指名検索の「種類」によって変わるEC運用
前回記事にて、指名検索を購買に結びつける方法を記載しましたが、一口に指名検索と言っても様々なキーワードの組み合わせが存在します。よくあるのは下記のようなものでしょうか。
①「ブランド名 アイテムカテゴリー名」
②「ブランド名 商品名」
③「ブランド名 掲載雑誌名」
④「ブランド名 店舗」
⑤「ブランド名 地域名」
⑥「ブランド名 取り扱い店舗名」
これらの組み合わせによって、取っていく対策もそれぞれ違ってきます。ではそれぞれ見ていきましょう。
「ブランド名 アイテムカテゴリー名」
①はブランド名単体での検索を除くと検索数が一番多いものですね。「ブランド名 Tシャツ」とか「ブランド名 パンツ」とか。こちらに関しては商品ページのディスクリプションや商品コメント、コンテンツ記事にアイテム名を意識的に差し込んでおく事が求められるのですが、それ以外に関連してくるのが「ブランドにとって何がアイコンアイテムなのか?」です。デニムブランドなら「ブランド名 デニム」という風に、アイコンを含めての検索は当然ながら増えるでしょう。ですから、アイコンアイテムがより明確なブランドほど、アイテムカテゴリー名でのキーワードは随所に差し込んでおきたいところ。また、アイコンを認識させる事で、逆にそういった指名検索数を増やす事にも繋がります。普段からアイコンをプッシュする事が指名検索を購買に変えていく事にも繋がりますし、そのアイテムと言えばこのブランド!のような認知が得られるとブランディングとしても効果的なので、常日頃から訴求しておきましょう。
「ブランド名 商品名/掲載雑誌名」
②はもっと絞り込んだ場合、つまりズバリのアイテム名で検索された時ですね。これは下の③とも関連するのですが、メディア掲載された際にこの検索ワードが増えるケースもあるからです。雑誌・Webメディアを見た人は当然ながら、①〜③のような検索行動を起こします。その際にこのワードでしっかり引っかかるようにあらかじめ準備が必要でしょう。①のケースと同様の対策でも良いと言えば良いのですが、万全を期すのであれば雑誌掲載した商品を使っての記事コンテンツを作成しておきましょう。タイトルにも雑誌名を差し込みバナーで訴求する事によって当該ページがヒットしなくとも、トップページからの流入も促進出来るでしょう。また、特集ページはCVに寄与しやすい側面もありますので、記事を経由させて売上アップを狙う、という戦略もあります。
「ブランド名 店舗」
④の場合、狙うべきはECサイト上での注文ではなく店頭送客です。ユーザーは店舗を探して検索行動を起こしているので当然ですね。この場合、店頭送客の確率を高める為に店舗ページをしっかり作りこんでおきましょう。

上記はMM.LAFLEURのストアページですが、店頭で受けれるサービスからレビューまで掲載されています。ここまで情報発信してくれていると店頭を訪れる際に安心感がありますね。ECサイトだけで完結する事ってそんなに多くありませんので、店頭に来られるユーザーの為に何が必要な情報なのかについて想像を巡らす事も重要なポイントなのです。
「ブランド名 地域名/取り扱い店舗名」
似たような要素がこちらの⑤⑥でしょうか。地域名で探されている際に、直営店がその地域に無い事も多いでしょう。その場合、卸先が受け皿になるのでそこにもしっかり送客できるよう、卸先店舗の情報を詳細に記載しておきましょう。筆者の過去から計測しているデータを見ますと地方の場合、自社ECで売れる地域は卸先の店舗がある地域に偏りがあります。ユーザーは卸先で商品を知り、初期は卸先で買うケースが中心でしょうけど、ブランドを好きになるにつれ、フルラインアップ見たくなる、というケースもあるのです。まずは卸先でもいいからブランドを認知してもらう事が大事ですね。
このようにsearch consoleのデータを定期的に閲覧しておけば、対策を打った際に順位やクリック数がどう変化してそれがECサイトにどのような効果を与えているかが確認できますので、ブランド名単体だけではなく、様々な組み合わせの指名検索データも随時チェックしておいてください。