商品分析について考えてみよう④

商品分析について考えてみよう④

商品分析について考えてみよう④

前回の記事の振り返り

前回の記事から、日・週・月等で使用されていると思われる、ベストセラーレポートのような、商品の売れ筋を見極める帳票の件についてお話させていただいています。

以下が私が手作りで作成した帳票になります。

そして、この表の特徴は、大まかに以下のようなことで構成されています。

① 売上・粗利・在庫の部から構成されています。
② 売上・在庫は金額や点数だけでなく、構成比も記載されています。
③ Excel資料として抽出しています。(Excelを使用する必要のない最先端な組織もあるとは思いますが。)
④ 在庫消化日数が記載されています。

前回の記事では、①の部分まで触れさせていただきました。今回からは、②の部分になります。

売上は金額以外にもみるべきとことがある?

今回は、②以降の項目について話をしていきます。

日常、皆様方の大多数の方が、日々・週・月の売上を気にしながら日々の仕事に従事していることだと思います。

ということは💡上記のようなランキング形式のような帳票をご覧になる際は、売上金額が一番気になるといったところでしょうか?
無論、私もこのことが一番気になるところですし、売上金額順にランキングする!ということは、間違いではありません。何故ならば、

どの商品がどれだけ売上に貢献している!

ということが一番気になるところだからです。

売上構成比を見る重要性

今回のこの帳票では、単品での売上構成比というものも記載しています。

しかしながら、カテゴリー単位での売上構成比は気にしていても、単品での売上構成比を気にされている方は、私の経験上、意外に少ないように思います。

では、単品での売上ランキングを見る際に、何故売上金額のみならず、売上構成比を気にしなければならないのか?と言いますと。。。

売上構成比は、そのブランド・ショップの癖を表現しているものの一つとなるからです。

例えば、皆様方のショップ・ブランドは、売上金額ベスト10。もしくはベスト20でどのくらいの売上構成比になっているか知っていますか?

当然のことながら、ショップによっては、売上金額ベスト10での売上構成比が10%未満だったり、40%以上あったり!と千差万別な筈です。

売上上位10でも20でも良いのですが、自組織のこの売上上位商品でどのくらいの売上構成比が、あることがベターなのか?という癖を掴むことが重要です。

売上上位の売上構成比が通常よりも良くないと、店頭は困る?

私が今まで関わった数多くの企業が、売上が不調になった場合。

好調時に比べると、この売上金額ベスト10・20等の売上金額上位の売上構成比が、下がっている組織が殆ど(すべてと言っていいが。)でした。

このことで実際の現場では、どんなことが起こっているのか?ということを考えてみると。

売上不調時には、ショップ・ブランドの売上を牽引するような商品が少なくなった。

つまり、売れ筋商品があまり存在しなくなった場合、このような現象が起きます。

しかしながら、現場から足が遠ざかったMD・バイヤーは、このことを見抜けず、寧ろ逆に商品の品揃え数を多くし、売上を稼ごう!という愚策をとる方を、今まで私は多くみてきました。

すると、そのことは寧ろ逆効果となり売上がもっと下がり、在庫ばかりが増えていくはずです。再び、現場(店頭)で何が起こっているのか?ということを想像してみると、商品の品番数が増え、レイアウト変更やストック整理等の作業に翻弄され、販売員を疲弊させるような仕事が増えている筈です。

また、売れ筋商品が店頭。顧客にとって必要な期間が存在しないのですから、店頭のVPの部分に見せたい商品を見せることができず、変更ばかりを余儀なくされ、店自体の入店数そのものが減少する!といったことも考えられます。

私自身も経験したことですし、私のクライアント様にも起こった現象ですが、売上が劇的に回復する。伸びるときには、大ヒット商品が存在します。そして、その大ヒット商品の売上構成比は、あるカテゴリー(中分類)よりも、売上構成比が高いときがあります。

たった一つの商品が、そのショップ・ブランドの局面を大きく変える!

ということは、現実に起こりうるのです。

私が述べた大ヒット商品の例は、極端な例かもしれませんが。。。

この連載をご覧になっている読者の皆様も、一度自身の組織の、単品での売上構成比というものを気にしてみてください。

不調時と好調時でどのくらい差があるのか?

そして、好調時のような数字に戻すには、MD・バイヤーとしてどんな施策をとったらいいのか?この記事が、そのきっかけになれば幸いです。

次回、引き続き②以降の話をしていきます。

では、皆さん。次回もお楽しみに。