会員数増加を目指すなら特典をしっかり設計しましょう

会員数増加を目指すなら特典をしっかり設計しましょう

会員数増加を目指すなら特典をしっかり設計しましょう

ECサイトの売上アップを狙う際に、担当者が確実にチェックしなければならない「会員数」。お買い物の際に会員登録が必須のサイトもありますし、会員登録してもらえたらブランド側は次回からメルマガ等で様々な通知が可能です。(メルマガを拒否しているユーザーはもいますが)

しかしここで重要になってくるのが会員数だけでなく、そのリピート率。どのEC関連本にも書かれていますが、ECはとにかくリピートが命。それには筆者も同意なのですが、アパレル商材は他の商材と違いリピートをコントロールするのが特に難しい。ビューティー関連のように消耗品であれば、無くなりそうなタイミングで通知しておけば購入率は上がったりもするのですが、アパレルでは新商品が入荷したからと言って昨年の服が無くなった訳ではありません。新商品入荷や記事コンテンツの更新、セール通知など、何かあれば随時連絡し、ユーザーとの接触頻度を上げていく事。そしてブランドの顧客へ育成していく事が最もリピートに繋がっていきます。

 

会員特典ちゃんと設計できてる?

ファッションブランドは自社EC以外にも、ECモールやセレクトショップへ商品を出品するケースが少なくないですが、普段から他社のECでお買い物しているユーザーが、わざわざ面倒くさいユーザー情報を登録し直して自ブランドのECサイトでお買い物をしてくれるでしょうか?同じブランドを購入するのであれば、普段からお買い物しているサイトで購入する方が遥かに楽ですし、クーポンやポイント還元も他社モールの方が充実している可能性が高い。このスイッチングコストを払ってでも自ブランドのECで購入してもらうには、

①ブランドロイヤリティを高め、フルラインを見たいユーザーを増やす
②オフィシャルでしか実現できない特典を用意

 といった対策が浮上します。①は顧客育成が肝なのでブランド全体の戦略になりがちですが、②は簡単に設定が可能です。にも関わらず、意外と抜け落ちているブランドが多く散見されるのです。

 

オフィシャルでしか出来ない施策ですが、例えば

◯会員ランクを設定し、ランクに応じた特典の差別化
◯to C向けに会員限定で展示会を開催し来店客が発注した場合、非売品のノベルティを進呈
◯新シーズンにはカタログを配送

 

などなど様々考える事ができます。こういった特典は他社のECでは実現し辛いものもあり、またプライシングに影響が無い施策なのでどんどんやっていくべきかと思います。しっかりと会員特典ページを作り込んでそこにユーザーを送客したり、商品詳細ページに特典の内容を記載しても良いでしょう。中にはInstagramのハイライトに会員特典を掲載しているブランドもありますね。会員登録のCV(コンバージョン)を見て、鈍いようなら特典の見直しを再検討しましょう。

 

リピート率を高めるには?

会員数を増やすための準備が出来たら次は、冒頭で記載した通り接触頻度をとにかく増やします。新商品入荷や記事コンテンツ更新の際にメルマガを配信し、配信数を増やす事で再訪率を高め、リピーターを増やしていきます。ここでも、ただメルマガ配信するだけではなく、

 「メルマガ=有益な情報」

である事が求められます。ブランドのファンからすると新商品入荷情報は有益な情報になるのですが、ブランドのMD区分によって入荷のタイミングが変わってきます。年間を4分割なのか、それとも8分割なのか。分割すればするほど企画が甘くなったりする弊害もあるのですが、入荷のお知らせを細かく配信する事は可能です。なので、アパレル商材はMD区分によってリピート率が変化しやすかったりもします。

 

具体的なメルマガ運用法

商品入荷やコラボの展開、セール告知以外にメルマガ配信で忘れられがちなのが記事コンテンツ更新のお知らせですね。特集を経由させる事で商品のCVRが上がりますので、メルマガを使ってしっかり運用しましょう。メディアコマースは毎日結構な数の記事を更新しており、日々通知しています。それくらい徹底する事で接触頻度を増やしているのです。

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集英社が運営する「flag shop」では、記事コンテンツの告知はテキストメールで、商品訴求はHTMLメールでと使い分けが見られますね。

 

また、開封率を上げる為にはメルマガのタイトルに注意する必要もあります。セールであればオフ率の表記であったり、目玉商品の紹介。ブランドにとって注目度の高いイベントや商品展開などあれば積極的にタイトルに差し込みましょう。

 

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メルマガで訴求された商品はその後、ブックマークされダイレクトで再訪が繰り返され比較検討される事がよくあるのですが、その場合はGoogleアナリティクスの、

 

行動→サイトコンテンツ→すべてのページ

 

から商品だけを絞り込み、PVと閲覧開始数を確認してみてください。ユーザーが比較検討している商品が推測できますので、再入荷や値引きなどがあればすぐメルマガで訴求してください。

 

一番効果が高いのは「かご落ち」と「再入荷告知」

ここまで運用方法をつらつら書いておきながら非常に申し訳無いのですが、メルマガで最も効果が高いのは「かご落ち」と言われる、カートに商品を入れたが購入に至らなかったユーザーに対しての配信と、再入荷告知の配信です。既に需要が顕在化されているユーザーに再度訴求するのですから効果が高いのも当然なのですが、とりこぼしが無いよう徹底しておきましょう。このような機会損失の回避こそECの真髄と言えるのですから。

 

闇雲に増やした会員に価値は無い

会員数を増やす際の一番の注意点は「闇雲に増やさない事」でしょう。プレゼントキャンペーンやインフルエンサーマーケティングで会員を増やす際によく見られるのですが、キャンペーン拡散役のインフルエンサーの属性を間違えてしまうと、とりあえず登録だけ済ましてキャンペーンに参加し、後々離脱するユーザーが増えやすいです。この場合、せっかく費用をかけて会員を増やしたとしてもリピートに繋がる可能性は低い。あくまで自ブランドが提供するものは何なのか?をコンセプトから紐解きキャンペーンを打ってください。無駄なキャンペーンを打つくらいなら店頭に来店されたお客さんにECの訴求をする方が格段に効果的です。お気をつけあれ。