MD視点での決算書の読み方  2021-03-31

決算書を読むことでMDの数字面の仕事を鍛えよう⑱

前々回の記事で、2月末決算の会社しまむら・東京ベース・オンワードの2020年2月期の決算書から数字を拾い(しまむらは2月20日決算)、OTB表を作成しました。そして、皆様方にこれらのOTB表は、どこの組織のOTB表なのか?を、3択問題として出題しました。

決算書を読むことでMDの数字面の仕事を鍛えよう⑰


前回の記事でAのOTB表の企業を発表しましたので、今回の記事では、B・Cの正解とそのMDの簡単な特徴。数字から見える考察をお伝えしていきます。

 

 

〇B・Cの正解は?

では、正解の発展です。Bはしまむら。Cはオンワードとなります。

今回は、OTB表から見えるしまむらの特徴・考察を記事にしていきます。
尚、Cのオンワードですが、事業体が多く、MD的視点で分析するには、時間がかかる上、困難が生じますので、今回、オンワードのOTB表から見える考察は控えさせて頂きます。いつか、ちゃんと調べたのちに弊社のサイトで記事にしたいと思いますので、そのときまで皆様お待ちください。まことに申し訳ありません。(下記が弊社のブログサイトになります)

BLOG

 

 

〇数字の推移から見える、しまむらの特徴とは?

まず、しまむらの特徴として挙げられるのは、その粗利率の低さです。言い換えれば、仕入原価率(掛率)が高い!と予想されるのですが、であれば、TOKYO BASEの論理で言うと、”原価率高いからめっちゃ良い商品やん!”ということになります。ですが、この仕入原価率の高さは、ご存知の方も多いことではあることだと思いますが、商品は、基本他社仕入をしているということに起因しています。

アパレル・ファッション小売業の仕事に従事されている方々ならば、他社仕入した商品の仕入原価率(掛率)が高い!ということは、すぐに理解して頂けると思います。ですが、メリットもあります。商品の開発に必要な人材をすべて他社に依存することができますから、自社の商品系の仕事の人は、商品のバイイングをする人だけで良く、組織全体の人件費等の販管費を抑えることができます。(しまむらのような小売業は、MDという呼称で呼ばずバイヤーと呼ばれることが多いのはこのため)

しまむらの場合は、その売上規模から、商品を供給する企業にとっては、一番の金額になるところが多い筈ですから、しまむらの為には、多少な無理もしている筈です。ですが、この業界では有名な話ですが、しまむらと商品供給側の関係は良好といわれており、事実、コロナ禍で厳しい状況であったときも、相互協力でこの難局を乗り切っているのでは?ということが、決算説明会資料からも伺えます。

また、しまむらは商品供給側から商品を仕入れる際に、かなり高めの仕入原価率で仕入れていることは、この粗利率と現場(店頭)からも見て取れます。仮に、しまむらの仕入原価率が50%(値入率50%)だったとすると、年間でのOFF率は26.5%となります。仕入原価率が55%(値入率45%)だった場合は、年間のOFF率は約19%OFFです。(OFF率の計算方法は、私の過去の連載をご覧ください。)

ですが、しまむらの店頭を見ていると、年間26.5%OFFもしていないように見受けられますから、実際は、50%以上の仕入原価率の可能性が高いと言えます。このことも決算説明会資料に値引き率という形で記載されていますが、この値引き率と、私がいうOFF率が一致しているのか不明です。ですが、商品供給先にとって、掛率(仕入原価率)が50%以上で仕入れてくれるしまむらは、とてもありがたい存在ですから、良い関係性が構築できている可能性が高いと言えるでしょう。


(この値引き率をOFF率と同義だとすると、しまむらの仕入原価率は60%以上となってしまう)

今回の記事はここで終わりしまして、次回はの記事では、しまむらのもう一つの特徴である在庫回転率の高さと、売上・粗利・仕入・在庫コントロールの上手さについて考察していきます。
では、皆様。次回もお楽しみに。

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佐藤 正臣(マサ佐藤)
WRITER

(株)エムズ商品計画オフィシャルサイト】(株)エムズ商品計画代表取締役。大分県大分市出身。リテールMDアドバイザー。繊研新聞社より「数学嫌いでも算数ならできる筈〜算数で極めるMDへの道」出版。大手アパレルからライフスタイルブランド・スーパーマーケットなど、あらゆる分野のマーチャンダイジング改善に従事。仕事依頼は上記弊社ウェブサイトリンクよりお願いします。唯一の趣味は古着収集。

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