売上・仕入・在庫を連動して考えよう②

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OTBのロジックの基本式とは?

前回の記事では、バッグ屋さんを例にOTB(open to buy)の話をしていきました。前回の記事でのバッグ屋さんの例で使った数式は以下のようになります。

(期首在庫+(期間)仕入)-(期間)売上=期末在庫

前回はこの数式のことを、OTBのロジックである。皆さんにお伝えしましたが、OTBのロジックの基本数式は以下のようになります。(あわせて下記の図もご覧くださいm(__)m)

期首在庫+(期間)仕入=(期間)売上+期末在庫

上記のようになります。

例えば1年という期間で、期首在庫と1年での仕入を足した数字と、1年での売上と期末在庫を足した数字は、必ず同じになる!という単純なロジックです。要は、このロジックをMDにおける数字管理に用いよう!という話になります。

ごまかしのきかないのは点数管理?

ここで、少し話を変えます。今回バッグ屋さんの例をみてもわかるように、数字は金額ではなく、点数を用いています。実を言いいますと、これには理由があります。皆さん。何故、敢えて点数でOTBのロジックを説明しているか?わかりますか?

一つには、点数の方が皆さんにとっては、わかりやすいだろう!という点もあります。ですが、他にも理由はあります。それは??

*MDにおける数字管理の基本は?
→見た目と数字が一致であることが理想だから。

ということです。点数管理は見た目の数と数字のイメージが必ず一致するものになります。そして、点数は誤魔化すことのできない数字になります。

この業界では、MDの数字管理で、独自のガラパゴスルールで、誤魔化すことのできる数字管理をしている組織が多々見られます。しかしながら、点数というものは、どんなインチキしようとしても、商品を廃棄しない限りは誤魔化すことのできないものです。

今後、この連載で登場する”在庫回転率”も実は、点数で計算することが一番実態と近い数値が出てきます。

ですが、これまで売上金額や粗利益高が大事だあ!!と言いながら、点数管理だけでは、金額的なことはわかりません。では、どのようにこのことを考えたらいいのでしょうか?

在庫は売価・原価。どちらで管理することがベター?

アパレル・ファッション小売業界における、在庫管理に用いられる数字は、売価(上代)か原価(下代)のところが大半でしょう?では、売価管理?在庫管理?どちらで在庫を管理するのがベターのなのでしょうか?

これは、上述の考え方。
*MDにおける数字管理の基本は?
→見た目と数字が一致であることが理想。

という考え方に沿っていえば✋
当然のことですが、原価管理がベターということになります。

売価管理の弊害は、商品の価格を変更すれば、在庫の価格も変更しなければならない!ということになります。すると、ある商品は1万点あって、売価1,000円だとすれば、在庫金額は1千万円になります。

しかしながら、その商品をすべて価格変更して、90%オフの100円にすれば、見た目は1万点もの商品がありますが、在庫金額は100万円に減るということになり、上記の考え方に沿わなくなります。

また、価格変更し売価を下げれば、見せかけの数字上は在庫は少なく見えるよね!というインチキ?が可能になります。

ということは💡価格変更の影響を受けない、原価で管理する方がベターということになります。

(因みに、原価も低価法とという法律に基づき、その商品の原価を下げる。つまり商品そのものの評価を下げる。評価減損という処理で原価を変更はできます。)

問題を解いてみよう!

MDにおける在庫管理に用いる金額が、原価の方がベターだということが、皆さんに理解してもらえたところで、以下問題です。

*あるMD経験者のAさんが、1か月間、バッグ屋のポップアップショップをオープンしました。営業前に用意したバッグの在庫原価は500万円。1か月の売上原価は650万円。閉店後棚卸をしてみたら、バッグの在庫原価は100万円ありました。
→1か月で仕入れた、バッグの仕入原価金額はいくらになりますか?

この問題を、OTBのロジックを使って解いてみましょう。

次回は、そのことを詳しく解説していきます。

では、皆さん。次回もお楽しみ。