前回の記事の振り返り
前回の記事では、売上金額・構成比だけでなく、売上点数を見る重要性を述べました。
今回も以下の図を基に話を展開していきます。

そして、この表の特徴は、大まかに以下のようなことで構成されています。
① 売上・粗利・在庫の部から構成されています。
② 売上・在庫は金額や点数だけでなく、構成比も記載されています。
③ Excel資料として抽出しています。(Excelを使用する必要のない最先端な組織もあるとは思いますが。)
④ 在庫消化日数が記載されています。
今回の記事では、主に在庫の数字を見る際に、どのような見方をすることが重要なのか?という話をしていきます。
在庫消化日数とは?
この図を見ると、在庫の部も点数・金額・構成比で表示されています。あとは、在庫消化日数というものが記載されています。
まずは、在庫点数・金額です。この項目は、おそらくどのような組織も常に注意を払っていることでしょう。但し、この連載で何度も述べているように、在庫の点数・数字だけに注力するのではなく、売上・粗利・在庫と一気通貫で数字を見なければ、殆ど意味がありません。
今回の図では、在庫消化日数というものが記載されています。
これは、どのような指標なのか?というと。数式で表すと下記のようになります。
"在庫消化日数=前日時点在庫数÷1日の平均売上枚数"
このようになります。
例えば、ある商品Aの前日の時点在庫数が1,000点。前日までの1日の平均売上点数が20点だとすると?
*商品Aの在庫消化日数
1,000点(前日時点在庫数)÷20点(1日の平均売上数)=50日(在庫消化日数)
ということになります。
この商品Aは、今のままのペースで売れると、あと50日でなくなるよ!ということを知らせてくれるアラートのような存在です。
このことは、在庫消化の目安になります。残り50日でなくなるのが、良いことなのか?悪いことなのか?商品の追加の判断。セール施策の実行等に役立つものになります。
但し、そのことを判断するには、販売終了日という旗を立てることが必要となります。今回のこの図には、販売終了日は記載されていませんが、販売終了日の隣に販売終了日を記載しておけば、商品の追加やセール施策等の実行などに大いに役立つことでしょう。
また、販売終了日を記載していなくても、組織の適時に関するルール。季節コード等と販売終了日がリンクしているのならば、そのことで現時点の在庫が多いのか?少ないのか?ちょうどいいのか?という判断ができるようになる筈です。
在庫消化日数の弱点
しかしながら、この在庫消化日数という指標は、実は信じすぎてはいけない!指標であるということを理解しておかなければなりません。
それは、何故か?と言いますと。。。
アパレル・ファッション小売業にお勤めの方であれば、ピンとくると思いますが、新商品が売れるスピードというものは、商品が入荷してきた当初と、入荷してきてからある程度時間が経過した。とでは、大きく違うケースが多々あります。とくにレディースはその傾向が顕著です。
このことを上記の商品Aで考えてみると。。。
この商品は、入荷して2か月が経過したとします。
入荷当初の1日の平均売上数は30点であったが、ここ2週間の平均売上数は8点であるとなった場合。
上記のケースは入荷2か月の平均売上数の20点で計算してますから、在庫消化日数は50日となりますが、喫緊2週間での、1日の平均売上数8点を上記の数量にあてはめて考えてみると。。。
1,000点(前日時点在庫数)÷8点(喫緊2週間の1日の平均売上数)=125日(在庫消化日数)
というように、上記の50日という数字とは全く違う数字が出てきます。どちらの数字が実態に近いのか?もう皆さんおわかりの筈です。
在庫消化日数を指標として使う際は、このようなこともある!ということを、読者の皆様も注意するようにしましょう!
次回は、在庫構成比は、どのように見ていったらいいのか?
ということを話していきます。
では、皆さん。次回もお楽しみに。