MD視点での決算書の読み方  2021-06-09

決算書を読むことでMDの数字面の仕事を鍛えよう㉗

以前の記事で、売上・客数・客単価がどのような状態になっていれば、MDとして是なのか?非なのか?ということを、問題形式でA~Fの例を出しました。前回の記事では、A・Bを考察しましたので,

今回の記事では、C以降ののケースを考察していきます。

決算書を読むことでMDの数字面の仕事を鍛えよう㉖

Cのケース

・売上アップ
・客数ダウン
・客単価アップ

 

このことは、MDにとっては好ましい状態とは言えません。(販売側にとっては、販売の実力で売っているのですから、誇っても良い状況です。)

そして、客単価の上昇がSET率ではなく、(過去データと照らして)1点単価で伸びているとしたら。。。特に、1点単価が5%以上アップで黄信号。10%以上アップですと、これは赤信号です。何故ならば、これをお客様の視点で見れば、(ショップ・ブランドの)コンセプトに基づく、元々の価格設定”適格”を支持していたお客様から。。。

”このブランド・ショップなんとなく高くなったな?””(なんか)値上げした?”

 

というような、ステルス値上げをしたも同然で、ショップから足が遠のく可能性が高まるからです。そのくらい、お客様から見た価格の見え方というのは重要です。1点単価が知らずうちに10%も上がったというのは、ある意味ブランド・ショップコンセプトを変えた!ということて同義であり、MDはこのことを特に意識しなければなりません。このような状況での売上アップは、早い段階で更なる客数の減少から、売上が低下する可能性は大と言えますので、売上がまだ良い状態のうちに、MDは何かしらの策を講じなければなりません。

 

Dのケース

・売上ダウン
・客数ダウン
・客単価ダウン

 

この状態は一目瞭然です。どうしようもありません。この状態まで来たら、ブランド・ショップを閉鎖するか、リブランディングや業態変更を考えた方が良いでしょう。

 

Eのケース

・売上ダウン
・客数アップ
・客単価ダウン

 

この状態も好ましい状況とは言えません。

しかしながら、客数はアップしていますから、そこから希望を見出すことが出来るかもしれません。この場合の客単価ダウンが、リブランディングで価格を下げる戦略を告知しての結果ならば、まだ光が指しています。このケースの場合は、更に客数が伸びるような施策。特に効果的な広告宣伝の方法をブランド・ショップのコンセプトに合うように考えるべきでしょう。

 

Fのケース

・売上ダウン
・客数ダウン
・客単価アップ

 

このケースで高いSET率だった場合。その場合は、付加価値の高い販売員がこの組織に多い!と捉えることができます。その付加価値の高い販売員を要してのこの結果ですから、MD的には最悪に近い状況です。

この場合は、付加価値の高い販売員を活用したリブランディングを考えれば良いのかもしれません。しかしながら、この結果はマーチャンダイジングの杜撰さによるものだけでなく、押し売りに近いような販売現場。販売現場にきつめの売上予算を課した上でのこの結果であれば、この組織はもう解散した方が良いでしょう。何故ならば、売れない理由を販売の現場にしか求めないような組織は、今後成長は見込めませんし、実務者の離職率が跳ね上がってしまいます。ですので、高いスキルをもった販売員の皆様方は、皆様方が思っている以上に、販売という仕事の付加価値が高いので、このケースの場合は即座に転職をオススメします。

以上で、上場企業のIR情報から見える客数・客単価の考察方法の記事は終わりです。次回は、決算書の数字を見る際は、現状や昨年だけでなく、過去数年にわたって数字を見ないと、その組織の本質はわからない!ということを記事にいたします。

では、皆さん。次回もお楽しみに。

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佐藤 正臣(マサ佐藤)
WRITER

(株)エムズ商品計画オフィシャルサイト】(株)エムズ商品計画代表取締役。大分県大分市出身。リテールMDアドバイザー。繊研新聞社より「数学嫌いでも算数ならできる筈〜算数で極めるMDへの道」出版。大手アパレルからライフスタイルブランド・スーパーマーケットなど、あらゆる分野のマーチャンダイジング改善に従事。仕事依頼は上記弊社ウェブサイトリンクよりお願いします。唯一の趣味は古着収集。

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