売価とは?原価とは?粗利益とは?値入とは?②

売価とは?原価とは?粗利益とは?値入とは?②

売価とは?原価とは?粗利益とは?値入とは?②

今回は粗利益と値入の話

前回の連載では、売価とは?原価とは?という話をさせて頂きました。

今回は、皆さんも知りたい?であろう、粗利益と値入の話をしていきます。

では、ここで皆さんに問題です💡

(問題1)
バイヤーAさんが、元売価10,000円のバッグを仕入原価高5,000円で1個仕入れた。(まだ売ってない段階)このときの、元売価10,000円から、仕入原価高5,000円を引いた額の5,000円のことを何といいますか?

答えは、この5,000円のことを値入高と呼びます。

”値入高=元売価ー仕入原価高”
という数式になります。

因みに、このケースでの仕入原価率は?
”5,000円(仕入原価高)÷10,000円(元売価)=50%”

になります。値入率は?
”5,000円(値入高)÷10,000円(元売価)=50%”
になります。

値入率と仕入原価率は、一体の関係で足し算すると、必ず100%になります。
例えば、仕入原価率が30%なら、値入率は70%になるといった具合です。

仕入原価率を下げる。値入率を上げることが、MDの目的ではない?

ここで話は変わり、アパレル・ファッション業界では、よく上司・責任者から、MD・バイヤーに仕入原価率を下げろ!(値入率は上げろ!)という指示が良く出ます。

この指示は、普段マーチャンダイザー(以下MD)・バイヤーの仕事に従事されている方であれば、何故この指示が出るのか?なんとなくは理解出来ているでしょうが、実は明確に答えられない!という人も多くいるように思います。

では、ここで皆さんにまた問題です。

(問題2)
問題1で仕入れたバッグがセールしないで売れた。
10,000円の売価で売れ、その商品の仕入原価が5,000円ですから、5,000円の利益がでます。その利益のことを何というでしょうか?

 

答えは、皆さんお察しの通り、この利益のことが”粗利益”になります。

”粗利益=売上ー売上原価”

という数式になります。

ここで皆さんに注意してほしいのは、商品が売れて粗利益が獲得できると、売れた商品に
かかった仕入原価の名称が、売上原価に名を変えます。(会計学でいう、売上原価は仕入原価のことになる。)
この売上原価は、のちの在庫管理等で最重要な項目の一つとなりますので、皆さんこのことをよく覚えておいてください。

ここで話は戻り、今回の問題のケースでは、セールしないで売れると💡値入高(率)と粗利益高(率)は同じになります。

ということは💡

前述した、上司からでる”仕入原価率を下げろ!(値入率をあげろ!)という指示は、マーチャンダイザーの仕事の目的である、
”品揃え政策という仕事を通じて、組織の売上。そして粗利益をより獲得すること!”に通ずる1つの手段である!

ということがわかります。

ここで、皆さんに注意してほしいのは、仕入原価を下げる。値入を上げる。ということは、MDの仕事の目的ではなく、目的を達するための、一番手っ取り早い手段の一つ!ということを理解してください。。

アパレル・ファッション業界では、よく仕入原価を下げる(値入を上げる)ことを、目的として仕事を行っている人が、多く散見されます。でもその行為は、目的を達するための手段の1つであり、目的とは違いますので、皆さんもこのことは肝に銘じておきましょう。

では、次回は”粗利益”に関することを、もう少し深くかんがえていきます。

では皆様。次回をお楽しみに。