商品の”付加価値”を考えてみよう!

商品の”付加価値”を考えてみよう!

商品の”付加価値”を考えてみよう!

前回までの記事で、粗利益は会計学でいう”付加価値”とイコールだとお伝えしました。

粗利益高を多く獲得するには?”付加価値”を如何にして高めることが重要か。ということを考えてきました。

そこで、今回は商品そのもののもつ”付加価値”とは一体何か?ということを、私の独断と偏見で考えてみたいと思います。

商品がもつ付加価値を独断と偏見で考えてみる。

私の友人である、ライターの南充浩さんは、以前このような記事を書いていました。

洋服の価値と価格がわかりにくい理由

その中で以下のように述べています。

(商品の)売り方一つ、見せ方一つで売れたり売れなかったりする辺りが、洋服の面白さであり不安定さでもあるのではないかと思う。

この考え方には、私も同調しますし、生地が高ければ=良い商品。ということではないですし、見せ方・売り方次第で商品の付加価値が高められるのも、ファッションの一つの醍醐味です。

トレンドもデザインの良し悪しも付加価値

アパレル・ファッション小売業界の商品でいう付加価値。と言ってすぐに思い出すのは、デザインやトレンドに見合った商品。このことがよく言われます。よって、著名なデザイナーの商品が注目されたり、トレンドの分析を各企業が行っているのは、そういう理由からなのでしょう。

しかも著名なデザイナーの場合は、その知名度だけでも十分な付加価値となりえます。だからこそ、商品が高くても、その価値に顧客は魅力を感じ高い商品でもかってくれるわけです。

しかしながら、この付加価値も20年以上前に比べると、その席は少なくなり難しい時代になったのは、間違いありません。

服のデザインよりも、愛されるロゴデザインの付加価値になりうる?

上述した所謂。皆さんがすぐに思いつく付加価値以外にも、”伝統・歴史”というものは、一つの”付加価値”になりえるものです。

例えば、80年以上の歴史をもつ、ワニのロゴで有名なラコステは、この業界の人ならば、知らない人はいないでしょう。中でも、ポロシャツは定番商品として、長く顧客に愛されていますし、昔のフレラコと呼ばれる、フランス製のポロなどは、私の好きな古着業界では高く売られています。

しかしながら、ラコステのワニのロゴをとって、UNIQLOの店頭に並べて売ったら、その商品は、おそらくUNIQLOのポロシャツの値段で出しても、売れることはないでしょう。(笑)

ですが、そこにワニのロゴがつくだけで商品としての”付加価値”が産まれ、1万越えの上代にしても、買ってくれる顧客がいる!ということです。

前の記事でお伝えした、粗利率が76%以上のモンクレールも同じことが言えます。私がモンクレールを最初に買ったのは、20年以上前のことです。その当時は5万前後で売られていましたが、今はその倍以上の値段がします。モンクレールのダウンはエベレスト登頂用に使われたダウンとして、当時有名でしたが、今では、ラグジュアリーブランドの仲間入りです。

これも、昔からあったロゴをうまく活用し、プロモーション・イメージ戦略を高め、そのロゴに付加価値を持たせたことが大成功した要因となったのではないでしょうか。

一番、顧客が付加価値を感じるのは、ショップ・ブランドロゴだったりする。

ここで皆さんによく考えてもらいたいのが、この業界では自分たちが所属する、企業・ショップ・ブランド等のロゴを恥ずかしがる傾向にあります。ですが、よく考えてみてください。

顧客の立場で言えば、商品をよく購入する好きなブランド・ショップのロゴを恥ずかしがることが、あるでしょうか?

おそらくそのようなことはないでしょう。事実、私も現役のMD時代。ショップロゴを配したプリントTやバッグが結局、一番売れる!という経験を良くしました。
ある意味、商品のデザインに力を入れ、そちらにお金をかけるよりも、ショップ・ブランドのロゴデザインにお金をかけた方が、商品の付加価値が高まる可能性がある!ということです。

デザインやトレンドを常に考えることもこの業界には、必要なことかもしれませんが、もっと違う視点で単純なことを考える!ということも、商品を”付加価値”を高めることには、必要なことです。

今回の記事をきっかけに、この業界の皆さん方が、商品の付加価値を考えるきっかけになれば幸いです。次回は、MD基礎数字のもう一つの基礎。売上・粗利・仕入・在庫を連動して考える!というシリーズに突入します。

では、皆さん。次回もお楽しみに(@^^)/~~~