売上・仕入・在庫に粗利益を加えて考えてみよう②

売上・仕入・在庫に粗利益を加えて考えてみよう②

売上・仕入・在庫に粗利益を加えて考えてみよう②

前回の記事で問題を出しました

前回の記事で、問題を2問出しました。問題は以下になります。

★ あるショップの数字は…?
1 商品の仕入原価率は50%
(値入率は50%)
2 11月の期首在庫原価500万円
売上1,000万円。粗利率50%
1か月の仕入原価700万円。
3 12月の売上1,000万円。粗利率40%
1か月の仕入原価1,000万円。

問題1の答え

まずは、問題1の解答です。
問題1は以下の通りです。

(問題1)
今回のケースの場合は、値入率は50%ですから、11月はセールしないで売れたということになります。12月は粗利率が40%になっています。OFF率は何%になるでしょうか?

→この問題は、単純に値入率50%のある商品が、粗利率40%で売れた。OFF率は何%になったの?と問題を置き換えて考えることができます。要は、単純なOFF率算出の問題です。今回はある商品を1,000円の元売価の商品として考えます。

1,000円の元売価の商品で値入率50%ということは?値入高500円です。ということは仕入原価は500円になります。粗利率40%で売れた!ということは💡セールしないで売れれば、粗利率は値入率と同じ50%になりますから、当然セールして売れている!ということになります。

同じ商品を値下げして売ったということは売上原価は、500円になります。

また、粗利率40%ということは💡売上原価率は60%になりますから、これでいくらで売れたか?ということがわかります。

500円(売上原価高)÷60%(売上原価率)=833円(売上高)
1,000円(元売価)-833円(売上高)=167円(OFF高)
167円(OFF高)÷1,000円(元売価)=16.7%(OFF率)

正解は16.7%です。

このような問題1の考え方をMDはどのようなケースで考えるのか?というと✋
この先ある程度の粗利高は確保したい!そして、喫緊の売上・粗利・在庫を鑑みながら、最低でも粗利率40%は確保しながら、売上・在庫をコントロールすることがベターな数字であるということが導きだされた際に、闇雲にセール施策を考えるのではなく、このことをベースに商品全体のOFF率の目安としての数字を捉えることがMDには求められます。

その際に、即時にこのような計算ができるようにならなければなりません。

問題2の答え

次は、問題2の解答です。問題2は以下のようになります。

(問題2)
前頁の問題は、11月・12月の売上は同じです。仮に全部同じ商品で元売価1点が5,000円だった場合、11月は2,000点商品が売れたことになります。12月は何点売れたことになるでしょうか?

→この問題は、普通に考えてみると✋

5,000円(元売価)÷((100%-16.7%(OFF率))=4,165円(セール売価)
1,000万円(12月の売上)÷4,165円(セール売価)=2,400点(売上点数)

このようにしても求められますが、もっと簡単に答えを求める方法があります。
上記のOTB表を確認ください。

12月の売上原価は600万円。11月の売上原価は500万円になります。以前の記事でも記載したように、商品の原価は基本的には、変動することがありません。ある意味、全く数字が誤魔化せない数量と同等とみなすことができます。ということは💡

600万円(12月の売上原価)÷500万円(11月の売上原価)=1.2
2,000点(11月の売上点数)×1.2=2,400点(12月の売上点数)

このように導きだすこともできる!ということです。

次回は、今回の問題から見える、MDとして数字管理する際に意識すべきことを、このシリーズのまとめを記載します。

皆さん。次回もお楽しみに。