今回から仕入予算の話
今回からは、仕入予算のことをできるだけわかりやすく皆様方にお伝えできればと考えています。
このことは、アパレル・ファッション小売業界で問題になっている在庫過多問題にも繋がりますので,読者の皆様方のお役に立てれば幸いです。
仕入予算に関することは、過去にも他の連載や私のブログでも度々記事にしてきました。しかしながら、小売業と一括りにしても考え方は多種多様であり、とくにアパレル小売業界でもその考え方は統一出来ていない!というのが、現状ではないでしょうか?
実際、私が行っている”MD基礎講義”で多くの組織の方々とお話しても、その考え方は多種多様でした。
例えば、
・期首在庫の金額に応じてどうこう?だとか?(このことは後に丁寧にお話していきたいと思います)
・昨年の売上に応じてどうこう?
・仕入予算の考え方に粗利益は関係ない?
等。その考え方には、枚挙に暇がありませんでした。
過去に私が経験した話
ここで、私個人の経験談をお話させて頂きますと。。。
私がかつて所属していた組織では、期・シーズンの売上予算の●●●%が仕入予算。そんな考え方でした。
これは、どういうことかと言いますと。。。
例えば、組織の年間の売上予算が1億円の場合。売上予算の130%が仕入予算になる!
こんな考え方です。
実際、このようなルールで組織の仕入予算を考えているアパレル・ファッション小売業界の組織は、未だに多くあるのではないでしょうか?
上記の考え方ですが、アパレル・ファッション小売業界の仕事に従事されている方なら、なんとなく理解できることでしょう。
売上予算1億円に対して、1億円しか仕入れなければ、商品が不足し売上予算など達成できない!
と誰もが考えるからです。
だからこそ、上記のような売上予算に対して130%を仕入れる!このような考え方に至るのでしょう。
売上予算より多くの仕入をすることは間違いではないが。。。
実はこの考え方は、特段間違いである!というわけではありません。実際に、売上予算金額以上の仕入金額を仕入れないと、売上予算を達成できないのは紛れもない事実です。
上記の例で言いますと。。。
売上予算1億円に対して130%の仕入予算ということですから、仕入予算金額は1億3,000万円になります。ということは。
1億3,000万円(仕入予算)-1億円(売上予算)=3,000万円(売価変更可能金額)
3,000万円÷1億3,000万円=23.1%(年間の想定OFF率)
となり、1年で23.1%OFFくらいに収まるように仕入をする!ということになります。
しかしながら、この考え方だと今までこの連載で大事だ!と言い続けてきた、粗利益と全く関連性がありません。
ということで!次回の連載からは、ある個人ショップを例に仕入予算に関することを記事にしていきます。
では、皆さん。次回もお楽しみに。