商品分析について考えてみよう⑤

商品分析について考えてみよう⑤

商品分析について考えてみよう⑤

前回の記事の振り返り

前回の記事では、売上ランキングの売上でみるべき項目は金額だけなく、構成比も見ると、自ショップ・ブランドの売れているとき、売れていないときの癖が見抜ける?という話をしました。 

今回も以下の図を基に話を展開していきます。

そして、この表の特徴は、大まかに以下のようなことで構成されています。

① 売上・粗利・在庫の部から構成されています。
② 売上・在庫は金額や点数だけでなく、構成比も記載されています。
③ Excel資料として抽出しています。(Excelを使用する必要のない最先端な組織もあるとは思いますが。)
④ 在庫消化日数が記載されています。

売上点数を見る際に注意する点

今回の記事では、②の部分で前回お伝え出来なかった話を中心にしていきます。

前回の記事では売上構成比の話を中心にさせて頂きました。
今回は、売上点数について考えてみたいと思います。

今回のこの表は、上記にも記載されているようにExcelで作成されています。Excelのフィルター機能を使えば、簡単に売上点数ランキング作成できます。(データ→フィルター→降順) 

売上点数ランキングを見る際の注目点を、私の独断と偏見で簡単に以下記載すると。。。

A 点数が売れている商品は、店舗の入店に敷いては客数に大きく影響を与える(VMDとの連動)
B 在庫消化の進捗の見極め。

以外にも見るべき点はあると思いますが、ざっくり言うとこの2点です。

まずは、Aから見ていきましょう。
売上金額ランキングを見る際の、弱点になるものは、単価の高い商品がランキング上位を占める可能性が高い!ということです。

例えば、セレクトショップを例にとると。オリジナル商品の9,000円のニットが、週で100点売れれば、売上は90万になります。ですが、カナダグースの12万のダウンが週で10枚売れれば、売上が120万となり、ランキングではカナダグースが上位に出てきます。

しかしながら、現実の店舗で考えると、ニットは入口付近のVPにおかれ、入店やその先(買上)客数にも大きな影響を与える商品である筈です。

そして、売上点数が1/10でしかないカナダグースは、そんなメインの場所では店頭では売っていないことでしょう。

この連載の過去に述べたよう、MDが気にしなければならない指標の中に、既存店客数の増減があります。

ということは💡

VMDとMDとの連動性が求められる、売上点数ランキングというものも、現場を知る一つの指標として見なければならないということです。

在庫消化の見極め

次は、Bを見ていきましょう。

因みに、この表で記載されている、前週比というものは売上金額ではなく、売上点数のことです。そして、過去4週の売上点数というものも表記されています。

これは、一体何故なのでしょうか?

過去4週分の売上点数を記載している意味としては、一つはその商品の鮮度が保たれているのか?ということでしょうか。
気温が上がれば、アウターの売上は下がりますし、気温が下がればアウターの売上は上がる。

このことを気温の詳細情報と絡めて考えれば、いつ・どのようなときにアウターの品揃えを増やせばいいのか?減らせばいいのか?また、計画通りなのか?ということが理解できる筈です。

また、何故売上点数でわざわざ前週比を表記しているのか?というと。

これは、価格を下げたときの効果がわかる!ということです。

例えば、先週から商品の価格を30%下げた。だけど、売上点数が先週とあまり変わらなかった。ということになれば、そのセールの効果はない!ということになり、更なる値下げが求められます。

ですが、粗利の状況や、在庫の状況なども鑑みなければなりませんから、このような売上ランキング表は、売上・粗利・在庫を一気通貫で見なければならない!ということです。

次回は、今回も触れなかった在庫の部分についてお話をしていきます。

では、皆さん。次回もお楽しみに。