”適量”とは?
前回は"適時”の話でした。アパレル・ファッション業界は、”適時”というよりは、”適温”の方がよくね??というオチでした。(笑)
今回は、”適量”のお話をさせて頂きます。
では、おにぎり🍙屋さんで、”適量”を考える?とは、どういうことなのか?皆さんも一緒に考えてみましょう。
・おにぎり🍙の具で一番人気は?(OLさんの好みの分析)
・品揃えが決まったら、各それぞれの商品をどのくらいの数量を準備すべき?(数量の算出)
・商品が余らないようにするためには?どのくらいの材料がいる?(ロスの削減)
のようなことが考えられるでしょうか?
おにぎり🍙屋さんの場合、食品であることから1日分の適量を考えれば良い。ということになります。そのことをもう少し具体的に言うと。
”店の昼の売上予算が5万円。おにぎりの売上構成は日々のデータ分析から70%。
そのうち、具が明太子が一番人気と予測され、おにぎりの売上7%を占める。
明太子おにぎり🍙の価格は110円。
すると。昼の営業で用意する明太子のおにぎりの材料は?
(5万円×70%)×7%=2,450円→2,450÷110円≒22個”
という数字が導き出され、用意する材料は22個分で良いということになります。
おにぎり🍙屋さんは、その特徴を考えると、日々のデータ分析をすぐに実行に移しやすく、よっぽどのヘマさえしなければ、”適量”を間違うということは、ほぼありません。
なぜアパレル・ファッション業界では”適量”が実践できないのか?
しかしながら、アパレル・ファッション業界の現状を考えるとどうでしょう?
報道でも、アパレル業界の在庫問題がクローズアップされ、売場をみても、その在庫の多さから、日々セールをしているところも多くあります。それは、何故なのでしょう?
当然、一番の問題は商品そのものが、”適品”でなく、顧客の欲しい商品でないことが問題です。また、他にもミニマム問題等アパレル特有の問題が多くあります。
但し、今回の”適量”の話でいうと、違う側面も見えてきます。もう一度、おにぎり🍙屋さんの例を思い出してください。
”おにぎり🍙屋さんの場合、食品であることから1日分の適量を考えれば良い。”
と言う風に、最初から期限が区切られています。
これは、アパレル・ファッション業界で言えば、販売期限・期間が区切られていることと一緒です。
”適時”と”適量”を密接に結び付けて考える
ここで、大事になるのが前回お伝えした”適時”です。
アパレル・ファッション業界では、どの時期にどんな商品を店頭に投入するか?ということは、各MD・バイヤーは頭を悩まし、一所懸命に考えます。とくに、納期コントロールは、MDの重要な仕事の一つです。
しかしながら、また同時に、いつまで売るのか?という期限の設定を曖昧・適当にしてある組織が多いのが現状であり、そのことが在庫が残る要因の一つともなっているのです。
だからこそ、”適時”と”適量”は密接に繋げて考える必要があるということになります。例えば。
”冬ニットの販売期間は11月~1月の3か月。その期間の売上予算は2千万円。
ニットの販売価格は、セールまで想定して8,000円。ということは💡
ニットの必要仕入枚数は、2,500枚。”
このようなことが、事前にある程度、シミュレーション出来ておけば、余程のことがない限り、在庫が積みあがる可能性は減る!ということになります。
このことは、MDの最重要仕事の一つである予算設計のことにも繋がっていますので、よく覚えておいてください。
最後に、”適時”は商品投入タイミングを考えるだけでなく、商品を引き上げる時期も具体的に決めておく。そして、どの商品がどのくらいの数量が売れるのか?という”適量”を密接に繋げて考えることが大事。
ということで、”適量”の話は終わりにします。
次回は、”5適”の最後。”適格”の話をさせて頂きます。
では皆様。次回をお楽しみに。