライター、広報アドバイザーなどを務める。 2010年秋から開始した「繊維業界ブログ」は現在、月間20万PVを集めるまでに読者数が増えた。2010年12月から産地生地販売会「テキスタイル・マルシェ」主催事務局。 日経ビジネスオンライン、東洋経済別冊、週刊エコノミスト、WWD、Senken-h(繊研新聞アッシュ)、モノ批評雑誌月刊monoqlo、などに寄稿 【オフィシヤルブロ(http://minamimitsuhiro.info/ )】

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