MD視点での決算書の読み方  2021-06-16

決算書を読むことでMDの数字面の仕事を鍛えよう㉘

前回の記事では、IR情報に掲載されている客数・客単価を見るときに、MDとして注意すべき点を記事にしていきましたが、今回の記事では、違う視点で客数・客単価の数字に関して記事にしていこうと思います。

決算書を読むことでMDの数字面の仕事を鍛えよう㉗

〇前年の数字だけを見ても本質は見抜けない

IR情報に掲載されている客数・客単価の情報は、MDにとっても有益の情報になるのですが、えてして、対昨年だけの数字を見がちです。ですが、対昨対だけの数字を見ても、その組織の本質を見向けないケースが多いのが事実です。では、IR情報の客数・客単価の数字を分析する場合、どのようなことを意識いたら良いのか?を下記述べますと。

① 既存店でみる
② 過去5年の数字は追う
③ 基準年を設定する

 

基本的な原則はこの3つとなります。

 

① 既存店でみる

そんなことを言われなくても当たり前だろ!と思われる方も多いとは思いますが、改めて述べます。

既存店の定義は?

”出店から1年以上経過し、売上高や人件費、利益などを前年実績と比較できる状態になった店のこと。”

となります。ですから、3年以上過去に遡って数字を調べる場合は、出店から3年以上経過した店だけの数字を拾う。5年以上調べる場合は、出店から5年以上経過した店だけを拾う。このことになります。

 

② 過去5年の数字は追う

売上も含めて、客数・客単価の過去数字を追う際は、過去5年くらいの数字を調べると、その組織の本質が見えやすくなります。ということは?出店して5年以上経過した店だけの数字を拾い分析するということです。3年くらいでも良いのかもしれませんが、個人的には長い期間の数字を追った方が、組織の問題点の気づきや、組織の本質が見えてくる筈と感じています。

 

③ 基準年を設定する

よく、名前の知られた識者やコンサルティングの方々が記事を書く際に、間違えるのがこの部分になります。アパレル関連マスコミやウェブニュースなどを見ていると、昨年対比だけしか見ていない、更に昨年対比の推移しか追っていない場合が多く、このことが問題の本質を見誤る要因となっています。ですので、過去5年分の数字を調べる場合は、5年前の数字を基準年とし、その年に対して各年の数字の推移を追うことで、問題の本質を見抜くという作業をしなければなりません。

 

 

〇ある架空の組織を例に過去5年の数字を考察してみる

ということで、以下私がある架空の組織A・Bの既存店の過去5年の数字(売上・客数・客単価)を、その組織のIR情報で調べた数字を図にしたものです。


上述した組織の売上の昨対をみると、2018年・2019年ともに、Bの組織の方が前年比をクリアしているので、一見すると、Bの組織が称賛されるべきかもしれません。ですが、ここでBの称賛記事を書いたとすれば、マスコミや識者は、数字の見方を誤っている!と言われかねません。

 

そこで、上述した②③の視点を使い、2018年・2019年と続けて調子のよさそうに見えるBの組織は、どこに問題あるのか?実は、Aの組織は喫緊2年前年割れしているが、何か良い兆候はないのか?ということを、次週以降記事にしていきます。

では、皆さん。次回もお楽しみに。

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佐藤 正臣(マサ佐藤)
WRITER

(株)エムズ商品計画オフィシャルサイト】(株)エムズ商品計画代表取締役。大分県大分市出身。リテールMDアドバイザー。繊研新聞社より「数学嫌いでも算数ならできる筈〜算数で極めるMDへの道」出版。大手アパレルからライフスタイルブランド・スーパーマーケットなど、あらゆる分野のマーチャンダイジング改善に従事。仕事依頼は上記弊社ウェブサイトリンクよりお願いします。唯一の趣味は古着収集。

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