”適所”とは?
前回は”適品”についてのお話をさせて頂きました。
今回は、”適所”と、”適時”のお話をさせて頂きます。
では、またおにぎり🍙屋さんをショップコンセプトを以下記載します。
・誰に→20~40歳台のOLさんに向けて。
・何を→OLさんが喜びそうな、安くておいしい出来立ておにぎり🍙と、おにぎりに合うサイドメニューを用意する。
・何のために→少しでも、一生懸命働く、OLさんの役に立ちたい。
・どうなってもらいたい→OLさんの仕事の活力源となってもらうために。
・営業時間→11:00~14:00 17:00~20:00
・場所→OLが多く集まる場所。
先ずは、”適所”についてです。これは、アパレル・ファッション業界のことで言えば、VMD(ヴィジュアル・マーチャンダイジング)のことになるでしょうか?VMDのことは、VMDの専門の方が書いた文章や本を読んでください。そちらの方がよく理解出来る筈です。(笑)
但し、今回のおにぎり🍙屋さんのケースで言うと、OLさんのよく集まる場所に出店を決めています。このことは、実はとても重要なことです。
例えば、オッサンが買う紳士服店が多い売場で、若い女子が好きそうな✨店を出店しても、おそらくその売場の紳士服の店のスタッフが、その女子の店の女性スタッフをチェックするだけ。。。で、そのショップに若い女性は来ない→売れない!ということになります。
ですから、出店する際には、自分たちのブランド・ショップの適した場所であるのか?ということを、しっかりと考えましょう。
(このことは、経営陣や事業責任者の仕事になりますが。)
”適時”とは?
では、次は”適時”についてです。
今回のおにぎり🍙屋さんの例で言えば、営業時間が昼の部と夜の部と別れています。当然、時間帯によっても、OLさんが食べたいものが変わってくるかも?しれません。
・昼と夜のおにぎり🍙の大きさを変えてみる?→がっつり食べるのは?昼・夜?
・昼と夜で具の内容も変えてみる。昼は軽めで夜はがっつり?
・サイドメニューは夜は、お酒のつまみになりそうなものにする?
等色んなことが考えられます。
あとは季節によっても、体の調子。食べたいものは変わるので。
・夏は、キンキンに冷えたおにぎりを提供する?
・冬のサイドメニューは、暖かい味噌汁の種類を増やす?
・夏は食欲が減退するので、大きさは小さめでも栄養価の高い季節限定メニューを考える?
等他にも色んなことが考えられると思います。
このことをアパレル・ファッション業界で考えたらどうでしょう?
例えば、価格の高いブランド・ショップなどは、7月に冬のコートを売るなんて、光景もよく見かけますが、このことがコンセプトの顧客ターゲットと合致すれば、それはそれで正解です。
どのタイミングで、どの商品を投入するのか?ということは、ブランド・ショップのコンセプトに沿っていれば、全く問題はありません。
”適時”はもう古い??
しかしながら、昨今アパレル・ファッション業界の組織は、よく以下のような文言を決算書やWEBサイト等で書いています。
”〇〇四半期は、暖冬の影響でアウターが売れず、在庫処分を余儀なくされ、利益の減少につながった。。。”
こんなことが書いてます。それも季節や文言を変え毎回です(笑)
適時というのは、その気温によって大きく影響されます。
”暑くなれば、Tシャツが必要。寒くなれば、アウターやマフラーが必要”このことです。とくに、ファッションにたいして興味のないマスの方々は、この傾向が顕著ですし、結構な服好きでもこの傾向になってきています。
実はこのことを、学生に講義したときに、ある学生は、
”先生。だったら”適時”より”適温”と言った方がよくねえすか??”
と言いました。私自身も、寧ろそのことの方が現在では正しいのでは?思っています。
だからこそ、アパレル・ファッション業界も、既定路線の商品投入(殆どの組織が毎回同じ投入タイミング)を見直し、もっと”適温”を意識して、そのことを実行することが求められているのではないでしょうか?
次回は、”適量”?の話を、”適時”と結びつけながら、わかりやすく説明していきます。
では皆様。次回をお楽しみに。