売上・粗利・仕入・在庫表を活用してみよう!③

売上・粗利・仕入・在庫表を活用してみよう!③

売上・粗利・仕入・在庫表を活用してみよう!③

前回のおさらい

前回の記事は、私が用意したシチュエーションに対して、5月以降(5月から8月)の売上の予測をしてみよう!ということでした。

私が用意したシチュエーションは下記になります。 

1. 現在は4月30日。3月・4月(事実上確定しているとする)は確定の数字
2. 5・6月は仕入予算通り商品は発注済み
3. これから7月の商品発注を行うところ。LTは2か月。商品店頭着日は7月1日。
4. 3月・4月の売上予算比は両月ともほぼ90%程度で推移

そして、売上・粗利・仕入・在庫表(以下OTB表)で上記のことを表現すると以下のようになります。

希望的観測で先の売上予測をしてはいけない?

では、皆様方5月以降の売上予測はどのように入れましたか??

はっきりいって、このことに答えはありません。しかし、私が長年携わってきたアパレル・ファッション小売業界あるある!を今から言いますと、今回のシチュエーションは売上予算比が90%で推移しています。この状況を鑑みると、この組織の状況は決してよくありません。

しかしながら、このような状況のときに、多くのMDが、この先の状況は良くなるはず!という希望的観測。いや、こうなってほしい!という願望を数字に反映してしまいます。

このシチュエーションで言えば、先の売上予測を予算比100%以上の数字で予測してしまう!ということです。

今回のシチュエーションの場合は、先の5・6月の仕入金額は予算通りに確定しており、これから7月の仕入金額を決める!ということです。

ですが、このような希望的観測的思考な売上予測を入力すれば、この先どうなる?ということは、この読者の皆様なら、なんとなく想像はつくでしょう。

自分の間違いや非に”早く気づき、すぐに修正することができる”MDが優秀

多くの、アパレル・ファッション小売業界は、年2回~4回の商品ディレクションを行っています。

そして、発注してから商品が店頭に入荷してくる期間である、リードタイムも長い組織が多いのが現状です。

このことを前提に考えると、今回のシチュエーションの5・6月仕入確定商品は、おそらく売上予算比90%を超えるような商品がラインナップされている!とは、考えにくいといえます。

そのことを無視して、希望的観測で、5月以降の売上予測を予算比100%で予測する!というのは、組織の状況を益々危機に陥らせることにも繋がりかねません。

もし、そのような売上予測をしたいのであれば、先の商品にビッグヒット商品がある!ということを商品と数字という根拠をもって、周囲に説明しなければなりません。ですが、これは余程のことがなければ、難しいでしょう。 

私が考える優秀なMDは、自分の間違いや非に”早く気づき、すぐに修正することができる”MDが優秀であると考えています。間違いや非に気づくスピードが遅いMDほど、組織に損害を与えることになります。

今回のシチュエーションで言えば、売上予算比90%程度しか推移していないのですから。。。

5月以降の売上予測と、考えるべきです。も、売上予算比90%程度で推移する

ということで💡以下の図の売上の実績・見込みの欄に、5月以降の売上予測をだいたい90%程度で数字を入れたのが以下の図になります。

売上予測を入れ終わりましたので、次回は粗利益をどう考えるか?ということを、説明していきたいと思います。

今回、ここで終わりです。次回もお楽しみに。