EC担当者に求められるスキル

EC担当者に求められるスキル

EC担当者に求められるスキル

企業によってEC担当者がやるべき業務の幅は大きく違っている事が多いです。使える予算によって外注に振れる領域に差もありますし、中にいる担当者の数が大きく違うケースもあります。付け焼き刃でEC担当に据えられている営業マンもいたりと、その在り方は企業によって変わってくるのですが、環境に合わせて最適化するのがディレクターの役割です。

 

ECに関わる業務を簡単にリストアップしてみますと、

<ディレクション>

○要件定義・UI改善
○アクセス解析レポーティング
○課題抽出・改善提案
○アクションプラン作成
○進捗確認

<撮影>
○商品撮影
○シーズンルック撮影
○ニュース・ブログ・特集用画像撮影
○ソーシャル用画像撮影

<原稿>
○商品詳細コメント
○ニュース・ブログ・特集ライティング
○ソーシャルメディアキャプション制作

<採寸>    

<商品アップロード>
○CSV作成とアップロード
○アップロード後のチェック

<カスタマーサポート>

<注文対応>
○注文メール返信
○納品書発行
○商品梱包・発送

<ソーシャルメディア>
○インサイト解析
○毎月のプランニング・アクションプラン
○ユーザーとの日々のコミュニケーション

<クリエイティブ>
○画像レタッチ
○ECサイト内画像・バナー差し替え
○HTMLメール制作
○LP制作
○広告用バナー制作

<その他>
○新
機能の実装
○Web広告運用
○他社モール運用
○販促企画
○物流最適化

ざっくりとこんなところでしょうか。企業によって特殊なケースはあるにせよ、この項目をブランドのEC担当者や企業内の各セクション、外注企業と分担して業務を進めていきます。場合によってはEC支援会社に全て丸投げし、売上に対する料率で契約しているケースも見かけますが、社内にノウハウが溜まっていかないというデメリットはありますね。成長が鈍化してもどうしたらいいかわからないからまた違うEC支援会社を選んで…、の繰り返しになるのでご注意ください。

これらの項目を統括するのがECディレクターの役割ですね。つまり、ECディレクターとはこれらの業務を全て俯瞰して見る必要がありますから、ECサイトの構築から集客・運用に至るまで、幅広い知見が必要になります。

 

ディレクターが育ちにくい環境

全体を指揮するディレクターが一番重要度が高いのは言うまでもないのですが、アパレルECにおいてここが一番不足していると感じます。理由は先述しました通り、EC関連の業務を全て内製化できている企業が少なく、外注に振っている部分に関しては知見が溜まりにくい事、またはそもそも外注にスキル自体が無い場合が多い事が大きな理由でしょうか。

企業の中でEC担当をしていると、任される範囲が小さくなりがちで、全体を俯瞰した際にどこが改善ポイントで、どういう対策をしたらいいかを考える事が出来ない人が多い印象があります。その場合、外注先がサポートできればいいのですが、EC支援会社はアパレル小売業に精通している訳ではありませんので、データは出せても課題抽出や改善提案が甘い場合が非常に多い。こういった事から、全体を俯瞰できるECディレクターが育ちにくい土壌が出来上がってしまっているのです。

ディレクターが育たない事の弊害

全体を指揮する人が育たない場合、どのような事態を引き起こすのでしょうか。よくあるのは、まず制作の段階で高すぎる見積もりが出て来てもジャッジする事が出来ず、無駄な費用を支払ってしまうケースでしょうか。ソーシャルメディアを使った販促についても同様の事が起こっています。

・ECサイトに機能を実装したり、ページを改修したりする際の工数が想像出来ず、高い見積もりが出てきても判断が出来ない。

・インフルエンサーを起用して売上アップを狙うも、その費用が効果に対して適性なのか判断が出来ない。

また、データの解析が出来ない人も多く施策の効果検証が不十分であり、PDCAが回せなかったり…。こういった事態は日々、ECの現場で発生しています。これだけ見てもECディレクターに幅広い知見が必要な事がおわかりかと思います。アパレルECは数字が常に右肩上がりなので、この事態を重く受け止めていない企業も多々あるかと思いますが、無駄なコストをかけながら機会損失まで起こしている事に早く気がついて欲しいと思います。