売価とは?原価とは?粗利益とは?値入とは?③

売価とは?原価とは?粗利益とは?値入とは?③

売価とは?原価とは?粗利益とは?値入とは?③

前回の復習を簡単に。

前回の話は、値入。そして粗利益の話でした。

端折って復習すると💡

セールしないで売れれば、値入高(率)と粗利益高(率)は同じになります。
また、仕入した商品が売れると、仕入原価から売上原価と名を変える。

そして、”売上ー売上原価=粗利益”になるということをお伝えしました。

商品がセール価格で売れたら、どうなる??

では、ここでまた皆さんに問題です。

(問題1)
バイヤーAさんが、仕入原価5,000円で仕入れたバッグを、元売価の1万円で売ろうとしたが、売れなかった。そこで、バイヤーAさんは、30%OFFして売ってみたら、売れた。
上記のバッグを30%OFFで売った場合の粗利率は何%になるでしょうか??

 

(答え)
元売価1万円のバッグを30%OFFで売ると、セール売価は?
10,000円×(1-30%(オフ率))=7,000円(セール売価)
この際のバッグの売上原価は、当然のことながら、仕入原価と同じの5,000円になります。
ということは💡
7,000円(セール売価)-5,000円(売上原価)=2,000円の粗利益。
ということになります。では、粗利率は何%になったかというと💡
2,000円(粗利益高)÷7,000円(売上)=28.6%(粗利率)
答えは28.6%です。

 

ここで皆さんに覚えておいてほしいのは、セールや値引き・割引をして商品が売れると、粗利率は下がるということです。

このことは、マーチャンダイジングの数字面の仕事を、精度高く行うために必須のことになります。読者の皆さんは、このことをよく覚えておいてください。

仕入原価率を下げることができても、セール価格でしか売れないようであれば。。。

では、ここで話を変えまして✋

皆さんは、マーチャンダイザーの仕事の目的を覚えていますか?もう一度、ここで復習すると。

“MDの仕事を通じて、多くの人に商品を購入してもらい、売上を上げること。そして、より多くの粗利益を獲得すること。”
だと、お伝えしました。

前回の話でも申しましたように、この業界でよく言われる。

”(仕入)原価率を下げろ!!値入率を上げろ!”

という行為は、マーチャンダイザーの仕事の目的に達するための手段の一つで、このこと自体は、間違ってませんし、店舗が増え、売上数量が増えれば、当然のことながら、仕入先とそのことの交渉をする行為は、当たり前のことです。
しかしながら、マーチャンダイザーの仕事の目的をよく理解せず、仕入原価率を下げることに拘り、またそのことを目的のように振る舞うのは、間違っています。

どれだけ仕入原価率を低く下げたとしても、顧客がその商品に魅力を感じなければ、商品は売れません。

そのことで、大々的なセールをしなければ売れない!となると、上記の問題のように粗利益が下がります。最終的には、マーチャンダイザーの仕事の目的を達成できない!などということは、このアパレル・ファッション業界では、よく見かける光景です。

ですから、ブランド・ショップコンセプトや、顧客から見た”適品””適格””適量”のバランスをよく考えて、商品の仕入原価率を設定する!ということが、マーチャンダイザーにとって重要な仕事だ!ということを皆さん覚えておいてください。

そして、今回問題で出した、粗利率やOFF率の計算ができるようになるということは、マーチャンダイザーの仕事の目的を考えても重要なことです。

で✋次回は、そのことについての問題を何問か出します。是非、皆さんチャレンジしてみてください。

では皆様。次回をお楽しみに。