業績が優れている組織は管理会計のどのような部分を意識しているのか?
前回の記事では、管理会計(管理会計帳票)の重要性を述べてきました。
そして、業績が優れている組織は、管理会計(管理会計帳票)が優れている!ということを申しました。
では、業績が優れている組織は、管理会計でどのようなことを意識しているのか?
というと?
①先を読むための管理会計
②企業文化と指標を一気通貫で考えることのできる帳票にすること。
この2つになります。
先を読むための管理会計とは?
まずは、①の先を読むための管理会計について考えてみましょう。
アパレル・ファッション小売業界に限らず、小売業界では毎週月曜日などに、先週の実績を受けて会議やミーティング等が行われている筈です。
しかしながら、その会議やMTは過去の反省と言い訳?ばかりに終始し、現実、達成不可能な根拠のない目標を掲げる、空想論や根性論を語っているばかりの場になっていないでしょうか?
そもそもの会議を行う目的は?
過去の結果は変えられないが、結果を受けて、この先を少しでもよくする、ベターな案を創出・決定・実践に移すことを決めることです。
ということは💡
会議の内容は、過去に比重を置くものではなく、先の未来のことに比重を置かねばなりません。
そして、その先のことを管理会計帳票を基に、先の施策次第では、数字がこういう風に変わる。そして、その数字目標自体も根拠のあるものとして表現できるものではないとダメだ!ということです。
業績が優れた組織は、過去の反省に終始するのではなく、先にどのような施策をして、良い方向に変えていくか?という議論に比重を置くための管理会計帳票の使い方をしています。
企業文化と指標を一気通貫で考えることのできる帳票とは?
次は②の、企業文化と指標を一気通貫で考えることのできる帳票にすること。について考えてみましょう。
まず、アパレル・ファッション小売業界における企業文化とは?それぞれに違う筈です。
この場合の企業文化は、最初に決めたブランド・ショップコンセプトから見える顧客ターゲットを基準とすると良いでしょう。
とくにMDにおける管理会計帳票には、顧客ターゲットの購買動向・心理が反映できるものにすると良いと思います。(このことは、のちの連載で詳しく述べたいと思います。)
次は、一気通貫について考えてみます。
えてして、アパレル・ファッション小売業界は、売上しか見ない!。都度都度しか在庫を見ない!ということが横行している業界です。
しかしながら、そのような点・点での数字の見方しかできないような、管理会計帳票を採用している組織の業績は、昨今厳しいとみて間違いないでしょう。
また、逆に必要のない指標をたくさん採用していて、帳票がバカみたいに多い組織も、この業界には多くあります。そのような組織は、会議MT資料の製作に時間をとられ、MDでいう”適品”を産み出す時間が少なくなります。このような組織の業績も、今後厳しくなると言わざる得ないでしょう。
数値指標は、その組織・部署にとって必要不可欠なものを絞り込む!ということをする!ということも、実は管理会計帳票を正しく使用するには、重要なことなのです。
更に言えば、目標値(予算値)とのズレが一目で理解できるものにすることも、一気通貫でものが見られるようにするには、大切なことです。
では、MDにおいて上記の条件を満たす管理会計帳票はに何なのか?ということを次回はお話し致します。
では、皆さん。次回もお楽しみに。