売上・仕入・在庫を連動して考えよう①

売上・仕入・在庫を連動して考えよう①

売上・仕入・在庫を連動して考えよう①

今まで在庫のことは語ってこなかった。。。

これまでの連載では、MDの数値管理の基本のこと。売価・原価・粗利益・値入のことについてを記載してきました。また、粗利益を深く考えることで、今後の商品の品揃えのヒントになることが、皆さんそれぞれが深く考えることで、少しでも顧客に喜ばれる商品とは?何か?について語ってきました。

ですが、今まで論じてきたことに実は、在庫のことが殆ど語られていません。
そこで今回からは、MDの数値管理に関する基本のもう一つのことをかたっていきたいと思います。
 

問題を解いてみよう!

では、皆さんに簡単な問題を出します。
 

問題
*あるMD経験者のAさんが、1か月間バッグ屋のポップアップショップをオープンしました。
営業前に用意したバッグの数は1,000点。営業中に入荷してきたバッグが500点。1か月間で売れたバッグ点数は1,300個。1か月営業終了後のバッグの点数は何点あるでしょうか

 
皆さん。この難問(笑)がすぐに解けましたでしょうか?
正解は、皆さんもおわかりの通り、以下のようになります。
 

→(1,000+500)―1,300=200

 
このことは、実は以前。小売業におけるロスの考え方をお伝えした際に、出てきています。このことを、もう少しわかりやすく解説すると、オープン前の在庫。バッグ1,000個のことを、小売業では、期首在庫という言い方をします。

また、1か月に入荷したバッグ500個のことは仕入。そして売れたバッグ点数1,300点は、当然のことながら売上。そして、営業終了後のバッグ200点のことは期末在庫。というような表現をします。

OTBのロジックとは?

上記の問題で、皆さんに計算していただいたことは、実は以下のような計算を皆さんが自然としていた!ということになります。
 

(期首在庫+(期間)仕入)-(期間)売上=期末在庫

 
要は、このことを在庫管理に用いよう!ということです。このことを、一般的にはOTBのロジック!と言います。OTBとは?Open To Buyの略語になります。

Open To Buyを直訳すると、

”買うためにあける!”

買うためにあけるとは、皆さんもおわかりの通り、商品を仕入するためには、仕入枠を開けなければならない!ということになります。
 
小売業界では、仕入をする人を“バイヤー”という風に呼びます。要は、バイヤーが仕入した商品が、顧客に購入され、商品がお金に変わる!

そうすることで、初めて次にバイイングする商品の資金が得られるということです。

バイヤーは優秀なセーラーでなければならない!

アパレル・ファッション小売業界のバイヤーは、ややもすると”先進的な商品をバイイング”することが目的となり、そのことだけで満足している人が多くいるように思えます。そうした商品は結果。ファミリーセールやアウトレットで叩き売られ、粗利益を獲得することができない!ということに繋がります。
 
バイヤーは、名前の通り”商品を仕入する!”だけではなく、その商品を売ることができないと優秀なバイヤーとは言えません。バイヤーであると同時に、セーラー(Seller)でなければ、意味のないと存在であるといえます。
 
話を基に戻し、ファミリーセールやアウトレットでも売れない商品は、会計学でいうと、バランスシートの資産の部に入ることになります。商品が売れず、在庫が増えると、商品がお金に変わらないので、当然ですが、企業・組織の現金が減少します。そして、商品移動費・保管費等の物流費もかさみ、組織にとっては”百害あって一利なし”の存在ともなりえます。
 
そのような状態にならないようにするには、売れる商品だけを考えればいい!というわけにはいかず、適切な売上・粗利・仕入・在庫の管理が重要になってきます。
 
そこで、前出のような考え方が必要となってくる!ということです。

次回、今回の記事で触れた、OTBのロジックに関することを、より深く説明していきます。

では、皆さん。次回もお楽しみに(@^^)/~~