・Aさんのバッグ屋の目標数字を再確認
前回の記事では、セレクトショップのバイヤー経験者Aさんをモデルに仕入予算を考えよう!という話になりました。
Aさんの立ち上げるショップ概要は以下の通りになります。
”セレクトショップのバイヤー経験者のAさんは、独立してバッグ屋を立ち上げることにしました。Aさんがオープンするバッグ屋の1年間でかかる販管費(経費)は、5,000万円であると算出された。そこでAさんは、5,500万円の粗利益高を目標にすることにした。”
そして、売上予算と粗利率予算を以下のように設定しました。
”売上予算1億1千万円 粗利率予算50% 粗利高予算5,500万円。売上予算1億1千万円ー粗利高予算5,500万円=売上原価予算5,500万円”
仕入の基本は?売れる分だけ仕入れる
仕入予算を決める際に基本的な考え方は、前回の記事でもお伝えした通り。
”売れる分だけ仕入する!!”
このことが基本になります。
では、上記のAさんの例で言うと、どの数字を仕入のターゲットにした良いのでしょうか?それは、皆さんもおわかり通り!
売上原価予算5,500万円=仕入原価予算5,500万円

このことになります。
このケースで行くと、仕入の基本的な考え方である”売れる分だけ仕入する!”ということに沿っていますし、この1年での消化率は?(あまりこの考え方を強調するのは好きではないが。。。)
5,500万円÷5,500万円=100%(1年の商品の消化率)
と見ることもできます。
しかしながら、この仕入予算の決め方では、このシリーズの冒頭でも申しましたように、売上予算の1億1千万円を達成するのは、難しいような感じがします。
値入率の設定を決めるということ。
仕入関連の項目を決める際に、仕入予算に以外にも決めなければならないものがあります。それは何でしょうか?
それは、値入率(仕入原価率)の設定になります。
アパレル・ファッション小売業の仕事に従事しているMD・バイヤーならば、商品を仕入する際に、上司からこのことを良く言われている筈です。
今回のAさんのショップのケースで考えると、最低でもクリアしなければならない!値入率の設定は、どのくらい?になるかと言いますと、粗利率の設定が50%なのですから、50%以上の値入率の設定しなければならない!ということになります。(仕入原価率ならば、50%以下の設定しなければならない!)
そこで、今回Aさんは値入率の設定を60%(仕入原価率の設定を40%)にすることにしました。
すると、Aさんの数字関連の目標は以下の通りになります。
・売上予算 1億1千万円
・粗利率予算 50%
・仕入原価予算 5,500万円
・値入率設定 60%
次回の記事では、このことから。皆さん方が感じられている疑問。
”売れる分だけ仕入する!”では、売上予算の1億1千万など達成できるわけがないではないか!という疑問にお答えしていきます。
次回もお楽しみに。