在庫回転率とは?
前回の記事では、管理会計帳票の重要性について語りました。
その中で、在庫回転率のことに触れましたが、このことは実は理解できているようで理解できていない方も多くいらっしゃると思いますので、今回は在庫回転率のことを、できるだけ嚙み砕いて説明していきます。
在庫回転率の計算式は?
在庫回転率の数式を以下簡単に記しますと。。。
在庫回転率=(期間)売上÷(期間)平均在庫
という具合になります。
基本はこの数式に原価を当てはめることが一般的です。
在庫回転率=(期間)売上原価÷(期間)平均在庫原価
ですが以前、この連載でMDにおける数値管理は”ごまかしのきかないルールにする!”ということをお伝えしましたが、中でも点数管理は、見た目と数字(点数)が必ず一致するものである!ということもお伝えしました。
ということは💡上記の在庫回転率の数式も、点数が一番その組織の実情に近い数字が出てくる!ということになります。
上記の数式に点数を当て込んで考えると、在庫回転率を上げるには?
① 売上点数を上げる
② 平均在庫数を少なくする
この2点を意識するとよいでしょう。①の売上数を上げる!ということを考えると💡MDがとることのできる施策は、以下の2つになります。
A 大ヒット商品を産み出す(適品の精度を上げる)
B 価格を下げ買いやすい価格にして売る(セール施策)
この2点が考えられます。
前回の記事に照らして考えると、セール施策で売上点数が増え、在庫回転率はよくなった!が、セールしてうることで粗利率が下がった。
また、違う見方をすると、粗利率が高い組織は、売上点数が少なく在庫が多く残っている可能性がある?という見方もできる!ということです。
前回の記事の交差比率(粗利率×在庫回転率)の考え方に沿っていえば、粗利率を上げる!ということと、在庫回転率を上げる!ということは、相容れないケースも上記のようにある!ということです。
在庫回転日数とは?
話を戻し、在庫回転率を在庫回転日数という指標で表す場合は、以下のような計算式になります。
365日÷在庫回転率=在庫回転日数
例えば、年間の平均在庫原価が300万。売上原価が1,500万円の組織の在庫回転率は?
1,500万÷300万=5(在庫回転率)
5という数字が、年間での在庫回転率ということになりますが、これを在庫回転日数で表すと?
365日÷5(在庫回転率)=73日(在庫回転日数)
ということになります。
これは、平均在庫原価の300万円が、約73日にお金に変わっていく!ということになります。
ということは💡在庫回転率が上がるほど、組織の商品がお金に変わっていく期間が短くなり、組織のキャッシュフローがよくなる!ということに繋がります。
経営的な考えに沿っていうと、”利益は意見””キャッシュは事実!”という考え方があります。
このことを簡単にいうと、キャッシュ(お金)が手元に多くあれば、組織はつぶれることはない!という考え方でもあるわけです。事実、利益は出ていても、お金が手元に多くなければ、”黒字倒産”する組織もあります。
ということは💡在庫回転を改善することで、商品がお金に変わる期間を速めることで、組織のキャッシュフローは改善され、手元に多くお金を残す!ということにも繋がる!というわけです。
今回の記事を機に、読者の皆さんも在庫回転というものに、興味をもってもらえれば幸いです。次回は、いよいよ売上・粗利・仕入・在庫を一気通貫で考えよう!という項目に入ります。
では、皆さん。次回もお楽しみ!